静岡市内で事業を営む中小企業の皆様へ朗報です。社員のスキルアップを支援する「中小企業DX人材等育成支援事業補助金」が令和7年度も実施されます。この制度を活用すれば、DX人材育成や生産性向上のための研修費用が最大10万円補助されます。本記事では、制度の概要から対象となる研修、申請方法までを分かりやすく解説します。
静岡市中小企業DX人材等育成支援事業補助金とは?
この補助金は、生産性や付加価値の向上を目指す静岡市内の中小企業が、自社の社員に専門的な研修を受講させる際の経費を一部補助する制度です。DX推進や技術力向上など、企業の成長に不可欠な人材育成を強力に後押しします。
補助金概要
補助金額 | 最大10万円 |
補助率 | DX事業: 2/3、技能向上事業: 1/2 |
対象者 | 静岡市内に本社・工場等を持つ中小企業者など |
対象経費 | 研修受講料、指定の書籍・教材費 |
申請期間 | 令和7年度分を受付中(予算上限に達し次第終了) |
申請方法 | 原則オンライン申請 |
補助対象となる2つの事業
本補助金には、目的別に2つの事業区分があります。自社の課題に合わせて選択、または組み合わせて申請が可能です。
1. DX・デジタル人材育成事業
デジタル技術を活用した業務効率化やビジネスモデル変革を目的とする研修が対象です。ソフトウェア技能の習得などが該当します。
- 補助率: 2/3
- 補助限度額: 10万円
2. 技能・生産性向上人材育成事業
従業員の技術力向上による付加価値向上や、多能工化による生産性向上を目的とする研修が対象です。工業製品の加工技能向上などが該当します。
- 補助率: 1/2
- 補助限度額: 5万円
💡 2つの事業の同時申請も可能!
両方の事業を同時に申請する場合、補助限度額は合計で10万円となります。各事業で算出した補助金額を合算し、10万円と比較して少ない方の額が適用されます。
対象となる研修の具体例
静岡市が例示している公的機関の研修のほか、民間企業が実施する研修も対象となります。ここでは、補助金を活用できる研修の例をいくつかご紹介します。
ポリテクセンター静岡「生産性向上支援訓練」
ポリテクセンター静岡では、DX推進や業務改善に役立つ多様なコースが低価格で提供されています。これらも補助金の対象となり得ます。
コース名例 | 内容 | 受講料(例) |
---|---|---|
IT新技術による業務改善 | 最新IT技術の動向を学び、業務改善への活用法を習得 | 3,300円 |
RPAを活用した業務効率化・コスト削減 | RPAの基本操作と業務自動化のノウハウを学ぶ | 3,300円 |
SNSを活用した情報発信 | 効果的なSNSマーケティングの手法を実践的に習得 | 2,200円 |
静岡県産業振興財団「静岡ものづくりスクール」
製造業の現場リーダー育成に特化した本格的なスクールです。受講料は25万円と高額ですが、本補助金を活用することで負担を軽減できます。
- 内容: ものづくり現場の経営改善や生産性向上を推進できるリーダーを育成。
- 受講料: 250,000円(税込)
- 補助金活用例: 技能・生産性向上人材育成事業として申請し、5万円の補助を受けることが可能。
民間企業の研修も対象!
上記以外にも、民間教育事業者が実施するオンライン研修やセミナーなども補助の対象とすることが可能です。申請書に「研修を受講させる理由」と「見込む効果」を具体的に記載することがポイントです。
補助対象者と対象外のケース
対象となる事業者
- 静岡市内に本社または工場を保有する、中小企業基本法に規定される中小企業者
- 静岡市内に主たる事業所を保有する事業協同組合など
対象外となるケース
以下の条件に当てはまる「みなし大企業」や、特定の研修は対象外となるため注意が必要です。
- みなし大企業: 大企業が実質的に経営を支配している企業(株式保有率や役員構成による規定あり)
- 対象外の研修:
- 資格取得を主目的とする研修
- 受講料を受講者本人が負担する研修
- 国や他の地方公共団体等から補助金を受けている研修
申請から受給までの流れ
申請は原則としてオンラインで完結します。以下のステップで手続きを進めましょう。
- 研修の選定と計画: 受講させたい研修を選び、事業計画を立てます。
- 交付申請: オンラインフォームから必要書類を提出します。複数の研修をまとめて申請してください(年度内1回限り)。
- 交付決定: 市の審査後、交付決定通知が届きます。
- 研修の実施・支払い: 交付決定後に研修を受講し、経費を支払います。
- 実績報告: 研修終了後、オンラインフォームから実績報告書を提出します。
- 補助金請求・受給: 補助金額が確定した後、請求手続きを行い、補助金が振り込まれます。
まとめ
静岡市の「中小企業DX人材等育成支援事業補助金」は、企業の成長に欠かせない人材育成のコストを大幅に軽減できる貴重な制度です。DX化の推進や従業員のスキルアップを検討している事業者は、ぜひこの機会に活用を検討してみてはいかがでしょうか。
申請は年度内で1回限り、複数の研修をまとめて申請する必要があります。まずは公式サイトで詳細な要綱や必要書類を確認し、計画的に準備を進めましょう。