【2025年最新】小規模事業者持続化補助金<一般型>とは?
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が直面する制度変更(働き方改革やインボイス導入など)に対応しつつ、持続的な経営を行うために取り組む販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する、返済不要の補助金です。自社の経営を見直し、新たな顧客獲得や業務効率化を目指す事業者にとって、非常に心強い制度と言えるでしょう。この記事では、最新の第18回公募情報(2025年11月28日締切)を基に、制度の概要から申請のポイントまでを分かりやすく解説します。
この補助金の3大メリット
- 幅広い経費が対象:チラシ作成やウェブサイト関連費、店舗改装、機械装置の導入など、販路開拓に必要な様々な経費に利用できます。
- 返済不要の資金:採択されれば、原則として返済の必要がないため、財務的な負担を軽減しながら新たな挑戦が可能です。
- 経営計画を見直す機会:申請には経営計画の策定が必須です。これにより、自社の強みや課題を再認識し、将来の事業展開を具体的に描く良い機会となります。
補助金の概要(第18回公募情報)
まずは制度の全体像を把握しましょう。主要な項目を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
補助上限額 | 通常枠:50万円 特別枠(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠):200万円 インボイス枠:100万円 |
補助率 | 原則 2/3 ※賃金引上げ枠のうち赤字事業者は 3/4 |
申請受付締切 | 2025年11月28日(金)17:00 ※事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は原則2025年11月18日(火) |
申請方法 | 電子申請システム「Jグランツ」による電子申請のみ(郵送不可) |
実施機関 | 全国商工会連合会 / 日本商工会議所 |
誰が申請できる?補助対象者の条件
小規模事業者の定義
この補助金の対象は「小規模事業者」です。業種ごとに常時使用する従業員の数で定義されています。
業種 | 常時使用する従業員の数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
※常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。
対象となる法人・個人
- 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、特例有限会社
- 個人事業主(商工業者であること)
- 一定の要件を満たす特定非営利活動法人(NPO法人)
- 企業組合・協業組合
申請対象外となる主なケース
医師、歯科医師、助産師、系統出荷による収入のみの個人農業者、一般社団・財団法人、医療法人、学校法人、申請時点で開業していない創業予定者などは対象外です。また、資本金5億円以上の法人に100%株式を保有されている場合なども対象外となりますので、詳細は公募要領をご確認ください。
何に使える?補助対象経費をチェック
補助対象となる経費は多岐にわたります。自社の販路開拓計画に合わせて賢く活用しましょう。
- ① 機械装置等費:新たな商品を製造するための機械、顧客向けサービスの質を高めるための設備など。
- ② 広報費:新商品やサービスをPRするためのチラシ、ポスター、パンフレットの作成、新聞・雑誌への広告掲載など。
- ③ ウェブサイト関連費:ECサイトの構築・改修、インターネット広告、SEO対策など。※補助金申請額の1/4が上限
- ④ 展示会等出展費:国内外の展示会や商談会への出展料、関連する運搬費など。
- ⑤ 旅費:販路開拓のための調査や展示会参加に伴う交通費・宿泊費。
- ⑥ 開発費:新商品の試作品や新パッケージのデザイン開発にかかる費用。
- ⑦ 資料購入費:補助事業の遂行に不可欠な書籍や資料の購入費用。
- ⑧ 雑役務費:販路開拓のために臨時で雇用したアルバイトの賃金など。
- ⑨ 借料:事業遂行に必要な機器・設備のリース・レンタル料。
- ⑩ 設備処分費:販路開拓のために作業スペースを確保するための設備処分費用。※補助対象経費総額の1/2が上限
- ⑪ 委託・外注費:店舗の改装やバリアフリー化工事など、自社で実施困難な業務の委託費用。
申請から受給までの7ステップ
申請手続きは計画的に進めることが重要です。大まかな流れを把握しておきましょう。
- GビズIDプライムアカウントの取得:電子申請に必須です。取得には数週間かかる場合があるため、早めに手続きしましょう。
- 経営計画書・補助事業計画書の作成:補助金の目的を理解し、自社の課題解決につながる具体的な計画を策定します。ここが審査の最重要ポイントです。
- 商工会・商工会議所への相談:作成した計画書を持参し、地域の商工会・商工会議所に相談します。内容の確認後、「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらいます。
- 電子申請(Jグランツ):必要書類をすべて揃え、申請受付期間内にJグランツから申請を完了させます。
- 審査・採択・交付決定:事務局による審査が行われ、採択結果が通知されます。その後、「交付決定通知書」が届いたら、補助事業を開始できます。
※交付決定日より前に発注・契約・支払いを行った経費は補助対象外です。 - 補助事業の実施と実績報告:計画に沿って事業を実施し、期間内に完了させます。終了後、かかった経費の証拠書類(見積書、請求書、領収書など)を添えて実績報告書を提出します。
- 補助金の受給:実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定します。その後、指定の口座に補助金が振り込まれます(精算払い)。
採択されるための重要ポイント
審査で重視される観点
採択を勝ち取るためには、審査員に「この事業を支援したい」と思わせる説得力のある計画書が必要です。以下の点を意識しましょう。
- 自社の経営状況分析の妥当性:自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を客観的に分析できているか。
- 経営方針・目標とプランの適切性:分析結果を踏まえ、実現可能で具体的な目標と計画が立てられているか。
- 補助事業計画の有効性:計画が販路開拓にどう繋がり、売上向上に貢献するかが明確か。
- 積算の透明・適切性:経費の見積もりが正確で、事業内容に見合っているか。
加点項目で採択率アップを目指す
特定の要件を満たすことで、審査時に加点される制度があります。該当する場合は積極的に活用しましょう。
- パワーアップ型加点:地域の資源を活用する計画や、地域の課題解決に貢献する計画。
- 赤字賃上げ加点:賃金引上げ枠に申請する赤字事業者。
- 経営力向上計画加点:中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている。
- 電子申請加点:Jグランツで電子申請を行う(現在は電子申請のみなので、実質的に全申請者が対象)。
- 事業承継加点:代表者が満60歳以上で、後継者候補が事業の中心となる計画。
まとめ:まずは公式情報を確認しよう
小規模事業者持続化補助金は、計画的な販路開拓を目指す事業者にとって絶好の機会です。申請には周到な準備が必要ですが、それ自体が自社の経営を見つめ直す貴重なプロセスとなります。まずは公募要領を熟読し、最寄りの商工会・商工会議所に相談することから始めてみましょう。
お問い合わせ先
<商工会議所地区の方>
電話番号:03-6632-1502(商工会議所地区 補助金事務局)
受付時間:9:00~12:00、13:00~17:00(土日祝日、年末年始除く)
<商工会地区の方>
お近くの都道府県商工会連合会へお問い合わせください。連絡先は公式サイトの一覧をご確認ください。