函館市内で介護・福祉施設の新設、大規模修繕、防災対策、ICT化などを検討している事業者様は必見です。函館市では、国の交付金、北海道の補助金、さらに市独自の補助金を活用し、介護基盤の整備を強力に支援しています。この記事では、令和6年度の集団指導で示された最新情報に基づき、令和7年度(2025年度)以降に活用できる各種補助金制度を分かりやすく解説します。

函館市 介護・福祉施設整備補助金の概要

函館市の施設整備補助金は、大きく分けて「北海道補助事業」「国補助事業」「市単独事業」の3つの財源から構成されています。事業内容や施設の種別によって活用できる制度が異なるため、計画段階での確認が重要です。

項目 内容
補助金名 函館市 施設等整備費補助金(地域密着型サービス拠点整備費等補助金/社会福祉施設等整備費補助金)
実施機関 函館市(財源:国、北海道、函館市)
対象者 函館市内で対象となる介護・福祉施設等の整備を行う社会福祉法人、医療法人等
対象経費 施設の創設・増改築、大規模修繕、介護ロボット・ICT導入、防災設備(自家発電設備等)整備、スプリンクラー設置費用など
補助額・補助率 事業メニューにより異なる(定額補助、または対象経費の3/4など)

重要ポイント:計画段階での早期相談が必須

これらの補助金は、市が事業計画を取りまとめ、国や北海道と協議の上で採択される必要があります。そのため、整備を検討する際は、計画の早い段階で必ず函館市の担当課へ相談してください。スケジュールに余裕を持った準備が成功の鍵となります。

補助金の種類と詳細

ここでは、主な3つの補助金制度について、対象事業やスケジュールを解説します。

1. 【北海道補助】介護サービス提供基盤等整備事業

北海道の交付金を活用した事業で、主に既存施設の機能強化を支援します。

主な対象事業と補助額(令和6年度実績)

  • 介護ロボット・ICT導入支援: 大規模修繕と合わせて行う場合に適用。
    補助額例:496千円 × 定員数
  • 特養多床室のプライバシー保護改修:
    補助額例:865千円 × 整備床数
  • 特養等のユニット化改修:
    補助額例:多床室から 2,820千円 × 整備床数
  • 看取り環境の整備:
    補助額例:4,130千円 × 施設数

例年の申請スケジュール

  1. 整備前年度 9月下旬~10月上旬: 市から法人へ所要額調査
  2. 整備前年度 3月下旬~4月上旬: 市から北海道へ補助協議
  3. 整備年度 6月上旬頃: 北海道から市へ内示
  4. 整備年度 9月中旬頃: 市から法人へ内示
  5. 整備年度 9月下旬以降: 交付申請、事業開始

2. 【国補助】地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金

国の交付金を活用した事業で、特に防災・減災対策や安全対策に関するメニューが豊富です。

⚠️ 注意:BCP(業務継続計画)策定が原則必須

この補助金を申請するには、BCPおよび非常災害対策計画の策定が原則として補助対象の条件となります。未策定の場合は早急な対応が必要です。

主な対象事業と補助額(令和6年度実績)

  • スプリンクラー設備等整備: 軽費老人ホーム等が対象。
  • 認知症高齢者グループホーム等防災改修等支援: 非常用自家発電設備など。
    補助額例:最大7,730千円~15,400千円
  • 高齢者施設等の非常用自家発電設備整備:
    補助率:3/4(国1/2, 市1/4)
  • 高齢者施設等の給水設備整備:
    補助率:3/4(国1/2, 市1/4)
  • 防犯対策・安全対策強化(ブロック塀等改修):
    補助率:3/4(国1/2, 市1/4)

例年の申請スケジュール

  1. 整備年度 4月中旬: 市から法人へ意向照会、市から国へ補助協議
  2. 整備年度 7月中旬頃: 国から市へ内示
  3. 整備年度 9月中旬頃: 市から法人へ内示
  4. 整備年度 9月下旬以降: 交付申請、事業開始

3. 【市単独】函館市社会福祉施設等整備費補助金

函館市の福祉計画等に基づき、特に必要と認められる施設の創設や増改築などを支援する市独自の制度です。

  • 対象施設: 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)など
  • 対象整備: 創設、増築、増改築、改築、拡張
  • 補助率: 対象経費の3/4(予算の範囲内で調整)

申請スケジュールの例

市の審査会での採択が必要なため、他の制度よりさらに早期の準備が求められます。

  1. 交付申請の約1年前: 法人から市へ事前審査申請
  2. 事前審査申請の約3ヶ月後: 審査会での採択
  3. 採択後: 市議会での予算計上、法人へ内示
  4. 内示後: 交付申請、事業開始

申請前の最重要確認事項「財産処分」

要注意!財産処分には事前承認が必要です

補助金を受けて整備した施設や設備は、一定期間(処分制限期間)、市の承認なしに目的外使用、譲渡、貸付、取壊しなどを行うことができません。これを「財産処分」と呼びます。

  • 財産処分を行う場合は、必ず事前に市の承認を得る必要があります。
  • 承認手続きには国・道との協議を含め数ヶ月かかるため、余裕を持った相談が必要です。
  • 無断で財産処分を行った場合、補助金の交付決定が取り消され、返還を求められることがあります。
  • 補助金関連の書類(交付決定通知書など)は、処分制限期間が終了するまで大切に保管してください。

まとめと相談・問い合わせ先

函館市の介護・福祉施設整備補助金は、事業者の負担を軽減し、質の高いサービス提供基盤を整えるための重要な制度です。しかし、制度が多岐にわたり、手続きも複雑なため、成功の鍵はいかに早い段階から市の担当者と連携できるかにかかっています。

少しでも施設整備の計画がある場合は、まずは下記の公式サイトで最新情報を確認し、担当課へ相談することから始めましょう。

※この記事は公開日時点の情報に基づいています。申請の際は必ず公式サイトで最新の要綱をご確認ください。