対象となる方
- 崩壊の危険がある急傾斜地(がけ)を所有する個人の方
- がけ崩れの影響範囲内に居住用の家屋が存在する場合
- 住民税等の税金を滞納していない方
- (注)自治体により要件が異なります。空き家や貸家は対象外となる場合があります。
申請手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP 1 | お住まいの市区町村の担当窓口へ事前相談(補助対象となるか確認) |
| STEP 2 | 必要書類の準備(申請書、工事計画書、見積書等)と交付申請 |
| STEP 3 | 審査(数週間~1ヶ月程度)→交付決定通知の受領 |
| STEP 4 | 工事契約・着手→工事完了後、実績報告書と請求書を提出→補助金振込 |
補助金額・補助率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 最大200万円(多くの自治体で採用) |
| 補助率 | 対象工事費の3分の1から2分の1以内 |
| 備考 | 補助金は予算の範囲内で交付されるため、申請期間内でも受付が終了する場合があります。 |
計算例: 総事業費600万円、補助率が3分の1の場合 → 600万円 × 1/3 = 200万円。補助上限額200万円のため、200万円が交付されます。
対象者・申請要件
対象となるがけの主な要件
- がけの高さが2メートルを超えていること
- がけの傾斜度が30度以上であること
- 崩壊した場合に被害が及ぶ範囲に、居住用の家屋が存在すること(自己所有・他人所有を問わない場合が多い)
- 人工がけ(切土・盛土)も対象となる場合がある
対象とならない主なケース
- 営利を目的とする不動産事業(分譲地の造成など)に関連する工事
- 宅地造成工事の一環として行われる対策工事
- 既に他の公的補助を受けている、または受ける予定の工事
- 空き家、貸家、事業用の建物のみが影響範囲にある場合(自治体による)
補助対象経費
| 経費区分 | 詳細 | 対象可否 |
|---|---|---|
| 対策工事費 | 擁壁工、法枠工、待受式擁壁工、排水施設工など、がけの安定化に直接寄与する工事費用 | ○ |
| 付帯工事費 | 防護柵の設置など、対策工事と一体的に行われる工事費用(自治体により異なる) | ○ |
| 設計・調査費 | 工事に必要な測量、地質調査、設計にかかる費用 | ○ |
| 応急処置費用 | ブルーシートによる養生など、恒久的な対策ではない応急的な処置にかかる費用 | × |
| 美装・外構費 | 対策工事の目的を超えた、美観を整えるための植栽や門扉、カーポート等の設置費用 | × |
重要: 補助金の交付決定前に契約・着手した工事は、原則として補助対象外となります。必ず自治体からの交付決定通知書を受け取ってから、工事業者と契約してください。
必要書類一覧
| No. | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 補助金交付申請書 | 自治体の公式サイトからダウンロードまたは窓口で入手 |
| 2 | 工事計画書(位置図、現況図、計画図等) | 工事の内容がわかる図面一式 |
| 3 | 工事見積書 | 自治体が指定する業者または建設業許可を持つ業者発行のもの |
| 4 | 現況写真 | 工事着手前の状況がわかる写真 |
| 5 | 登記事項証明書(土地・建物) | 発行日から3ヶ月以内のもの |
| 6 | 納税証明書 | 市区町村税の滞納がないことの証明 |
審査基準・採択のポイント
主な審査項目
- 危険性・緊急性: がけの崩壊の危険性が高く、対策の緊急性が認められるか
- 保全対象の重要性: がけ下に居住用の家屋など、守るべき重要な資産が存在するか
- 計画の妥当性: 対策工事の計画が、技術的に妥当で経済的であるか
- 申請者の適格性: 税金の滞納がなく、補助金の対象者要件を満たしているか
採択率を高めるポイント
- 危険な状況(ひび割れ、湧水、小規模な崩落など)を写真等で具体的に示す
- 自治体の担当者と密に連携し、計画段階から相談を行う
- 信頼できる専門工事業者を選定し、適切な工法と正確な見積書を準備する
- 予算が限られているため、年度の早い時期に相談・申請を行う
よくある質問
Q1: 自分の所有するがけが補助金の対象になるか、どこで確認できますか?
A: まずは、お住まいの市区町村の担当部署(河川課、砂防課、建築指導課など)にご相談ください。職員が現地を確認し、補助対象となるか判断する場合があります。
Q2: 工事業者は自分で探す必要がありますか?
A: はい、原則として申請者ご自身で探していただく必要があります。ただし、自治体によっては「市内業者」や「建設業許可を持つ業者」などの要件があるため、事前に確認が必要です。
Q3: 申請すれば必ず補助金を受けられますか?
A: いいえ、必ず受けられるとは限りません。申請内容が要件を満たしているか審査が行われます。また、自治体の年間予算には限りがあるため、申請多数の場合は受付が早期に終了したり、採択されない可能性があります。
Q4: 隣地との境界にあるがけの場合はどうなりますか?
A: がけの所有権が共有の場合や、工事に隣地所有者の承諾が必要な場合があります。申請前に、隣地所有者との間で協議し、必要に応じて工事施行承諾書などを取り交わす必要があります。
制度の概要・背景
急傾斜地対策費補助金は、がけ崩れによる災害から住民の生命および財産を保護し、安全で住みよい生活環境を確保することを目的とした制度です。本来、がけの維持管理は所有者の責任において行われるべきものですが、対策工事は高額になることが多く、個人の負担だけでは対策が進まないケースがあります。
そこで、多くの地方自治体が、防災・減災の観点から、個人が行う対策工事の費用の一部を補助する制度を設けています。これにより、危険ながけの早期解消を促進し、地域全体の安全性を高めることを目指しています。
まとめ・お問い合わせ先
この補助金は、危険ながけの対策を検討している個人にとって、経済的負担を軽減できる非常に有効な制度です。ご自宅や所有地に危険を感じるがけがある場合は、手遅れになる前に、まずはお住まいの自治体の窓口へ相談することをお勧めします。
お問い合わせ先
実施機関: お住まいの市区町村
担当部署: 自治体により異なります。(例:河川課、農林整備課、建築指導課、砂防課、危機管理課など)
確認方法: 自治体の公式ウェブサイトで「急傾斜地」「がけ」「補助金」などのキーワードで検索するか、代表電話にお問い合わせください。