✅ この補助金の重要ポイント

• 最大75万円の補助金: 省エネ設備に最大50万円、熱中症対策設備に最大25万円、合計で最大75万円が補助されます。
• 幅広い省エネ設備が対象: LED照明、高効率ボイラ、エアコン、コンプレッサなど、事業所のエネルギー消費を抑える多様な設備が対象です。
• 専門家の診断が前提: 省エネの専門家による診断結果に基づいて設備を導入するため、無駄がなく効果的な投資が可能です。
• 労働環境改善も同時に支援: 熱中症対策として冷房や通風設備を導入する場合、追加で補助が受けられ、従業員満足度向上にも繋がります。

補助対象者の主な要件

• 中小企業基本法に定める中小企業者であること。
  （例：製造業の場合、資本金3億円以下または従業員300人以下。小売業の場合、資本金5,000万円以下または従業員50人以下）
• 別海町内に本店（本社）を置いていること。
• 令和7年4月1日時点で、町内で1年以上事業を営んでいること。
• 今後も別海町で事業を継続する意思があること。
• 町税を完納していること。
• 特定の業種（農業、林業、漁業）ではないこと。
  ※ただし、畜産類似業、農業サービス業、特用林産物生産業、その他の林業は対象となります。
• 風俗営業、暴力団関係者、政治・宗教団体ではないこと。

1. 町外に本店がある企業: 別海町内に支店や営業所があっても、本店が町外の場合は対象外です。
2. 創業1年未満の事業者: 令和7年4月1日時点で事業実績が1年に満たない場合は申請できません。創業間もない方は、別海町の起業家支援事業補助金など、他の制度をご検討ください。
3. 町税の滞納がある: 申請前に必ず納税状況を確認し、未納があれば完納しておく必要があります。

補助対象経費の具体例

• 照明設備: 工場や店舗の照明を、高効率なLED照明へ切り替える費用（器具購入費、設置工事費）
• ボイラ・給湯器: 古いボイラや給湯器を、省エネ性能の高い最新モデルへ更新する費用
• コンプレッサ: インバータ制御機能付きなど、電力消費の少ないコンプレッサへの買い替え費用
• 受変電設備: 高効率な変圧器（トップランナー変圧器）などを含むキュービクルの更新費用
• 給排水設備: 節水型蛇口やポンプなど、水使用量や電力消費を抑える設備の導入費用
• 空調設備: 省エネ性能の高い業務用エアコンやGHP（ガスヒートポンプエアコン）への更新費用
• 冷凍冷蔵設備: 省エネ型の業務用冷蔵庫・冷凍庫への買い替え費用
• 断熱改修: 窓の二重化や断熱材の追加など、建物の断熱性能を高める工事費用（※省エネ診断で推奨された場合に限る）
• 【熱中症対策】冷房設備: 事務所や作業場に従業員のためのエアコンを新規設置・増設する費用
• 【熱中症対策】通風設備: 大型扇風機、スポットクーラー、換気扇などの導入費用

• パソコン、サーバー、複合機などの汎用的な事務機器
• 社用車（電気自動車（EV）を含む）の購入費用
• 土地の購入費や造成費、建物の解体費用
• 申請書類の作成を依頼した行政書士などへの報酬
• 消費税および地方消費税、振込手数料
• リースやレンタルで導入する設備

✅ 5つの大きなメリット

1. 返済不要の資金で設備投資が可能: 融資とは異なり返済の必要がないため、財務状況を圧迫することなく最新の省エネ設備を導入できます。
2. 継続的なコスト削減: 設備導入により月々の電気代や燃料費が削減され、長期的に見て企業の収益性を高めます。
3. 労働環境の向上と人材確保: 夏場の職場環境を快適にすることで、従業員の健康を守り、生産性を向上させます。働きやすい職場は、新たな人材確保や離職率低下にも繋がります。
4. 企業の社会的信用の向上: 脱炭素やSDGsへの取り組みは、取引先や金融機関、顧客からの評価を高め、企業のブランドイメージ向上に貢献します。
5. 客観的データに基づく最適な投資: 専門家の「省エネ診断」が必須であるため、勘や経験に頼らず、最も費用対効果の高い設備投資を客観的なデータに基づいて判断できます。

1. 補助金は「後払い」です: 設備を購入・設置し、支払いをすべて完了させた後、実績報告書を提出して初めて補助金が支払われます。導入時には全額自己資金で立て替える必要があるため、資金繰りに注意が必要です。
2. 「交付決定前」の契約・発注は対象外: 町から「交付決定通知書」が届く前に、業者と契約したり設備を発注したりすると、その経費はすべて補助対象外となります。必ず通知書を受け取ってから事業を開始してください。
3. 予算上限による早期終了の可能性: 補助金は町の予算の範囲内で実施されます。申請が多数あった場合、年度の途中でも受付が終了する可能性があります。検討している場合は早めに準備を進めましょう。
4. 省エネ診断の受診が必須: 申請の前提として、省エネルギーセンター等の診断を受ける必要があります。診断には時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで申し込みましょう。
5. 煩雑な事務手続き: 申請書や実績報告書など、多くの書類作成と証拠書類（見積書、契約書、領収書、写真など）の整理が必要です。不備がないよう、公募要領を熟読し、丁寧に進める必要があります。

秘訣1：省エネ効果を「具体的な数値」で示す

審査員が最も重視するのは、「この投資によって、どれだけの省エネ効果が見込めるのか」という点です。省エネ診断の結果報告書を最大限に活用し、申請書の備考欄などに具体的な数値を記載しましょう。

【書き方の例】
「省エネ診断の結果に基づき、工場内の水銀灯40基をLED照明に更新する。これにより、年間消費電力量を25,000kWh削減し、電気料金を年間約75万円削減できる見込み。また、CO2排出量も年間約12トン削減に繋がり、環境負荷低減に貢献する。」

秘訣2：投資対効果と事業への好影響をアピールする

補助金は税金から支出されるため、単なる設備更新に留まらず、その投資が事業全体にどのような良い影響を与えるかを説明することが重要です。

【書き方の例】
「年間75万円のコスト削減により、創出された利益を新たな人材採用や従業員の待遇改善に充当する。また、熱中症対策としてエアコンを導入することで、夏季の作業効率低下を防ぎ、生産性の5%向上を目指す。これにより、企業の持続的な成長と安定した雇用を確保する。」

秘訣3：町の政策・目的との整合性を強調する

この補助金の目的は「町の脱炭素社会実現」です。自社の取り組みが、この大きな目的にどう貢献するのかという視点を盛り込むことで、申請の説得力が増します。

【書き方の例】
「今回の設備投資は、自社の経営改善のみならず、別海町が推進するゼロカーボンシティの実現に貢献するものである。町内事業者の一員として、率先して環境負荷の低減に取り組み、地域社会の持続可能性に寄与したい。」

Q1: 省エネ診断はどこに頼めばいいですか？

A1: 公募要領で指定されている「一般財団法人省エネルギーセンターによる省エネ最適化診断」「省エネお助け隊による診断」「登録診断機関による診断」のいずれかです。まずは「省エネお助け隊」のウェブサイトからお近くの窓口を探すか、別海町役場の担当課にご相談ください。

Q2: 中古の設備は対象になりますか？

A2: 一般的に、補助金では新品の設備導入が対象となることが多いです。中古品が対象となるかは交付要綱で確認が必要ですが、原則として対象外と考えておくのが安全です。詳しくは担当課にお問い合わせください。

Q3: 交付決定前に発注してしまった設備は本当に対象外ですか？

A3: はい、絶対に対象外です。これは補助金事業の最も厳格なルールの一つで、「事業の事前着手」と見なされます。必ず交付決定通知書が手元に届いてから、契約や発注を行ってください。

Q4: 熱中症対策の設備だけでも申請できますか？

A4: いいえ、できません。熱中症対策設備の補助（上限25万円）は、省エネ設備の補助（上限50万円）と同時に整備する場合にのみ追加で申請できるものです。省エネ設備の導入が必須となります。

Q5: 申請すれば必ず採択されますか？

A5: 必ず採択されるわけではありません。申請書類に不備があったり、要件を満たしていなかったりする場合は不採択となります。また、予算の上限に達した場合は受付が終了します。この記事で解説したポイントを押さえ、丁寧な書類作成を心がけましょう。

Q6: 個人事業主でも申請できますか？

A6: はい、対象です。中小企業基本法の「中小企業者」には個人事業主も含まれます。別海町内に主たる事業所（本店に相当）があり、その他の要件をすべて満たしていれば申請可能です。

Q7: 他の国や道の補助金と併用できますか？

A7: 同一の設備に対して、複数の補助金を重複して受給することは原則として認められません。ただし、事業全体の中で経費を明確に切り分けることができれば、併用が可能な場合もあります。併用を検討する場合は、必ず事前に別海町の担当課と、もう一方の補助金の事務局両方に確認してください。

Q8: 申請について相談したい場合、どこに連絡すれば良いですか？

A8: まずは別海町役場の「商工観光課 商工・労働担当（TEL：0153-74-9254）」へご相談ください。制度に関する疑問点や手続きの流れについて、丁寧に教えてもらえます。他にも、地域の商工会などが相談に乗ってくれる場合があります。