宮崎県都城市の深刻な鳥獣被害と市の支援策
宮崎県都城市では、イノシシやシカ、サルなどをはじめとする野生鳥獣による農作物被害が深刻化しています。市の調査によると、令和5年度の被害総額は1,000万円を超え、中山間地域だけでなく市街地周辺でも被害が拡大している状況です。この問題に対し、都城市では「都城市鳥獣被害防止計画」を策定し、市民や農家の皆様を支援するための具体的な補助金制度を設けています。
この補助金のポイント
- 多様な対策を支援:電気柵、ワイヤーメッシュ柵の設置から狩猟免許の取得まで幅広くカバー。
- 高い補助率:ワイヤーメッシュ柵は資材費の最大100%、狩猟免許取得は経費の2/3を補助。
- 地域ぐるみの対策を推進:個人だけでなく、3戸以上の農家で取り組む共同設置も対象。
都城市の鳥獣被害対策支援事業 概要
都城市が提供する鳥獣被害対策支援は、主に3つの柱で構成されています。ご自身の状況に合わせて最適な支援策をご活用ください。
支援メニュー | 補助内容 | 主な対象者 |
---|---|---|
電気柵設置助成 | 資材費の60%以内を補助 | 市内の農家・市民 |
ワイヤーメッシュ柵設置助成 | 資材費の100%以内を補助(上限有・自力施工) | 市税の滞納がない3戸以上の農家 |
狩猟免許取得助成 | 取得・登録経費の3分の2以内を補助 | 市内の個人 |
各支援策の詳細と申請要件
1. 電気柵設置助成
イノシシやシカなどの侵入を防ぐための電気柵設置にかかる費用を補助します。比較的広範囲を低コストで囲うことが可能です。
- 補助率:資材費の60%以内
- 対象経費:電気柵の購入に必要な資材費(パワーユニット、支柱、電線など)
- 申請期間(目安):例年9月1日~9月30日頃
2. ワイヤーメッシュ柵設置助成
より強固で物理的な防護効果が高いワイヤーメッシュ柵の設置を支援します。特に被害が深刻な地域や、恒久的な対策をしたい場合に有効です。
- 補助率:資材費の100%以内(上限あり、自力施工が条件)
- 対象者:市税の滞納がない3戸以上の農家で構成される団体・グループ
- 申請期間(目安):例年8月1日~
- 注意点:申し込みから設置まで年数がかかる場合があります。(例:令和7年度申込分→令和9年度設置対応)
3. 狩猟免許取得助成
鳥獣被害対策の担い手を増やすため、新たに狩猟免許を取得する方への支援です。自ら捕獲活動に参加し、地域に貢献したい方に最適です。
- 補助率:対象経費の3分の2以内
- 対象経費:狩猟免許の取得および狩猟者登録にかかる経費
- 申請期間(目安):例年8月1日~
申請から設置までの流れ
補助金の申請は、以下のステップで進めるのが一般的です。詳細は必ず市の担当課にご確認ください。
- 事前相談:まずは都城市の担当課(森林保全課)に、計画している対策について相談します。
- 申請書類の準備:申請書、事業計画書、設置場所の図面、見積書などを準備します。
- 申請:定められた申請期間内に、必要書類を提出します。
- 交付決定:市による審査後、補助金の交付が決定されます。
- 事業実施:必ず交付決定後に、防護柵の設置や免許の取得を行います。
- 実績報告と請求:事業完了後、実績報告書と請求書を提出し、補助金が支払われます。
重要:個人でできる鳥獣対策
補助金の活用と合わせて、野生動物を寄せ付けない環境づくりも重要です。収穫しない果樹(放任果樹)の伐採、野菜くずや残飯の適切な処理など、地域全体で取り組むことで被害を大幅に減らすことができます。
お問い合わせ・公式サイト
本事業の詳細や最新情報、申請書類のダウンロードについては、都城市の公式サイトをご確認いただくか、下記の担当部署まで直接お問い合わせください。