詳細情報
東京都中央区で事業を営む経営者の皆様、「事業を拡大したいが資金が足りない」「急な出費で運転資金が厳しい」といった資金繰りのお悩みはありませんか?そんな時に心強い味方となるのが、中央区が提供する「中央区商工業融資あっせん制度」です。この制度は、区が金融機関との間に入り、低金利での融資を実現するための「あっせん」を行うものです。さらに、区が利子の一部を負担する「利子補給」や、信用保証料を補助する制度も充実しており、中小企業の資金調達を強力にバックアップします。本記事では、この中央区商工業融資制度の全貌を、対象者から申請方法、採択のポイントまで、どこよりも詳しく解説します。
この記事でわかること
- 中央区商工業融資あっせん制度の詳しい仕組み
- 利用できる融資メニューと限度額、金利
- 利子補給や信用保証料補助といった手厚いサポート内容
- 具体的な申請資格と必要書類のすべて
- 予約から融資実行までのステップバイステップガイド
- 審査を有利に進めるための重要なポイント
中央区商工業融資あっせん制度とは?
制度の概要
中央区商工業融資あっせん制度は、区内の中小企業の振興と経営安定を目的として、中央区、東京信用保証協会、そして区が指定する金融機関の三者が連携して提供する融資制度です。区が金融機関に資金を預託(呼び水)し、金融機関がそれをもとに低利な融資を実行します。事業者は、区からの利子補給を受けることで、市場金利よりも有利な条件で事業資金を借り入れることが可能になります。
実施組織と目的
- 実施組織: 東京都中央区(区民部商工観光課)
- 連携機関: 東京信用保証協会、中央区指定金融機関
- 目的: 区内中小企業の経営安定、設備導入、創業支援などを通じた地域産業の振興
この制度の最大の魅力は、単なる融資ではなく、区が積極的に関与することで、中小企業が抱える「信用力」や「金利負担」といった課題を軽減してくれる点にあります。特に、創業間もない企業や小規模事業者にとっては、非常に心強い制度と言えるでしょう。
融資金額・利率・補助内容
中央区の制度融資は、事業者のニーズに合わせて様々な資金メニューが用意されています。ここでは主要なメニューの概要を表にまとめました。
主要な融資制度一覧(令和7年度例)
| 資金名 | 融資限度額 | 本人負担利率 | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 小口資金 | 2,000万円 | 0.5% | 7年以内 |
| 一般事業資金 | 運転 2,000万円 / 設備 3,000万円 | 0.8% | 運転 7年以内 / 設備 10年以内 |
| 短期事業資金 | 1,000万円 | 0.8% | 1年以内(一括返済) |
| 創業支援資金 | 3,500万円 | 0.4% | 10年以内 |
| 事業承継資金 | 3,500万円 | 0.4% | 10年以内 |
※上記は一例です。最新の情報や詳細な条件は必ず中央区の公式サイトでご確認ください。
信用保証料の補助制度
融資を受ける際に必要となる東京信用保証協会への信用保証料についても、中央区が補助を行っています。補助割合は利用する融資制度によって異なりますが、負担を大幅に軽減できます。例えば、東京都の制度融資「経営セーフ」を利用した小規模企業者に対しては、都が保証料の1/2を補助し、残りの保証料を中央区が全額補助する(上限30万円)という手厚い支援もあります。これにより、実質的な資金調達コストを大きく抑えることが可能です。
対象者・条件
この制度を利用するためには、以下の申込資格をすべて満たす必要があります。ご自身が該当するか、事前にしっかりと確認しましょう。
- 事業所の所在地: 中央区内に事務所または事業所を有していること。
- 事業継続年数: 中央区内で同一事業を継続して1年以上営んでいること(※創業支援資金など一部例外あり)。
- 納税要件: 法人都民税(法人の場合)や特別区民税(個人の場合)などの税金を滞納していないこと。
- 業種: 東京信用保証協会の保証対象業種を営んでいること。
- 登記: 法人の場合は、中央区に事業所の登記(本店または支店)があること。
- 許認可: 事業に必要な許認可等を取得していること。
【重要】対象外となるケースにご注意!
登記地が中央区内であっても、事業実態が区内にない場合は対象外となります。特に、郵便物の受け取りや住所利用のみを目的としたバーチャルオフィス契約の場合は利用できませんので、十分にご注意ください。
申請方法・手順
中央区商工業融資の申し込みは【完全予約制】です。以下のステップに沿って準備を進めましょう。
Step 1: 相談の予約
まずは、中央区役所の商工観光課相談融資担当へ相談の予約を入れます。予約はオンライン、電話、または来庁にて受け付けています。特に創業支援資金や事業承継資金の申し込み、相談員の指定を希望する場合は電話での予約が必要です。
- 予約方法: オンライン予約サイト、電話(03-3546-5330)、来庁
- 受付期間: 令和7年4月1日~令和8年3月31日(年末特別資金融資は10月1日から)
Step 2: 必要書類の準備
予約日までに、以下の必要書類を準備します。不備があると手続きが遅れる原因となりますので、漏れなく揃えましょう。
- 中央区商工業融資申込書: 区の窓口またはウェブサイトからダウンロード。
- 確定申告書・決算書の写し: 直近2期分。税務署の受付印があるもの。
- 納税証明書:
- 法人: 法人都民税・法人事業税納税証明書
- 個人事業主: 特別区民税・都民税納税証明書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本): 法人の場合のみ。発行3ヶ月以内の原本。
- 事業所の所在地の確認書類: 個人事業主の場合、直近の確定申告書等。
- 見積書: 設備資金を申し込む場合。
- その他: 許認可証の写し、創業計画書(創業資金の場合)など。
Step 3: 区の窓口で面談・申込
予約した日時に中央区役所へ行き、担当者と面談しながら申込手続きを行います。事業内容や資金使途、返済計画などについてヒアリングされますので、明確に説明できるように準備しておきましょう。
Step 4: 区の審査・あっせん書の交付
提出された書類と面談内容をもとに、区が審査を行います。審査に通ると、金融機関宛ての「あっせん書」が交付されます。
Step 5: 金融機関・信用保証協会での審査
あっせん書と必要書類を持って、指定金融機関に融資を申し込みます。その後、金融機関と東京信用保証協会による最終的な審査が行われます。
Step 6: 融資実行
すべての審査を通過すれば、融資契約を結び、指定した口座に資金が振り込まれます。
採択のポイント
区のあっせんがあるとはいえ、必ず融資が受けられるわけではありません。審査を通過するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
- 事業計画の具体性と実現可能性: 資金を何に使い、それがどのように売上や利益に繋がり、最終的にどう返済していくのか。このストーリーを具体的かつ客観的な数字で示すことが不可欠です。
- 自己資金の準備: 特に創業資金や設備資金の場合、一定の自己資金が準備できているかは、事業への本気度を示す重要な指標となります。
- 面談での的確な説明: 書類だけでは伝わらない事業の強みや将来性を、自身の言葉で熱意をもって説明することが重要です。想定される質問への回答を準備しておきましょう。
- 税金の滞納は絶対にNG: 納税は事業者としての基本的な義務です。納税証明書が提出できない場合、その時点で審査の対象外となる可能性が非常に高いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 創業して1年未満ですが、利用できますか?
A1. はい、利用可能です。「創業支援資金」という専用のメニューが用意されています。中央区内で創業する方、または創業して1年未満の方が対象となります。通常の融資とは要件が異なりますので、まずは区の窓口にご相談ください。
Q2. 個人事業主でも申し込みできますか?
A2. はい、もちろん可能です。法人・個人事業主を問わず、中央区内で事業を営む中小企業者が対象です。ただし、個人の場合は特別区民税・都民税の納税証明書が必要となります。
Q3. 申し込みから融資実行まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A3. 目安として、区の窓口に申し込んでから融資実行まで1ヶ月半~2ヶ月程度かかるのが一般的です。書類の準備状況や審査の混雑具合によって変動しますので、資金が必要な時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールで申し込みましょう。
Q4. 赤字決算でも融資は受けられますか?
A4. 一概に不可能とは言えません。一時的な要因による赤字で、今後の改善計画が明確かつ現実的であれば、融資を受けられる可能性はあります。なぜ赤字になったのか、そして今後どのように黒字化していくのかを具体的に説明できる事業計画書が重要になります。
Q5. どの金融機関で申し込めますか?
A5. 中央区が指定する金融機関でのみ取り扱いが可能です。みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行などのメガバンクのほか、地域の信用金庫・信用組合など多数の金融機関が指定されています。詳細は中央区のウェブサイトでご確認ください。
まとめ
「中央区商工業融資あっせん制度」は、区内で事業を頑張る中小企業にとって、非常に有利な条件で資金調達ができる強力な支援策です。低金利での融資はもちろん、利子補給や信用保証料の補助といった手厚いサポートは、経営の安定と成長に大きく貢献します。
重要ポイントの再確認
- 中央区、金融機関、信用保証協会が連携した低利な融資制度。
- 区による利子補給と信用保証料補助が大きな魅力。
- 利用には中央区内での1年以上の事業実績や納税要件などが必須。
- 申し込みは完全予約制。まずは区の窓口へ相談から。
- 審査では具体的で実現可能な事業計画が最も重要。
資金調達を検討している中央区の経営者の皆様は、ぜひこの制度の活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。まずは最初の一歩として、中央区の商工観光課に電話で相談してみることをお勧めします。
お問い合わせ先
中央区 区民部 商工観光課 相談融資担当
〒104-8404 東京都中央区築地一丁目1番1号 本庁舎7階
電話: 03-3546-5330