佐賀県内で医療的ケアが必要な子どもたちやそのご家族を支える事業所の皆様へ。在宅での生活を支援し、介護するご家族の負担を軽減するための重要な補助金「令和7年度佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業費補助金」の公募が開始されました。この制度は、短期入所事業所や訪問看護ステーションなどが提供するレスパイトケア(休息支援)や通院支援などの取り組みにかかる経費の一部を支援するものです。本記事では、この補助金の概要から対象者、具体的な補助額、申請方法、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。貴社の社会貢献活動と事業運営を力強く後押しするこの機会を、ぜひご活用ください。

この補助金のポイント

  • 対象者: 佐賀県内の指定短期入所事業所、訪問看護ステーション、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所を運営する法人
  • 目的: 医療的ケア児(者)を介護する家族のレスパイト(休息)支援
  • 補助内容: 在宅生活支援事業に要した経費の一部を補助
  • 申請期限: 令和7年10月24日(金曜日)必着

① 補助金の概要

まずは、「佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業費補助金」がどのような制度なのか、基本的な情報から確認していきましょう。

正式名称

令和7年度佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業費補助金

実施組織

佐賀県 健康福祉部 障害福祉課

目的・背景

この補助金は、在宅で生活を送る医療的ケアが必要な障害児(者)と、その介護を担うご家族を支援することを目的としています。医療技術の進歩により、在宅で高度な医療的ケアを受けながら生活する子どもたちが増えています。しかし、その一方で、介護を行うご家族は24時間体制でのケアが必要となり、心身ともに大きな負担を抱えているのが現状です。この補助金は、専門的なサービスを提供する事業所が、ご家族に代わって一時的にケアを行う「レスパイト支援」などを実施する際の経費を補助することで、介護者の休息時間を確保し、在宅での安定した生活を継続できる体制を整えることを目指しています。

② 補助金額・補助率

補助金額は、実施する事業の内容によって異なります。全体としては「事業の実施に要した経費の一部」が補助されますが、特に「通院等支援事業」については具体的な補助単価が定められています。ここでは、その詳細を分かりやすく解説します。

通院等支援事業の補助額

この事業は、医療的ケア児等の通院や入退院、短期入所施設への移動などに看護師等が付き添い、必要なケアや見守りを行う場合に人件費の一部を補助するものです。

支援内容 補助単価(時間あたり) 1日あたりの上限時間
ア.通院・入退院・受診中の付添い支援 【移動中】6,000円
【受診中】3,000円
6時間
イ.短期入所事業所への送迎中の支援 【移動中】2,000円 3時間

※時間は30分未満切り捨て(0.5時間単位で算定)となります。
※その他の事業区分に関する補助額の詳細は、必ず公式サイトの交付要綱をご確認ください。

③ 対象者・条件

この補助金の対象となるのは、佐賀県内で以下の事業所を運営する法人です。個人での申請はできませんのでご注意ください。

  • 指定短期入所事業所
  • 指定訪問看護ステーション
  • 指定児童発達支援事業所
  • 指定放課後等デイサービス事業所

提供するサービスの対象者

補助対象となる事業(例:通院等支援)を提供する相手方は、以下のいずれかに該当する方です。

  • 訪問看護サービスを利用する佐賀県内に在住の医療的ケア児者
  • 佐賀県内の市町から「短期入所」の支給決定を受けた医療的ケア児者
  • 佐賀県内の市町から「児童通所支援事業」の支給決定を受けた医療的ケア児

④ 補助対象経費

補助の対象となるのは、医療的ケア児等の在宅生活を支援する事業を行った場合に要した経費の一部です。具体的には以下のような経費が想定されます。

対象となる経費の例

  • 人件費: 通院支援や短期入所時の送迎に付き添う看護師や介護職員の人件費など。
  • 事業運営費: レスパイトケアの提供に必要な消耗品費や光熱水費など。

対象外となる経費

以下の経費は補助対象外となりますので、十分にご注意ください。

  • 他の補助金や公的制度によって既に補助対象となっている経費。
  • 通院等支援事業において、医療的ケア児が同乗していない区間の移動経費(例:入院送迎後の帰路、退院お迎えのための往路など)。
  • 法人の運営に関する一般的な経費(役員報酬など)。

⑤ 申請方法・手順

申請は、定められた期限までに必要書類を提出することで行います。ここでは、申請から補助金交付までの流れをステップごとに解説します。

Step 1: 交付要綱・実施要綱の確認

まずは佐賀県の公式サイトから最新の「交付要綱」と「実施要綱」をダウンロードし、内容を熟読してください。補助金の詳細なルールや条件が記載されています。

Step 2: 必要書類の準備

申請には以下の書類が必要です。様式は公式サイトからダウンロードできます。

  • 令和7年度佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業費補助金交付申請書
  • 事業計画書
  • 収支予算書
  • その他、要綱で定められた関係書類(様式別紙など)

※すべての様式において、押印は不要です。

Step 3: 申請書の提出

準備した書類を、申請期限までに以下のいずれかの方法で提出します。

  • メール: shougaifukushi@pref.saga.lg.jp
  • 郵送: 〒840-8570 佐賀県佐賀市城内一丁目1番59号 佐賀県健康福祉部障害福祉課 地域生活支援担当 宛

申請期限:令和7年10月24日(金曜日)必着

Step 4: 交付決定後の流れ

申請内容が審査され、採択されると「交付決定通知」が届きます。その後、計画に沿って事業を実施し、年度末に実績報告書を提出します。報告書の内容が確認された後、補助金が交付(精算払い)されます。なお、希望する場合は1か月ごとの概算払い(前払い)も可能ですので、交付申請時に担当課へご相談ください。

⑥ 採択のポイント

補助金を確実に受給するためには、いくつかのポイントを押さえて申請準備を進めることが重要です。

事業目的との整合性を明確にする

申請する事業計画が、この補助金の目的である「医療的ケア児(者)を介護する家族のレスパイト支援」にどのように貢献するのかを具体的に示しましょう。単にサービスを提供するだけでなく、その結果として家族の負担がどう軽減されるのか、利用者の生活の質がどう向上するのかを明確に記述することが採択への近道です。

計画の具体性と実現可能性

事業計画書や収支予算書は、具体的かつ実現可能な内容で作成する必要があります。「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どのように」行うのかを詳細に記載し、計上する経費が事業の実施に不可欠であることを示しましょう。特に、補助額の算定基礎となる時間や単価については、正確に記載してください。

書類の不備をなくし、期限を厳守する

基本的なことですが、最も重要です。指定された様式をすべて揃え、記入漏れや誤りがないか、提出前に複数人でダブルチェックしましょう。申請期限は「必着」ですので、郵送の場合は余裕を持ったスケジュールで発送することが不可欠です。

専門家からのアドバイス: 不明な点があれば、申請前に必ず佐賀県の担当課へ問い合わせましょう。事前に相談することで、要件の解釈違いを防ぎ、より精度の高い申請書を作成できます。特に、概算払いを希望する場合や、対象経費の範囲に迷う場合は、早めに連絡することをお勧めします。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 個人事業主として訪問看護ステーションを運営していますが、申請できますか?

A1. いいえ、できません。この補助金の対象は「法人」に限られています。個人事業主の方は対象外となります。

Q2. 申請期限を過ぎてしまった場合、受け付けてもらえますか?

A2. 申請期限は令和7年10月24日(金曜日)必着であり、いかなる理由があっても期限後の申請は受け付けられません。余裕を持った準備と提出を心がけてください。

Q3. 補助金はいつもらえますか?資金繰りが心配です。

A3. 原則として、事業年度終了後の実績報告に基づき支払われる「精算払い」です。ただし、資金繰りに配慮し、1か月ごとなどの「概算払い(前払い)」も可能です。概算払いを希望される場合は、交付申請時に必ず佐賀県の担当課へご相談ください。

Q4. 申請書の押印は必要ですか?

A4. いいえ、すべての様式において押印は不要となっています。行政手続きの簡素化の一環です。

Q5. 通院支援で、病院まで1時間、診察待ちが2時間、帰りが1時間の場合、補助額はいくらになりますか?

A5. 移動時間は往復で2時間、受診中の時間は2時間となります。計算式は以下の通りです。
・移動支援: 6,000円 × 2時間 = 12,000円
・受診中支援: 3,000円 × 2時間 = 6,000円
合計で18,000円が補助基準額となります。

⑧ まとめ・行動喚起

今回は、「令和7年度佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業費補助金」について詳しく解説しました。この補助金は、医療的ケア児を支える事業所にとって、サービスの質を向上させ、ご家族の負担を軽減するための強力なツールとなります。

重要ポイントの再確認

  • 対象は佐賀県内の指定事業所を運営する法人
  • 家族のレスパイト支援など、在宅生活を支える事業が対象
  • 申請期限は令和7年10月24日(金)必着
  • 申請前に必ず交付要綱を熟読すること
  • 不明点は担当課へ早めに相談すること

申請期限まで時間は限られています。まずは公式サイトで詳細を確認し、申請準備を始めましょう。この記事が、貴社の取り組みの一助となれば幸いです。

問い合わせ先・公式サイト