詳細情報
久留米市で「こども食堂」の運営を検討している、またはすでに運営している団体の皆様へ朗報です。久留米市では、子どもたちの安全・安心な居場所づくりを支援するため、運営費や施設整備費を補助する「こども食堂事業費補助金」を実施しています。この制度を活用すれば、運営費として年間最大36万円、さらに施設の備品購入や改修には最大20万円の補助を受けることが可能です。この記事では、久留米市こども食堂事業費補助金の概要から対象要件、申請方法、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。地域の子どもたちのために活動したいという皆様の温かい想いを、この補助金で形にしませんか?
この補助金のポイント
- 運営費補助:月々の開催回数に応じて年間最大36万円を補助
- 施設整備費補助:冷蔵庫や調理器具の購入、施設の改修に最大20万円を補助
- 新規立ち上げ支援:試行実施に対して1回1.5万円(2回まで)の補助あり
- 法人格不問:NPO法人だけでなく、任意のボランティア団体や学生団体も対象
① 助成金の概要
まずは、この補助金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。
正式名称と実施組織
- 正式名称:久留米市こども食堂事業費補助金
- 実施組織:久留米市 子ども未来部子ども政策課
目的・背景
この補助金は、子どもが将来にわたって幸せに成長できるよう、安全・安心に過ごせる居場所をつくることを目的としています。単に食事を提供するだけでなく、子どもたちが基本的な生活習慣を身につけたり、地域の人々と交流したり、学習支援を受けたりする場としての「こども食堂」の活動を経済的に支援し、地域全体で子どもたちを見守る環境づくりを推進するものです。
② 助成金額・補助率
この補助金は、大きく分けて「運営費・普及促進経費」と「施設整備費」の2種類があります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
運営費補助・普及促進経費補助
日々の運営にかかる費用を支援する補助です。開催頻度や時期によって複数の事業に分かれています。
| 事業区分 | 内容・開催回数 | 補助基準額(年額) |
|---|---|---|
| (1) こども食堂事業 | 月間平均1回開催 | 12万円 |
| 月間平均2回開催 | 24万円 | |
| 月間平均3回以上開催 | 36万円 | |
| (2) 夏休み等こども食堂事業 | 夏休み期間に5回以上開催 | 4.8万円 |
| 長期休業期間に10回以上開催 | 9.6万円 | |
| (3) こども食堂普及促進事業 | 試行実施(1団体2回まで) | 1回あたり1.5万円を限度 |
(注意)(1)と(2)は併用して申請可能です。また、実施月数が12ヶ月未満の場合は、月割りで補助限度額が計算されます。
施設整備費補助
こども食堂の運営に不可欠な備品の購入や、施設の改修費用を支援する補助です。
- 補助金額:20万円を限度
- 対象経費:事業に必要な機材・物品(単価3万円以上または使用可能期間5年以上)の購入費、施設の改修費など。
- 注意点:原則として1団体につき1回限りです。ただし、前回の補助から5年が経過している団体は、10万円を限度に再度補助を受けることができます。
③ 対象者・条件
補助金を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。自団体が対象となるか、しっかり確認しましょう。
補助対象者(団体の要件)
以下の7つの要件をすべて満たす市民活動団体等が対象です。法人格の有無は問われません。
- 名簿及び規約、会則等の組織運営に関する定めがあること。
- 原則として5名以上の構成員がいること。
- 市内に活動拠点を有し、主として市内で活動する団体であること。
- 団体代表者が18歳以上であること。
- 公序良俗に反する活動を行わない団体であること。
- 宗教活動又は政治活動を主たる目的とした団体でないこと。
- 暴力団等と関係がないこと。
補助対象事業(活動の要件)
活動内容にもいくつかの条件があります。
- 営利を目的としないこと。
- 市内に在住する子どもに対し、手作りの食事を提供すること。(買ってきたものをそのまま提供するのは対象外)
- 食事代は原則無料とすること。(実費徴収は可)
- 1回の実施につき、原則として20食以上を準備すること。
- 特定の校区の子どものみに限定せず、広く利用を呼びかけること。
- 翌年度以降も継続する計画があること。
④ 補助対象経費
補助金は何に使えるのでしょうか。対象となる経費、ならない経費をまとめました。
| 費目 | 対象となる経費の例 | 対象外となる経費の例 |
|---|---|---|
| 食材費 | 子どもに提供する食事の材料費 | 事業と直接関係ない食品購入費 |
| 消耗品費 | 食器、調理用品、ごみ袋、学習用品、絵本 | 個人使用と区別できないもの |
| 光熱水費 | 会場の電気、ガス、水道料金 | 個人宅で使用したもの |
| 使用料賃借料 | 会場使用料、倉庫の家賃、機器レンタル料 | 内部会議や親睦会の費用 |
| 保険料 | イベント保険料など | 事業と関係のない保険料 |
| 備品購入費 | 大型冷蔵庫、炊飯器など(施設整備費) | 汎用性が高い高額な物品(車など) |
⑤ 申請方法・手順
申請から補助金交付までの流れを、ステップバイステップで解説します。
申請期間:令和7年4月1日(火)~ 令和8年2月6日(金)
夏休み等こども食堂事業の締切:令和7年7月11日(金)
※注意:予算額の上限に達し次第、受付は終了します。早めの申請をおすすめします。
申請ステップ
- 必要書類の準備:後述の「補助申請に必要な書類」を揃えます。様式は久留米市公式サイトからダウンロードできます。
- 申請書の提出:書類一式を子ども政策課の窓口へ提出します。
- 新規・再開団体:窓口へ持参してください。
- 前年度申請団体:郵送での提出も可能です。
- 審査・交付決定:市による審査が行われ、交付が決定すると「交付決定通知書」が送付されます。(申請後2週間程度)
- 補助金の交付:交付決定後、指定の口座に補助金が振り込まれます。(交付決定後1ヶ月程度)
- 事業の実施:計画に沿ってこども食堂を運営します。開催ごとに実施報告書を記録します。
- 実績報告:年度の事業がすべて完了したら、速やかに実績報告書と関連書類(領収書の写し等)を提出します。
- 精算:実績報告に基づき、補助金額が確定します。もし先に交付された額が実支出額を上回った場合は、差額を返還する必要があります。
補助申請に必要な書類
以下の書類が必須となります。漏れがないように準備しましょう。
- 交付申請書・事業実施計画書・収支予算書(指定様式)
- 団体規約・会則など
- 団体会員名簿(指定様式)
- 請求書(指定様式)
- 通帳の写し(表紙と口座情報が記載された見開きページ)
- 【施設整備費を申請する場合のみ】見積書
⑥ 採択のポイント
採択率は公表されていませんが、要件を満たしていれば採択される可能性が高い補助金です。しかし、予算には限りがあるため、以下のポイントを押さえて申請の準備を進めましょう。
事業計画の具体性と実現可能性
「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」行うのかを具体的に示しましょう。特に、食事提供だけでなく、学習支援や地域交流など、子どもの居場所づくりとしての付加価値をアピールできると良いでしょう。収支予算も、経費の見積もりが現実的であることが重要です。
継続性の意思を明確に
この補助金は「翌年度以降も継続することが計画されていること」が要件の一つです。単発のイベントではなく、継続的に地域の子どもたちを支える活動であることを事業計画書で明確に示しましょう。特に施設整備費を申請する場合は、5年以上の継続が要件となるため、長期的なビジョンが求められます。
書類の不備をなくす
基本的なことですが、最も重要なポイントです。記入漏れや添付書類の不足がないか、提出前に複数人でダブルチェックしましょう。公式サイトには記入例も掲載されていますので、必ず参考にしてください。不明な点があれば、提出前に子ども政策課へ相談することをおすすめします。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. 法人格がない任意のボランティア団体でも申請できますか?
A1. はい、申請できます。法人格の有無は問われません。規約や名簿があり、5名以上の構成員がいるなどの要件を満たしていれば対象となります。
Q2. 買ってきたお弁当を配る活動も対象になりますか?
A2. いいえ、対象外です。この補助金は「手作りの食事を提供すること」が要件となっています。
Q3. 参加費は完全に無料でないとダメですか?
A3. 原則無料ですが、食材費などの実費相当分を徴収することは可能です。ただし、支払いが困難な子どもへの配慮がされていることが前提です。
Q4. これからこども食堂を始めたいのですが、お試しで実施できる補助はありますか?
A4. はい、「こども食堂普及促進事業」があります。継続的な運営へのきっかけづくりとして、試行的に実施する場合に1回あたり1万5千円を限度に、最大2回まで補助が受けられます。
Q5. 申請はいつまでにすれば良いですか?
A5. 令和8年2月6日が最終締切ですが、市の予算がなくなり次第終了となります。特に年度の後半になると予算が上限に達する可能性があるため、計画が決まり次第、早めに申請することをおすすめします。
⑧ まとめ・行動喚起
今回は、久留米市の「こども食堂事業費補助金」について詳しく解説しました。
重要ポイントの再確認
- 3つの補助タイプ:「こども食堂事業」「夏休み等事業」「普及促進事業」の運営費補助と、「施設整備費補助」があります。
- 補助金額:運営費は最大36万円、施設整備費は最大20万円。
- 対象者:法人格を問わず、市内で活動する5名以上の市民活動団体など。
- 申請期間:令和7年4月1日~令和8年2月6日(※予算上限に達し次第終了)
この補助金は、久留米市で子どもたちのための活動を行いたい団体にとって、非常に心強い支援制度です。地域の子どもたちの笑顔を育む活動を始める、あるいは継続していくために、ぜひこの制度の活用をご検討ください。
まずは久留米市の公式サイトで最新の募集要領をダウンロードし、詳細を確認することから始めましょう。そして、少しでも不明な点があれば、遠慮なく担当課へ問い合わせてみてください。
お問い合わせ先
久留米市 子ども未来部子ども政策課
電話番号:0942-30-9227
FAX番号:0942-30-9718
公式サイト:「こども食堂」の運営に必要な費用を助成します