大分県西部医療圏で診療所の開業や事業承継をお考えの医師の皆様へ朗報です。地域医療の担い手を確保するため、大分県が施設整備、設備導入、さらには運営経費までを幅広く支援する強力な補助金制度を実施します。この記事では、制度の概要から申請方法まで、専門家が分かりやすく徹底解説します。
重点医師偏在対策支援事業の概要
この事業は、医師が不足している地域(重点医師偏在対策支援区域)において、新たに診療所を開業したり、既存の診療所を承継したりする医師を支援し、地域の医療提供体制を確保することを目的としています。大分県では「西部医療圏」が対象地域に設定されています。
この補助金のポイント
- 3つの手厚い支援: 「施設整備」「設備整備」「地域への定着支援(運営費)」の3本柱でサポート。
- 高い補助率: 施設・設備費は最大1/2、運営費は最大2/3を補助。
- 対象地域の明確化: 大分県の西部医療圏(日田市、玖珠郡)での開業・承継が対象。
補助金基本情報
補助金名 | 重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業支援事業 |
実施主体 | 大分県 |
対象地域 | 西部医療圏(日田市、玖珠郡玖珠町、九重町) |
対象者 | 上記対象地域で令和7年度中に診療所を承継または開業予定の者 |
申請期限 | 令和7年8月21日(木曜日)必着 |
3つの支援事業 詳細解説
本事業は、開業・承継の各フェーズに対応した3種類の支援メニューで構成されています。
(1) 施設整備事業
診療所の新築や改修、医師・看護師住宅の整備にかかる費用を支援します。
補助対象(基準面積) | 補助単価(1㎡あたり) | 補助率 |
---|---|---|
診療部門 ・無床: 160㎡ ・有床(5床以下): 240㎡ ・有床(6床以上): 760㎡ 医師・看護師住宅: 80㎡ |
・鉄筋コンクリート: 484,000円 ・ブロック: 214,000円 ・木造: 355,000円 |
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(2) 設備整備事業
診療に必要な医療機器などの購入費用を支援します。
補助対象 | 基準額 | 補助率 |
---|---|---|
診療所として必要な医療機器等購入費 | 1か所あたり 1,650万円 | 1/2 |
(3) 地域への定着支援事業
開業後の運営を軌道に乗せるため、人件費や消耗品費などのランニングコストを支援します。
補助対象経費 | 基準額 | 補助率 |
---|---|---|
職員基本給、諸手当、消耗品費、光熱水費、社会保険料など | 診療日数に応じて算出 (例: 260日以上の場合 620万円 + 8.7万円×実診療日数) ※訪問看護による加算あり |
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申請手続きと流れ
申請は以下のステップで進みます。期限がタイトなため、早めの準備が重要です。
- 必要書類の準備: 大分県の公式ウェブサイトから指定様式をダウンロードし、事業計画書等を作成します。
- 書類の提出: 作成した書類を、郵送またはEメールで提出先に送付します。
- 協議会での審査: 提出された計画書をもとに、地域医療対策協議会等で支援対象とするかどうかが協議されます。
- 内示・交付決定: 審査を経て支援対象として合意されると、補助金の内示、交付決定が行われます。
提出書類一覧
- 【共通】事業計画総括表(様式1)
- 【施設整備希望者】施設整備費補助金事業計画書(様式2)、施設整備事業費内訳書(様式3)
- 【設備整備希望者】設備整備費補助金事業計画書(様式4)
- 【定着支援希望者】地域への定着支援事業所要額調書(様式5-1, 5-2)
⚠️ 注意事項
- 事業への着手は、原則として県の補助金内示後となります。
- 提出した事業計画は、地域医療対策協議会等で公開されることに同意が必要です。
- 既存のへき地診療所運営費補助金等との併用はできません。
- 国の予算状況等により、再度募集が行われる可能性があります。
まとめと公式情報
大分県西部医療圏における「診療所の承継・開業支援事業」は、地域医療に貢献したいと考える医師にとって、初期投資や運営コストの負担を大幅に軽減できる非常に魅力的な制度です。申請には詳細な事業計画が必要となりますので、早めに準備を開始しましょう。
問い合わせ先
大分県福祉保健部医療政策課 地域医療推進班
〒870-8501 大分市大手町3-1-1
電話番号: 097-506-2658
メールアドレス: a12620@pref.oita.lg.jp