詳細情報
岩手県の豊かな地域資源を活かして新事業を立ち上げたい、あるいは既存事業をさらに発展させたいとお考えの中小企業や農林漁業者の皆様へ。単独では難しい課題も、他社と連携することで新たな道が開けるかもしれません。しかし、「どう連携すればいいかわからない」「専門的な知識が足りない」といった壁に直面していませんか?
そんな皆様を力強く後押しするのが、岩手県中小企業団体中央会が実施する「令和7年度中小企業等連携支援事業」です。この事業は、補助金のような金銭的支援ではなく、各分野の専門家があなたの事業に寄り添い、新商品開発から販路開拓までを継続的にサポートする「伴走支援」制度です。この記事では、本事業の概要から申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく解説します。
中小企業等連携支援事業とは?
事業の概要
「中小企業等連携支援事業」は、岩手県内の中小企業者や農林漁業者などがグループを形成し、地域の持つ魅力的な資源を活用して新しいビジネスに挑戦する取り組みを支援する制度です。単なる資金提供ではなく、事業計画の策定から実行段階まで、専門家がチームの一員のように関わり、継続的なアドバイスやサポート(伴走支援)を行うのが最大の特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 令和7年度中小企業等連携支援事業 |
| 実施組織 | 岩手県中小企業団体中央会 |
| 目的 | 企業間・産業間の連携を促進し、地域資源を活用した新事業創出や高付加価値化、販路開拓を支援する |
| 支援形態 | 専門家派遣による伴走支援(金銭的支援ではない) |
活用できる「地域資源」の例
本事業で活用が想定される「地域資源」は多岐にわたります。自社の強みと地域の魅力を掛け合わせることで、新たなビジネスチャンスが生まれます。
- 農林水産物: 県産のブランド米、雑穀、野菜、果物、前沢牛や短角牛、三陸の海産物など
- 観光資源: 平泉の世界遺産、龍泉洞、浄土ヶ浜、小岩井農場、各地の温泉や祭りなど
- ものづくり(地場産業・伝統工芸等): 南部鉄器、秀衡塗、岩谷堂箪笥などの伝統工芸品や、地域に根付いた製造技術など
支援内容とメリット
本事業は金銭的な補助ではありませんが、それを上回る価値のある「専門家の知見」を得られる点が最大のメリットです。通常であれば高額なコンサルティング費用がかかるような専門家からのサポートを、事業の枠組みの中で受けることができます。
受けられる支援の具体例
グループの課題や目標に応じて、最適な専門家が派遣され、以下のような支援を受けることが可能です。
| 支援分野 | 支援内容の例 |
|---|---|
| 新商品・サービス開発 | 市場ニーズの分析、コンセプト設計、試作品開発の技術指導、品質管理体制の構築支援 |
| 販路開拓・マーケティング | ターゲット顧客の設定、効果的なプロモーション戦略の立案、ECサイト構築やSNS活用の助言、展示会出展サポート |
| ブランディング・デザイン | ブランドストーリーの構築、ロゴやパッケージデザインの改善提案、魅力的な商品名の考案 |
| 事業計画策定 | 事業の目標設定、収支計画の作成、資金調達に関するアドバイス、連携体内の役割分担の整理 |
対象者・条件
本事業の支援対象となるには、いくつかの要件を満たす必要があります。最も重要なのは「グループ」で取り組むことです。
- 対象者: 岩手県内に事業所を有する中小企業者、農林漁業者、NPO法人などで構成されるグループ(任意グループも可)。
- 連携形態: 異業種連携、同業者連携、産学官連携など、形態は問いません。
- 事業内容: 地域の農林水産物、観光資源、ものづくり技術などを活用した新商品・サービス開発、高付加価値化、販路開拓などの取り組みであること。
【対象となるグループの例】
・沿岸部の水産加工業者と内陸部の野菜農家が連携した新商品の開発グループ
・伝統工芸の職人とデザイナー、IT企業が連携した海外向けECサイトの構築プロジェクト
・地域の観光協会と飲食店、宿泊施設が連携した体験型観光プランの開発チーム
申請方法・手順
本事業は年度内、随時受付を行っているため、思い立ったタイミングで相談・申請が可能です。まずは気軽に問い合わせてみましょう。
申請ステップ
- STEP 1: 事前相談(推奨)
まずは岩手県中小企業団体中央会の担当者に電話で相談しましょう。事業構想や連携のアイデアを伝えることで、的確なアドバイスがもらえます。 - STEP 2: グループ形成と事業計画の検討
連携するメンバーを募り、どのような事業に取り組むか、具体的な計画を練ります。 - STEP 3: 申請書類の作成
公式サイトから「対象任意グループ等概要書」をダウンロードし、必要事項を記入します。 - STEP 4: 申請書類の提出
作成した概要書を、FAXまたは郵送で提出します。 - STEP 5: ヒアリング・審査
提出された内容に基づき、担当者によるヒアリングが行われます。事業内容や連携の目的などを詳しく説明します。 - STEP 6: 支援開始
採択されると、グループの課題に合った専門家が選定され、伴走支援がスタートします。
必要書類と提出先
- 必要書類: 対象任意グループ等概要書(こちらからダウンロード)
- 提出先: 岩手県中小企業団体中央会 連携支援部
- 提出方法: FAXまたは郵送
- 申請期限: 年度内、随時受付
採択されるためのポイント
支援を受けるためには、審査を通過する必要があります。申請書作成やヒアリングの際に、以下の点を意識することが重要です。
審査で重視される視点
- 連携の必要性とシナジー効果: なぜこのメンバーで連携する必要があるのか? 1+1が2以上になるような、連携による相乗効果を具体的に示せているか。
- 事業の新規性と実現可能性: アイデアに新規性や独自性があるか。また、計画が絵に描いた餅ではなく、実現可能なものであるか。
- 地域資源の活用度: 岩手県ならではの地域資源を効果的に活用し、その魅力を高める取り組みになっているか。
- 事業の継続性と発展性: 支援終了後も事業が自走し、継続的に発展していくビジョンが描けているか。
- 課題意識と専門家活用の意欲: 自社の課題を明確に認識し、専門家の支援を積極的に活用して解決しようという強い意欲があるか。
よくある不採択理由
過去の事例から、採択に至らないケースにはいくつかの共通点があります。これらを避けるように計画を練りましょう。
- 連携の目的が曖昧で、単なる「集まり」に留まっている。
- 事業計画が漠然としており、目標やスケジュールが具体的でない。
- 市場調査が不十分で、独りよがりな商品・サービス開発になっている。
- 専門家に丸投げする姿勢が見られ、主体性に欠ける。
よくある質問(FAQ)
A1. いいえ、できません。この事業は「連携」を支援するものであるため、必ず2者以上で構成されるグループでの申請が必要です。
A2. 構成人数の下限・上限は特に定められていませんが、事業目的を達成するために最適なメンバーで構成することが重要です。まずは2〜5者程度で始めるケースが多いようです。
A3. グループが抱える課題に応じて、中小企業診断士、技術士、デザイナー、マーケター、ITコンサルタントなど、多岐にわたる分野の専門家が派遣されます。中央会が持つ専門家ネットワークの中から最適な人材が選定されます。
A4. 事業の進捗状況によりますが、単発の相談から複数年にわたる継続的な支援まで、柔軟に対応してもらえます。反復継続的な伴走支援が基本となります。
A5. 専門家の派遣にかかる謝金や旅費は、基本的に事業の枠組みで負担されます。ただし、試作品開発にかかる材料費など、自社の事業活動で発生する実費は自己負担となります。詳細は相談時にご確認ください。
まとめと問い合わせ先
「令和7年度中小企業等連携支援事業」は、岩手県の地域資源を活かした新たな挑戦を目指す企業グループにとって、非常に価値のある支援制度です。資金ではなく「知恵と経験」を提供することで、事業の成功確率を格段に高めてくれます。
【重要ポイントの再確認】
✅ 専門家による伴走支援が受けられる(金銭的支援ではない)
✅ 中小企業や農林漁業者等のグループでの申請が必須
✅ 申請は随時受付で、いつでも相談可能
「こんなアイデアがあるんだけど…」「連携したい相手がいるけど、どう進めたらいいか…」など、少しでも関心を持たれた方は、まずは下記の窓口へ気軽に相談してみてください。あなたのビジネスを次のステージへ進める、大きな一歩になるはずです。
本件のお問い合わせ先
- 組織名: 岩手県中小企業団体中央会 連携支援部
- 担当者: 菅原・鎌田
- 電話番号: 019-624-1363
- FAX番号: 019-624-1266
- E-mail: kotaro@ginga.or.jp
- 住所: 〒020-0878 岩手県盛岡市肴町4番5号 カガヤ肴町ビル2階
- 公式サイト: https://www.ginga.or.jp/2025/07/02/14977/