福岡県糸島市では、市内の事業者を対象に、太陽光発電設備および蓄電池の導入を支援する補助金制度を実施しています。この制度は、国の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用したもので、2050年カーボンニュートラルの実現を目指す重要な取り組みです。本記事では、令和7年度(2025年度)の「事業所用太陽光発電等補助金」について、対象者、補助額、申請方法などを詳しく解説します。
補助金制度の概要
まずは、本補助金の全体像を把握しましょう。主要な項目を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 令和7年度 脱炭素推進重点対策加速化事業 事業所用太陽光発電等補助金 |
実施機関 | 福岡県糸島市 |
対象者 | 糸島市内で事業を営む事業者(個人事業主含む) |
申請期間 | 2025年(令和7年)5月30日頃 〜 2025年(令和7年)11月28日(金)必着 |
補助上限額 | 太陽光:最大245万円 + 蓄電池:設置費用の1/3(上限あり) |
申請方法 | 郵送または窓口へ直接提出 |
公式サイト | 糸島市 公式サイト |
⚠️ 申請における最重要ポイント
- 交付決定前の契約・発注は補助対象外です。必ず市の交付決定通知を受け取ってから事業に着手してください。
- 申請は先着順です。予算額に達した時点で募集は終了となるため、早めの準備・申請が推奨されます。
- FIT/FIP制度の認定を受ける設備は対象外です。自家消費がメインの設備が対象となります。
- 発電した電力の50%以上を自家消費する必要があります。
補助対象となる設備
補助の対象となるのは、太陽光発電設備と、それに付帯する蓄電池設備です。それぞれに要件が定められています。
1. 太陽光発電設備
- 糸島市内の事業所の屋根に設置するもの。
- 太陽電池モジュールの公称最大出力、またはパワーコンディショナの定格出力のいずれか低い方が50kW未満であること。
- FIT制度(固定価格買取制度)またはFIP制度の認定を取得しないこと。
- 発電電力量の50%以上を自家消費すること。
- 中古設備でなく、既存設備の増設でないこと。
2. 蓄電池設備
- 上記の太陽光発電設備と同時に導入するものであること(蓄電池単体での申請は不可)。
- 平時にも充放電を繰り返すことを前提とした設備であること(非常用予備電源は対象外)。
- 中古設備でないこと。
補助金の額と計算方法
補助金額は設備ごとに計算方法が異なります。特に蓄電池は条件によって変動するため注意が必要です。
太陽光発電設備の補助額
出力1kWあたり50,000円が補助されます。
- 上限額: 2,450,000円 (49kW相当)
- 計算例 (出力14.2kWの場合):
14kW (小数点以下切捨) × 50,000円 = 700,000円
蓄電池設備の補助額
原則として設置費用の3分の1が補助されますが、蓄電容量や機器の種類(家庭用/業務用)によって上限額が細かく設定されています。
【計算のポイント】
- 補助対象経費(税抜)を基に計算します。
- 補助上限は蓄電容量20kWh相当分までです。
- 1kWhあたりの経費額によって、補助率(1/3)か定額(1kWhあたり51,000円 or 63,000円)かが決まります。
※計算方法が複雑なため、詳細は必ず公式サイトの「申請の手引き」をご確認ください。
申請から交付までの流れ
申請手続きは以下のステップで進みます。各期限を厳守することが重要です。
- 1交付申請
必要書類を揃え、期限(令和7年11月28日)までに市役所へ提出します。 - 2交付決定
市が申請内容を審査し、交付の可否を通知します(標準処理期間:約30日)。この通知後に契約・発注を行ってください。 - 3事業の実施
設備の設置工事を行います。 - 4実績報告
事業完了後、期限(令和8年2月13日)までに実績報告書を提出します。 - 5補助金額の確定・交付
市が報告内容を審査し、補助金額を確定。その後、請求書を提出し、指定口座に補助金が振り込まれます。
まとめ
糸島市の「事業所用太陽光発電等補助金」は、脱炭素化とエネルギーコスト削減を両立できる、事業者にとって非常に魅力的な制度です。申請は先着順であり、交付決定前の着手が認められないなど、独自のルールがあるため、計画的な準備が成功のカギとなります。
設備の導入を検討している市内の事業者の皆様は、この機会を最大限に活用し、持続可能な事業運営への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。まずは公式サイトで詳細な手引きを確認し、施工業者と相談を始めることをお勧めします。