青森県八戸市で、地域の子どもたちのために「子ども食堂」を新たに始めたいとお考えの方に朗報です。八戸市では、子ども食堂の新規開設にかかる経費の一部を支援する「令和7年度八戸市子ども食堂支援事業費補助金」を実施しています。この記事では、最大10万円が支給される本補助金の詳細や、運営者向けの物価高騰対策支援金について、分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 八戸市の子ども食堂「新規開設」補助金の概要(対象者、金額など)
- 補助金の対象となる経費・ならない経費の具体例
- 申請から補助金受け取りまでの流れと必要書類
- 運営者向け「物価高騰対策支援金」との違いと併用について
- 子ども食堂の開設・運営に関する相談窓口
補助金の概要
まずは、今回ご紹介する「八戸市子ども食堂支援事業費補助金」の全体像を把握しましょう。
| 補助金名 | 令和7年度八戸市子ども食堂支援事業費補助金 |
|---|---|
| 実施機関 | 青森県八戸市 |
| 目的 | 新たに子ども食堂を開始する団体等に対し、開設に要する経費の一部を補助することで、子どもたちの地域の居場所づくりを推進する。 |
| 補助金額 | 上限100,000円(初年度限り) |
| 申請期間 | 令和7年12月12日(金曜日)まで |
| 対象者 | 市内で新たに子ども食堂を開設する法人、任意団体、個人 |
1. 補助金の詳細(新規開設)
この補助金は、これから子ども食堂を立ち上げる方を力強くサポートする制度です。具体的な要件を見ていきましょう。
補助対象者
補助金を受け取るには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 市内に活動拠点を有していること。
- 営利活動を目的としていないこと。
- 1年以上継続して子ども食堂を運営する意思と能力があること。
- 明朗な会計・経理を実施・報告できること。
- 宗教活動、政治活動を行うものでないこと。
- 活動内容が公序良俗に反しないこと。
- 暴力団又は暴力団と密接な関係にないこと。
- 市税を滞納していないこと。
補助対象となる事業の要件
開設する子ども食堂も、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 八戸市内で実施されること。
- 地域に住む子どもを広く対象とすること。
- 主な対象者が18歳未満の子どもであること。
- 令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に6回以上かつ定期的に実施し、1回あたりの子どもの参加が5人以上であること。
- 常駐できる運営責任者を配置すること。
- 衛生管理に十分配慮し、事前に八戸市保健所に相談し助言・指導を受けること。
- 事故発生時に備え、保険に加入すること。
- 子どもの様子を見守り、必要に応じて相談支援機関へつなぐこと。
補助対象経費
補助金は、子ども食堂の開設に必要な以下の経費に使用できます。食材費や人件費、家賃は対象外なので注意が必要です。
| 項目 | 内容具体例 |
|---|---|
| 備品購入費 (1点1万円以上) |
冷蔵庫、電子レンジ、調理器具(鍋、フライパン等)、机、椅子、棚など |
| 消耗品費 (1点1万円未満) |
食器類(皿、コップ、箸)、衛生用品(エプロン、マスク、洗剤、消毒剤)、キッチン雑貨など |
| 普及啓発費 | ホームページ作成費、チラシ・パンフレット印刷費、看板作成費など |
| 保険料 | 利用者やスタッフを対象とした傷害保険や賠償責任保険の保険料 |
| 受講料 | 運営スタッフの食品衛生責任者養成講習受講料など |
※その他の経費については、支払い前に必ず子育て支援課への相談が必要です。
2. 申請から支払いまでの流れ
手続きは大きく分けて「申請」「事業実施」「完了報告」の3ステップです。
ステップ1:申請(〜令和7年12月12日)
期限までに以下の書類を八戸市子育て支援課へ提出します(持参または郵送)。
- 交付申請書(第1号様式)
- 事業計画書(第2号様式)
- 事業収支予算書(第3号様式)
- 団体の定款や役員名簿(法人・任意団体の場合)
- 活動内容が分かる書類(チラシ、ホームページの写しなど)
ステップ2:事業完了報告
事業が完了したら、完了日から30日以内、または令和8年4月10日のいずれか早い日までに、以下の書類を提出します。
- 事業完了等報告書(第8号様式)
- 事業実績報告書(第9号様式)
- 事業収支決算書(第10号様式)
- 事業の実施状況が分かる書類(写真、作成したチラシなど)
- 経費の支払いを証明する領収書の写し
ステップ3:補助金の請求と支払い
原則として、完了報告後に補助金額が確定し、その後請求書を提出して支払いを受けます。ただし、運営資金がないなどやむを得ない理由がある場合は、交付決定後に前払い(概算払)を受けることも可能です。
【運営者向け】物価高騰対策支援金について
八戸市では、新規開設補助金とは別に、物価高騰の影響を受けている子ども食堂の運営を支えるための「子ども食堂等物価高騰対策支援金」も用意されています。
物価高騰対策支援金のポイント
- 給付額:子ども食堂の開催1回につき10,000円(上限50回分)
- 対象者:すでに運営している、またはこれから運営を開始・再開する団体・個人
- 申請期限:令和7年12月12日(金曜日)まで
- 特徴:新規開設補助金とは目的が異なり、運営費(食材費や光熱水費の高騰分)を補うための支援です。
- 重複申請可能:新規開設補助金とこちらの支援金は、両方に申請することが可能です。
これから開設する方も、運営にかかる負担を軽減するために、こちらの支援金の活用も併せて検討しましょう。
困ったときの相談窓口
「子ども食堂を始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」「運営のノウハウを知りたい」といった悩みをお持ちの方は、「八戸市こどもの居場所づくりサポートセンター」に相談できます。
専門のコーディネーターが、情報提供や団体間のネットワークづくり、食材提供者とのマッチングなど、様々な形でサポートしてくれます。
- 場所:八戸市総合福祉会館1階(八戸市社会福祉協議会内)
- 電話:0178-47-2940
- 日時:月〜金曜日 8:15〜17:00(祝日・年末年始を除く)
まとめ
八戸市では、子ども食堂の新規開設を支援する最大10万円の補助金に加え、運営を支える物価高騰対策支援金や、専門の相談窓口など、手厚いサポート体制が整っています。地域の子どもたちのために温かい居場所づくりを考えている方は、ぜひこれらの制度を活用してみてください。
申請には計画や書類の準備が必要です。まずは公式サイトで詳細な要綱を確認し、不明な点があれば早めに担当課へ問い合わせることをお勧めします。
【お問い合わせ先】
八戸市 こども健康部 子育て支援課 家庭支援グループ
〒031-8686 青森県八戸市内丸一丁目1番1号 市庁別館2階
電話:0178-43-9342
ファックス:0178-43-2144
対象者・対象事業
市内に活動拠点を有し、1年以上継続して子ども食堂を運営する意思及び能力を有する法人、任意団体又は個人。営利活動、宗教活動、政治活動を目的とせず、市税の滞納がないこと等が要件。
必要書類(詳細)
八戸市子ども食堂支援事業費補助金交付申請書(第1号様式)、事業計画書(第2号様式)、事業収支予算書(第3号様式)、団体の定款若しくは会則又はこれに代わるもの及び役員等の名簿(法人及び任意団体の場合のみ)、開催案内及び活動内容等周知状況が分かる書類(ホームページやSNSの写し、パンフレットなど)
対象経費(詳細)
【備品購入費】調理器具、家電類、什器類など(1点1万円以上)。【消耗品費】食器、衛生用品、キッチン雑貨など(1点1万円未満)。【普及啓発費】ホームページ・チラシ作成費、看板作成費など。【保険料】事業に係る傷害保険や賠償責任保険の保険料。【受講料】食品衛生責任者養成講習の受講料など。※食材費、人件費、家賃等は対象外。