滋賀県大津市では、歴史的な門前町である坂本地区の美しい景観を未来へ継承するため、「門前町坂本まちなみ整備事業補助金」の公募を令和7年度(2025年度)も実施します。この制度は、対象地域内の建造物の外観整備にかかる費用の一部を最大300万円、補助率2/3で支援するものです。さらに、この地域は国の「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」にも採択されており、今後の発展が期待される注目のエリアです。この記事では、補助金の詳細や申請のポイントを専門家が分かりやすく解説します。
補助金の概要
まずは「門前町坂本まちなみ整備事業補助金」の基本情報を確認しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 門前町坂本まちなみ整備事業補助金(令和7年度) |
実施機関 | 滋賀県大津市 |
目的 | 坂本地区の歴史的・自然的環境と調和した優れたまちなみ景観の形成 |
対象者 | 対象地域内の建造物所有者(事業者・個人) |
補助上限額 | 300万円 |
補助率 | 2/3以内 ※経費区分により上限額の変動あり |
申請期間 | 2025年4月1日〜(予算に達し次第終了の可能性あり) |
この補助金の3つの注目ポイント
1. 歴史的景観の保全に直接貢献できる
この補助金は、比叡山の門前町として栄えた坂本地区の歴史的なまちなみを守ることを目的としています。ご自身の所有する建物の外観を整備することで、地域の価値向上に直接貢献できます。単なるリフォームではなく、文化的な意義の大きい事業です。
2. 最大300万円、補助率2/3の強力な支援
建物の外観整備には多額の費用がかかりますが、この補助金では最大300万円、経費の2/3という手厚い支援が受けられます。これにより、費用負担を大幅に軽減し、質の高い整備を実現することが可能です。
3. 国も注目!観光まちづくりの中核事業
大津市は、観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」において「延暦寺門前町坂本地域の面的発展に向けた観光資源調査」で採択されています。これは、国が坂本地区の観光地としてのポテンシャルを高く評価している証拠です。本補助金を活用した景観整備は、この大きな流れの一翼を担うものであり、地域全体の活性化に繋がります。
補助対象となる事業
補助金の対象となるには、地域や整備内容に条件があります。事前にしっかり確認しましょう。
対象地域
対象となるのは、以下の区域内に所在する建造物です。
- 坂本地区景観形成実施計画の計画地区内
- かつ、県道比叡山線沿道地区地区計画の区域内
ご自身の所有する物件が対象地域に含まれるか不明な場合は、必ず大津市役所にご確認ください。
対象となる整備内容と経費
周辺の歴史的・自然的環境と調和した優れたまちなみ景観の形成に資する、建造物の外観整備が対象です。具体的には、以下のような工事費や建物費が想定されます。
- 屋根の葺き替え、修繕
- 外壁の修繕、塗装、板張りへの変更
- 窓、出入口などの建具の交換・新設
- 門、塀、生垣の修景・改修
- その他、景観形成に寄与する外観の整備
注意点
補助対象となるのは、あくまで外観の整備に関する経費です。内装工事や設備工事などは対象外となるためご注意ください。また、経費区分によって補助上限額が変動する場合がありますので、詳細は必ず市の担当窓口にご相談ください。
申請手続きの流れ
申請は以下のステップで進みます。特に事前相談が必須となっている点が重要です。
- 1事前相談【最重要】
- 2補助金交付申請
- 3交付決定通知
- 4事業の実施
- 5実績報告
- 6補助金の交付
計画している整備内容が補助金の趣旨に合致するか、対象経費は何かなど、必ず市の担当窓口に相談します。審査には1ヶ月程度かかるため、早めに動き出すことが成功の鍵です。
市の指示に従い、申請書や事業計画書、見積書などの必要書類を提出します。
審査後、市から交付決定通知書が届きます。この通知を受け取る前に事業に着手(契約・発注)しないように注意してください。
計画通りに外観整備工事を実施します。
事業完了後、実績報告書や経費の支払いを証明する書類などを市に提出します。
報告書の内容が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
まとめ
大津市の「門前町坂本まちなみ整備事業補助金」は、歴史ある坂本地区の景観を守り、未来へ繋ぐための重要な制度です。最大300万円という手厚い支援は、個人・事業者を問わず、建物の外観整備を検討している方にとって大きなチャンスとなります。国の観光まちづくり事業とも連携した動きの中で、地域の価値を高めるこの取り組みに、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。
申請には事前相談が不可欠です。少しでも興味のある方は、まずは大津市の公式ページをご確認の上、担当窓口へ問い合わせてみることをお勧めします。