対象となる方
- 医療費助成のオンライン資格確認導入のため、レセプトコンピュータ等のシステム改修を行う病院、診療所、薬局
- マイナンバーカードを診察券として利用するためのシステム改修を検討している医療機関
- 2024年度(令和6年度)以降にシステム改修を実施した、または予定している事業者
申請手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP 1 | システム改修の実施および費用の支払い |
| STEP 2 | 必要書類(領収書、内訳書、ベンダー記入のチェックシート)の準備 |
| STEP 3 | 「医療機関等向け総合ポータルサイト」より電子申請(申請期間: 2025年6月6日~2026年1月15日) |
| STEP 4 | 社会保険診療報酬支払基金による審査後、補助金振込 |
補助金額・補助率
本補助金は、医療機関の種別や改修内容によって補助上限額および補助率が異なります。詳細は以下の通りです。
病院の場合
| 改修内容 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| ① 医療費助成のオンライン資格確認のみ | 28.3万円 | 事業費56.6万円を上限に1/2 |
| ② 医療費助成+マイナ診察券(再来受付機改修なし) | 28.3万円 | 事業費56.6万円を上限に1/2 |
| ③ 医療費助成+マイナ診察券(再来受付機改修あり) | 60.0万円 | 事業費120万円を上限に1/2 |
| ④ マイナ診察券のみ(再来受付機改修なし) | 28.3万円 | 事業費56.6万円を上限に1/2 |
| ⑤ マイナ診察券のみ(再来受付機改修あり) | 60.0万円 | 事業費120万円を上限に1/2 |
診療所の場合
| 改修内容 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| ① 医療費助成のオンライン資格確認のみ | 5.4万円 | 事業費7.3万円を上限に3/4 |
| ② 医療費助成+マイナ診察券 | 5.4万円 | 事業費7.3万円を上限に3/4 |
| ③ マイナ診察券のみ | 5.4万円 | 事業費7.3万円を上限に3/4 |
薬局の場合
| 事業者区分 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 大型チェーン薬局以外 | 5.4万円 | 事業費7.3万円を上限に3/4 |
| 大型チェーン薬局 | 3.6万円 | 事業費7.3万円を上限に1/2 |
計算例(診療所の場合): システム改修の事業費が7.3万円の場合 → 7.3万円 × 補助率3/4 = 5.475万円。千円未満は切り捨てのため、補助額は5.4万円となります。
対象者・申請要件
対象となる事業者
- 日本国内に所在する保険医療機関・保険薬局(病院、診療所、薬局)
- 医療費助成のオンライン資格確認またはマイナ診察券の導入を目的として、対象となるシステム改修を実施する事業者
- 申請期間内に、指定された方法で申請手続きを完了できる事業者
主な要件
- 申請は1医療機関・薬局につき1回限りです。医療費助成とマイナ診察券の改修を別時期に行った場合でも、申請は一括で行う必要があります。
- 2024年度(令和6年度)に実施したシステム改修も補助対象となります。
- 予算の範囲内で実施されるため、申請期間内であっても受付が終了する可能性があります。
補助対象経費
| 経費区分 | 詳細 | 対象可否 |
|---|---|---|
| レセコン等改修費 | 医療費助成の受給者証情報をオンラインで取得するため、またはマイナ診察券で受付を行うためのレセプトコンピュータ等の改修費用 | ○ |
| 再来受付機改修費等 | 【病院のみ】マイナ診察券に対応するための再来受付機の改修費用、または購入時のオプション費用 | ○ |
| ハードウェア購入費 | PC、サーバー、ネットワーク機器等の購入費用(改修に伴わない汎用的なものは対象外) | × |
| 保守・運用費用 | システム改修後の保守契約料や通信費等のランニングコスト | × |
重要: 本補助金は、2024年度(令和6年度)に実施した改修費用も対象となる事後申請が可能です。申請には支払いを証明する領収書等が必要となります。
必要書類一覧
| No. | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 領収書 | システム改修費用の支払いを証明するもの |
| 2 | 領収書内訳書 | 費用の詳細がわかるもの |
| 3 | システム改修に係るチェックシート | システムベンダーに記入を依頼 |
審査基準・採択のポイント
本補助金は、事業計画の優劣を競うものではなく、要件を満たした申請に対して交付されるものです。したがって、採択に向けて最も重要なのは、申請要件を正確に理解し、不備のない書類を期間内に提出することです。
申請における重要ポイント
- 早期の申請: 補助金は国の予算の範囲内で実施されるため、申請期間の終了を待たずに受付が締め切られる可能性があります。改修が完了次第、速やかに申請手続きを行うことを推奨します。
- 申請は一括で: 医療費助成とマイナ診察券の改修を異なるタイミングで行った場合でも、補助金の申請はまとめて1回で行う必要があります。複数回に分けての申請は認められないため注意が必要です。
- 書類の正確性: 領収書やチェックシートなど、提出書類に不備があると審査が遅れたり、交付が認められない場合があります。特にベンダーに記入を依頼する書類は、内容を十分に確認してください。
よくある質問
Q1: 2024年度(令和6年度)に行った改修は対象になりますか?
A: はい、対象となります。2024年度に実施し、支払いが完了しているシステム改修についても、本補助金の申請が可能です。
Q2: 申請から補助金交付までどのくらいかかりますか?
A: 申請後の審査期間について、公式サイトでは明記されていません。申請件数により変動する可能性がありますが、一般的に数ヶ月程度を要する場合があります。
Q3: 医療費助成の改修と、マイナ診察券の改修を別々に行いました。申請も別々に行えますか?
A: いいえ、できません。改修を別々の機会に実施した場合でも、補助金の申請は一括で行う必要があります。一体的な申請手続きが求められており、複数回の申請は認められません。
Q4: 申請書の書き方や制度について、どこに問い合わせればよいですか?
A: 「オンライン資格確認等コールセンター」が専門の問い合わせ窓口として設置されています。申請方法や制度の詳細について不明な点があれば、こちらにご確認ください。
制度の概要・背景
本補助金は、政府が推進する「医療DX」の一環として、厚生労働省が実施する支援制度です。「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日医療DX推進本部決定)に基づき、医療費助成(公費負担医療や地方単独医療費助成)におけるオンライン資格確認の導入を促進することを目的としています。
この仕組みが普及することにより、医療機関・薬局では受付時の資格確認作業が効率化され、医療事務のコスト削減につながります。また、患者はマイナンバーカード1枚で医療保険と医療費助成の資格情報を提示できるようになり、利便性が大幅に向上します。令和7年5月時点で全国183の自治体(22都府県、161市町村)で運用が開始されており、今後さらなる拡大が見込まれています。
まとめ・お問い合わせ先
「医療費助成のオンライン資格確認に係るシステム改修補助金」は、医療DXを推進し、業務効率化と患者の利便性向上を実現するための重要な支援策です。2024年度の改修も対象となるため、既に対応済みの医療機関・薬局も申請が可能です。予算には限りがあるため、対象となる事業者は早めの申請をご検討ください。
お問い合わせ先
窓口名称: オンライン資格確認等コールセンター
電話: 0800-080-4583(通話無料)
受付時間: 月曜日~金曜日 8:00~18:00(祝日除く)、土曜日 8:00~16:00(祝日除く)
申請サイト: 医療機関等向け総合ポータルサイト
公式サイト: 厚生労働省ホームページ