東京都中野区で、高齢者の生活支援や介護予防のための活動を行っている、またはこれから始めたいと考えている団体に朗報です。中野区では、住民が主体となって行う地域貢献活動を力強くサポートする「住民主体サービス事業補助金」制度を実施しています。この記事では、補助金の概要から対象経費、申請方法まで、専門家が分かりやすく徹底解説します。
中野区住民主体サービス事業補助金とは?
この補助金は、住民が主体となり、高齢者が住み慣れた地域で元気に暮らし続けられるよう支援する活動(生活支援や介護予防)を行う団体に対し、活動経費の一部を補助する制度です。中野区の「高齢者保健福祉計画」にもとづく重要な取り組みで、支援する側・される側という関係だけでなく、お互いに支えあう地域づくりを目指しています。
この補助金の3つのメリット
- 立ち上げ支援と運営費をダブルで補助! 新規活動の備品購入費(最大10万円)と、継続的な運営費(最大52.8万円)の両方が対象です。
- 幅広い活動が対象! 掃除や買い物代行などの訪問サービスから、体操教室やサロンなどの通所サービスまで、多様な活動を支援します。
- 地域のつながりを深める! 活動を通じて地域の高齢者福祉に直接貢献し、支えあいの輪を広げることができます。
補助金の概要(早見表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期間 | 2025年4月1日(火)~ 2026年2月27日(金) ※予算額の上限に達し次第、受付終了 |
| 補助金額 | 【立上げ支援】最大10万円 【運営費】最大528,000円(開始月と対象者数により変動) |
| 対象団体 | 中野区内で高齢者向けの生活支援や介護予防活動を行う、区民が自主的に組織する非営利の団体(ボランティアグループ、NPOなど) |
| 対象事業 | 訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービス(配食、見守り等) |
| 申請方法 | 担当係へ事前相談の上、必要書類を窓口持参またはメールで提出 |
| 問い合わせ先 | 中野区 地域包括ケア推進課 介護予防推進係 (03-3228-8949) |
補助対象となる事業活動
補助の対象となるのは、要支援1・2の認定を受けた方や事業対象者など、支援を必要とする高齢者に向けた以下の活動です。
訪問型サービス
利用者の自宅へ訪問して行う生活支援活動です。
- 自宅の掃除、買い物、洗濯などの生活援助
- 病院への通院など、往復の付き添い
通所型サービス
参加者が集まる「通いの場」を作り、継続的に行う活動です。
- 介護予防につながる体操や運動、脳トレ
- 趣味活動や会食などを通じた交流の場の提供(サロン活動)
その他生活支援サービス
上記に準ずる、高齢者の自立支援に役立つ活動です。
- 栄養改善を目的とした配食サービス
- ボランティアによる安否確認や見守り活動
補助金額と対象経費
補助金額の上限
補助金は「立上げ支援経費」と「運営費」の2種類があります。
- 立上げ支援経費:最大10万円
事業開始に必要な備品購入費や修繕費、チラシ印刷費などが対象です。(1団体1回限り) - 運営費:最大528,000円/年
謝礼や消耗品費、会場使用料など、継続的な活動に必要な経費が対象です。上限額は、事業の開始月と年間の住民主体対象者の参加延べ人数によって変動します。
補助対象となる経費
補助の対象となる経費は、事業実施に直接要した費用です。詳細は以下の通りです。
| 経費科目 | 対象となる経費の例 | 対象外となる経費の例 |
|---|---|---|
| 謝礼(報償費) | 外部講師への謝礼、ボランティアへの費用弁償(1人1回1,000円以内) | 団体のスタッフへの人件費・給与、内部講師への謝礼 |
| 消耗品費 | 事務用品、コピー用紙、お茶・お菓子代 | 利用者個人に提供される弁当・材料費 |
| 印刷製本費 | 活動周知のためのチラシ、ポスター、活動記録用紙の印刷費 | 団体の広報誌など事業と直接関係ないもの |
| 会場使用料 | 区民活動センターなどの施設利用料 | 団体構成員の自宅家賃 |
| 保険料 | 活動時の事故に備えるボランティア保険・行事保険料 | 自動車保険、火災保険 |
⚠️ 注意点
補助金の支払いは、交付決定後に概算払い(前払い)され、年度終了後に実績報告を行い精算する方式です。実績が交付額を下回った場合は差額を返還する必要があるため、経費の管理と領収書の保管を徹底しましょう。
申請から補助金交付までの流れ
申請手続きは以下のステップで進みます。初めて申請する団体は審査に時間がかかるため、早めに事前相談を行うことが重要です。
-
1
事前相談・申請
まずは介護予防推進係に電話で相談します。対象となるか確認後、申請書類(団体登録と補助金交付申請)を準備し、期間内に提出します。 -
2
交付決定・補助金交付
区の審査後、「交付決定通知書」が送付されます。その後、指定口座に補助金が概算払い(前払い)で振り込まれます。 -
3
事業実施と月次報告
事業を開始し、毎月「事業報告書」と「参加者名簿」を翌月10日までに提出します。 -
4
実績報告と精算
年度終了後(2026年4月9日まで)に、年間の「実績報告書」と領収書などの証拠書類を提出します。区が交付額を確定し、過不足があれば精算(返還)します。
申請方法と公式資料
申請をお考えの団体は、まずはお気軽に担当係へご相談ください。申請に必要な様式や、より詳細な情報が記載された「申請の手引き」は公式サイトからダウンロードできます。
まとめ
中野区住民主体サービス事業補助金は、地域の高齢者を支える貴重な活動を経済的に後押しする、非常に価値のある制度です。申請には事前の準備と計画が不可欠ですが、この補助金を活用することで、活動の幅を広げ、より多くの高齢者に貢献することが可能になります。地域での支えあい活動に情熱をお持ちの方は、ぜひこの機会に申請を検討してみてはいかがでしょうか。
対象者・対象事業
中野区内で高齢者向けの生活支援や介護予防活動を行う、区民が自主的に組織する非営利の団体(ボランティアグループ、NPOなど)。
必要書類(詳細)
住民主体サービス事業実施団体登録申請書, 事業計画書, 誓約書, 団体の規約・会則等, 役員名簿, 補助金交付申請書, 補助対象経費額調書, 経費科目別内訳書, 交付請求書, 支払金口座振替依頼書, 本人確認書類の写し
対象経費(詳細)
外部講師謝礼, ボランティア謝礼(費用弁償), 消耗品費, 印刷製本費, 会場使用料, 機器リース料, 通信費, 保険料, 備品購入費(立上げ支援), 修繕費(立上げ支援)
対象者・対象事業
中野区内で高齢者向けの生活支援や介護予防活動を行う、区民が自主的に組織する非営利の団体(ボランティアグループ、NPOなど)。