この記事のポイント

  • 秋田県大館市が市内事業者の省エネ化・GX推進を支援する補助金
  • 【通常枠】では設備転換や断熱改修などに最大100万円(補助率1/2)を補助
  • 【LED化推進枠】ではLED照明への交換に最大20万円(補助率2/3)を手続きを簡素化して支援
  • 申請期限は通常枠が2025年10月31日LED化推進枠が2025年11月28日
  • 物価高騰に悩む中小企業者・個人事業主のコスト削減と経営基盤強化に直結

秋田県大館市では、物価高騰の影響を受ける市内の中小事業者等を対象に、省エネルギー化への取り組みを支援する「物価高騰対策中小事業者GX推進事業費補助金」を実施しています。この補助金は、大規模な設備更新から小規模なLED化まで、事業者のニーズに合わせて選べる2つの枠が用意されており、エネルギーコストの削減と脱炭素化(GX)の推進を後押しします。本記事では、この魅力的な補助金の詳細をわかりやすく解説します。

補助金の概要:2つの枠から選べる支援

本補助金は、事業の規模や内容に応じて「通常枠」「LED化推進枠」の2種類が設けられています。それぞれの特徴を理解し、自社の計画に合った枠を選びましょう。

⑴ 通常枠

大規模な省エネ設備への転換や、太陽光発電システムの導入、断熱改修工事などを対象とします。経営基盤の強化に繋がる本格的なGX推進を目指す事業者向けです。

  • 補助上限額:100万円
  • 補助率:対象経費の1/2

⑵ LED化推進枠

事業所や店舗の照明をLEDに交換・更新する、比較的小規模な工事を対象とします。手続きが簡素化されており、手軽に省エネに取り組みたい事業者向けです。(目安:工事費40万円以下)

  • 補助上限額:20万円(下限1万円)
  • 補助率:対象経費の2/3以内

【重要】通常枠とLED化推進枠の併用はできません。申請は1事業者につき1回限りとなりますのでご注意ください。

対象者と申請期間

対象となる事業者

以下の要件を満たす中小事業者等が対象です。

  • 大館市内に営業実態があり、今後も市内において事業を継続する意思があること。
  • 中小企業基本法に基づく法人や個人事業主であること。(農業協同組合や社会福祉法人は対象外)

申請期間

申請期間は枠によって異なります。特に通常枠は「事業承認申請」という事前手続きが必要な点に注意が必要です。

  • 【通常枠】事業承認申請:2025年10月31日(木)まで
  • 【LED化推進枠】交付申請:事業完了日から30日を経過した日又は2025年11月28日(金)のいずれか早い日まで

【通常枠】の詳細:対象事業と経費

通常枠では、以下のいずれかに該当する事業が補助対象となります。幅広い省エネ投資が対象となるのが特徴です。

① 既存設備の省エネルギー設備への転換

古い設備を新しい高効率な設備に入れ替える事業です。年間CO2排出量が5%以上削減される見込みであることが条件です。

  • 対象設備の例:照明器具、空調設備、業務用冷蔵冷凍庫、生産設備、工作機械など
  • 主な条件:市内事業者から購入すること(専門性の高い設備は市外も可)、新品であること

② 特定の省エネルギー設備の導入

再生可能エネルギーの活用やエネルギー管理を高度化する特定の設備導入を支援します。

  • 対象設備:木質バイオマスボイラー、蓄電池を伴う自家消費型太陽光発電システム、省エネ運転支援装置、ビル・エネルギー管理システム(BEMS)など

③ 断熱改修工事

建物の断熱性能を高め、冷暖房効率を向上させる工事です。

  • 対象工事の例:断熱材の導入、複層ガラスへの交換、サッシの更新
  • 主な条件:建材トップランナー制度の基準を達成していること、市内事業者が施工すること

④ 遮熱塗装工事

屋根や外壁に遮熱塗料を塗布し、太陽光の熱を反射させて室温上昇を抑える工事です。

  • 主な条件:日射反射率75.0%を超える遮熱性塗料を使用すること、市内事業者が施工すること

対象経費(通常枠)

補助の対象となるのは、設計費、工事費、設備費です。ただし、消費税・地方消費税は対象外となります。

【LED化推進枠】の詳細:手軽に省エネを実現

LED化推進枠は、事業所の照明をLED照明器具に交換・更新する事業に特化しています。手続きが簡素化されており、事業実施後の申請が可能です。

補助対象事業の要件

  • 市内事業所敷地内の照明器具をLED照明器具に交換または更新する事業であること。
  • 取得する設備は自社の事業専用で、自己所有する新品であること。
  • 電気工事店などの事業者が施工するものであること(DIYは対象外)。

対象経費(LED化推進枠)

LED化にかかる設計費・工事費が対象です。こちらも消費税・地方消費税は対象外となります。

申請の流れと必要書類

申請の流れは枠によって大きく異なりますので、十分にご確認ください。

通常枠の申請フロー

  1. 事業承認申請:計画段階で市へ必要書類を提出し、事業の承認を受けます。(2025年10月31日まで
  2. 事業の実施:承認後、設備の導入や工事、支払いを完了させます。(2025年11月28日までに完了
  3. 補助金交付申請:事業完了日から30日以内に、実績報告を兼ねて交付申請を行います。
  4. 補助金の交付:審査後、補助金が交付されます。

LED化推進枠の申請フロー

  1. 事業の実施:LED照明への交換・更新工事と支払いを完了させます。(2025年11月28日までに完了
  2. 補助金交付申請:事業完了後に、必要書類を揃えて市へ申請します。(完了日から30日以内 or 2025年11月28日の早い方まで
  3. 補助金の交付:審査後、補助金が交付されます。

主な必要書類

申請には、申請書や事業計画書、見積書、写真、各種証明書などが必要です。特に通常枠では、省エネルギー効果を証明する書類なども求められます。詳細は必ず大館市の公式ホームページで確認し、早めに準備を進めましょう。

まとめ

大館市の「物価高騰対策中小事業者GX推進事業費補助金」は、エネルギーコストの上昇に直面する事業者にとって、経営改善と環境対応を両立させる絶好の機会です。大規模な設備投資を計画している事業者も、手軽にLED化から始めたい事業者も、この制度を最大限に活用して持続可能な事業基盤を築きましょう。まずは自社の状況を確認し、どの枠が利用できるか検討してみてください。