島根県出雲市で農林業を営む皆様へ朗報です。イノシシやシカなどの有害鳥獣による農作物被害にお悩みではありませんか?出雲市では、大切な農地や作物を守るための防護柵や捕獲檻の設置費用を支援する「有害鳥獣被害対策事業補助金」を実施しています。この記事では、補助金の詳細から申請方法まで、専門家が分かりやすく解説します。
補助金の概要
本事業は、出雲市内の農林業者が有害鳥獣による被害を防ぐために設置する施設の資材購入費を補助し、農林業経営の安定化を目的としています。まずは制度の全体像を把握しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助金名 | 出雲市有害鳥獣被害対策事業(被害防止施設整備事業)補助金 |
| 対象者 | 出雲市内で農地等を所有または管理する農林業者、およびその団体 |
| 補助対象経費 | 被害防止施設の設置に係る資材購入費(防護柵、捕獲檻など) ※労務費は対象外 |
| 補助上限額 | 最大50万円(中山間地域の団体の場合) ※条件により変動します。詳細は後述。 |
| 申請期間 | 令和7年4月1日(火) ~ 令和8年2月27日(金) |
| 注意点 | 予算がなくなり次第終了。申請前の資材購入や設置は対象外。 |
この補助金の3つの重要ポイント
ポイント1:手厚い補助率と多様な補助上限
通常の補助率1/2に加え、捕獲檻は補助率2/3、さらに特定の地域や条件では全額補助(10/10)となるメニューもあります。上限額も最大50万円までと、大規模な対策にも対応可能です。
ポイント2:幅広い対象施設
防護ネットや電気牧柵といった一般的な防護柵から、イノシシやカラスの捕獲檻まで、幅広い被害対策施設が補助の対象となります。地域の被害状況に応じた最適な対策を選択できます。
ポイント3:地域の実情に応じた特例措置【拡充】
シカ被害が深刻な「北山山系」や、地域ぐるみでの対策を行う「中山間地域」の団体向けに、補助率や上限額が大幅に拡充される優遇措置が設けられています。共同での対策を検討している団体は必見です。
補助率と上限額の詳細
補助内容は条件によって細かく分かれています。ご自身の状況に合わせてご確認ください。
【通常ケース】
| 対象施設 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 防護ネット、電気牧柵、金網防護柵、トタン板防護柵 | 資材購入経費の1/2以内 | 15万円 |
| イノシシ捕獲檻、カラス捕獲檻 | 資材購入経費の2/3以内 | 上限なし (イノシシ檻2基、カラス檻1基まで) |
※いずれも4万円以上の資材購入が対象です。
【特例1:北山山系内でシカ対策を行う場合】
| 対象施設 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 防護ネット | 10/10以内 | 30万円 |
| 電気牧柵器本体 | 10/10以内 | 7万円 |
| 電気牧柵器本体に係る資材 | 1/2以内 | 15万円 |
【特例2:中山間地域で団体が対策を行う場合】令和7年7月1日から拡充
| 対象施設 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 防護ネット、電気牧柵、金網防護柵、トタン板防護柵 | 資材購入経費の2/3以内 | 50万円 |
※対象団体:農事組合法人、集落営農組織、集落協定等の地域ぐるみ活動を行う団体(定款または規約が必要)。
申請手続きの流れと必要書類
補助金の申請は、必ず事業に着手する前(資材購入や設置の前)に行ってください。以下のステップで進めます。
- 事前準備・相談: 設置計画を立て、必要な資材の見積もりを取得します。不明点があれば森林政策課に相談しましょう。
- 申請書類の提出: 必要な書類を揃え、出雲市役所森林政策課または各行政センターの窓口に提出します。
- 交付決定通知: 市の審査後、「交付決定通知書」が届きます。
- 事業の実施: 通知書を受け取った後に、資材の購入と設置作業を開始します。
- 実績報告: 事業完了後、令和8年3月末日までに設置報告書を提出します。
- 補助金の交付: 報告書の内容が確認された後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
必要書類一覧
- 申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第1-1号)
- 収支予算書(様式第1-2号)
- 明細のわかる見積書(電気牧柵の場合はカタログも添付)
- 申請箇所の位置図
- 申請箇所の写真(設置前の状況がわかるもの2枚程度)
- 市税の滞納の無い証明(※個人の場合のみ)
- 定款または規約(※団体の場合のみ)
⚠️ 必ずご確認ください:重要注意事項
- 申請前の着手は絶対NG! 交付決定前に購入・設置したものは補助対象外です。
- 申請は同一年度につき1回限りです。
- 予算がなくなり次第、受付は終了となりますので、お早めにご検討ください。
- 自己所有地以外に設置する場合は、土地所有者の許可が必須です。
まとめ
出雲市の「有害鳥獣被害対策事業補助金」は、深刻化する鳥獣被害に立ち向かう農林業者の皆様にとって、非常に心強い制度です。特に、地域の実情に合わせた手厚い特例措置が用意されている点は大きな魅力です。この機会に補助金を最大限に活用し、大切な農作物を守り、安心して営農を続けられる環境を整えましょう。
申請書の提出先・問い合わせ先
対象者・対象事業
出雲市内で農地等を有し、又は維持管理する農林業者等、または農林業者等で組織する団体(農事組合法人、集落営農組織など)。
必要書類(詳細)
(1)申請書(様式第1号), (2)事業計画書(様式第1-1号), (3)収支予算書(様式第1-2号), (4)明細のわかる見積書(電牧の場合はカタログも添付), (5)申請箇所の位置図, (6)申請箇所写真(設置前の状況がわかる写真2枚程度), (7)市税の滞納の無い証明(団体申請は不要), (8)定款または規約(個人申請は不要)
対象経費(詳細)
有害鳥獣による農林業被害を防止するために設置する施設の資材購入費。対象施設は防護ネット、電気牧柵、金網防護柵、トタン板防護柵、イノシシ捕獲檻、カラス捕獲檻など。労務費は対象外。
対象者・対象事業
出雲市内で農地等を有し、又は維持管理する農林業者等、または農林業者等で組織する団体(農事組合法人、集落営農組織など)。