詳細情報
北九州市で事業を営む中小企業・小規模事業者の経営者の皆様へ。物価やエネルギー価格の高騰が続くなか、「従業員の賃金を上げたいが、経営への負担が大きい」「生産性を上げるための設備投資に踏み切れない」といったお悩みはありませんか?そんな課題を解決するため、北九州市が強力な支援策を用意しました。それが「令和7年度 北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金」です。この制度は、国の「業務改善助成金」を活用した事業者に対し、市が独自に費用を上乗せして補助する、非常に魅力的な内容となっています。この記事では、制度の概要から具体的な補助金額、申請手順、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも分かりやすく徹底解説します。このチャンスを最大限に活用し、企業の成長と従業員の満足度向上を同時に実現しましょう。
この補助金のポイント
- 国の「業務改善助成金」に北九州市が独自に上乗せ補助!
- 設備投資費用の最大10分の2を追加で補助!
- 国と市を合わせると、経費の最大95%がカバーされる可能性も!
- 生産性向上(設備投資)と賃上げを同時に行う事業者が対象。
北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金とは?
制度の目的と背景
この補助金は、物価高騰などの厳しい経済状況下で奮闘する市内の中小企業・小規模事業者を支援するために創設されました。目的は、企業の生産性を高めるための設備投資を促進し、それによって生まれた利益を従業員の賃金引上げに繋げるという「成長と分配の好循環」を地域経済に生み出すことです。
最大の特徴は、厚生労働省が実施する「業務改善助成金」と完全に連動している点です。国の助成金を受けた事業者だけが申請できる「上乗せ補助」という仕組みのため、両方の制度を理解し、活用することが重要になります。
まずは国の「業務改善助成金」を理解しよう
北九州市の補助金を申請するための大前提となるのが、国の「業務改善助成金」です。まずはこの制度の概要を把握しましょう。
- 目的:中小企業の生産性向上を支援し、事業場内最低賃金の引上げを図る。
- 主な要件:
- 事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げること。
- 生産性向上に役立つ設備投資(例:POSレジ、自動食器洗浄機、新型機械の導入など)を行うこと。
- 助成額:設備投資にかかった費用の一部が助成されます。助成率や上限額は、事業場内最低賃金の水準や、賃上げを行う労働者の数によって変動します(最大600万円)。
つまり、「賃上げ計画」と「設備投資計画」をセットで実施する事業者を国が支援し、さらにその事業者に対して北九州市が追加で支援する、という二段構えの制度になっています。
補助金額・補助率の詳細
北九州市の上乗せ補助額
北九州市の補助金は、国の業務改善助成金の対象となった設備投資等の経費に対して、以下の補助率で算出されます。
- 補助率:補助対象経費の最大10分の2(20%)
- 上限額:国の業務改善助成金の助成上限額の10分の2
【重要】補助率の調整について
国の助成金と北九州市の補助金を合計した額が、補助対象経費の95%を超えることはできません。もし10分の2の補助率を適用して95%を超えてしまう場合は、市の補助率は10分の1.5(15%)に調整されます。これにより、事業者の自己負担が最低でも5%は発生する仕組みになっています。
補助上限額早見表
補助上限額は、国の制度に連動して決まります。以下は国の助成上限額と、それに対応する北九州市の上乗せ補助金の上限額の目安です。(詳細は必ず市の公式サイトでご確認ください)
事業者規模が30人未満の場合
| 賃金引上げ額 | 引上げ労働者数 | 国の助成上限額 | 北九州市の上限額 |
|---|---|---|---|
| 30円以上 | 1人 | 30万円 | 6万円 |
| 90円以上 | 10人以上 | 600万円 | 120万円 |
具体的な計算例
例:設備投資に100万円かかり、国の助成率が4/5(80%)の場合
- 国の助成額:100万円 × 4/5 = 80万円
- 市の補助額(仮計算):100万円 × 2/10 = 20万円
- 合計補助額(仮):80万円 + 20万円 = 100万円(補助率100%)
- 判定:合計補助率が95%を超えてしまうため、市の補助率は10分の1.5に調整されます。
- 確定後の市の補助額:100万円 × 1.5/10 = 15万円
- 最終的な合計補助額:80万円(国) + 15万円(市) = 95万円
- 自己負担額:100万円 – 95万円 = 5万円
対象者と詳細な条件
この補助金を受けるためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 事業所の所在地:北九州市内に事業場があること。
- 国の助成金受給:国の「業務改善助成金」について、令和7年4月1日以降に福岡労働局から交付決定通知を受け、令和8年2月28日までに交付額確定の通知を受けていること。
- 法令遵守:労働基準法などの労働関係法令を遵守していること。
- 納税義務:市税の滞納がないこと。
- その他:風俗営業関連事業者や、反社会的勢力と関係のある事業者でないことなど、交付要綱に定められた条件を満たすこと。
補助対象となる経費
補助の対象となるのは、国の「業務改善助成金」の対象として認められた、生産性向上に資する設備投資等の経費です。以下に具体例を挙げます。
対象経費の具体例
- IT・システム関連:POSレジシステム、セルフレジ、在庫管理・顧客管理システム、予約管理システムの導入など
- 機械・設備関連:飲食店向けの自動食器洗浄機や自動調理器、製造業向けの新型機械、介護事業所向けのリフト付き特殊車両など
- コンサルティング:業務フローの見直しや改善を目的とした、専門家によるコンサルティング費用
対象外となる経費
基本的に、国の業務改善助成金で対象外となる経費は、市の補助金でも対象外です。例えば、汎用性の高いパソコンやスマートフォン、事務所の家賃、光熱費、文房具などの消耗品費は対象となりません。
申請方法と全体の流れ【重要】
この補助金の申請は、国の助成金手続きが完了した後に行います。全体の流れをしっかり把握しておくことが成功の鍵です。
ステップ・バイ・ステップ申請手順
- 【国へ】業務改善助成金の申請:まず、賃上げと設備投資の計画を立て、福岡労働局へ「業務改善助成金」の交付申請を行います。
- 【国から】交付決定:計画が審査され、労働局から「交付決定通知書」が届きます。
- 事業の実施:交付決定後、計画通りに設備投資(発注・納品・支払い)と賃上げを実施します。
- 【国へ】実績報告:事業完了後、かかった経費の領収書や賃金台帳などを添えて、労働局へ実績報告を行います。
- 【国から】額の確定と支給:報告内容が審査され、「交付額確定及び支給決定通知書」が届き、助成金が振り込まれます。この通知書が市の補助金申請に必須です。
- 【北九州市へ】応援補助金の申請:国の通知書を受け取ったら、速やかに北九州市へ「生産性向上・賃金引上げ応援補助金」の申請書類を提出します。
- 【北九州市から】交付決定と支給:市で書類が審査され、交付が決定されると、補助金が振り込まれます。
申請期間と提出先
- 申請期間:令和7年4月1日(火曜日)から令和8年3月6日(金曜日)必着
- 注意点:予算の範囲内での交付となるため、申請期間内でも受付を終了する場合があります。早めの申請を強くお勧めします。
- 提出方法:郵送または電子メール
- 提出先:北九州市 産業経済局 地域経済振興部 雇用・産業人材政策課
必要書類一覧
申請には以下の書類が必要です。様式は北九州市の公式サイトからダウンロードしてください。
- 北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金交付申請書(様式第1号)
- 申請統括表(様式第2号)
- 照会同意書・回答同意書(様式第6号・7号)
- 業務改善助成金の交付額確定及び支給決定通知書(国様式第11号)の写し
- 国庫補助金精算書(国様式第9号 別紙1)の写し
- 事業実施結果報告(国様式第9号 別紙2)の写し
- 賃金引上げを証する書面(賃上げ前後の賃金台帳など)の写し
- 導入した設備の内容や金額を証する書類(納品書、請求書、写真など)の写し
- 請求書(市の様式)
採択されるための3つのポイント
この補助金を確実に受給するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
ポイント1:まずは国の「業務改善助成金」の採択がすべて
北九州市の補助金は、国の助成金受給が前提条件です。そのため、市の補助金の審査自体は、要件を満たしているかの形式的な確認が中心となり、採択率は非常に高いと考えられます。勝負の分かれ目は、いかにして国の「業務改善助成金」に採択されるかです。設備投資がどのように生産性向上に繋がり、その結果として賃上げが可能になるのか、説得力のある事業計画を作成することが最も重要です。
ポイント2:スケジュール管理を徹底する
国の助成金手続きは、申請から額の確定まで数ヶ月単位の時間がかかります。北九州市の申請締切(令和8年3月6日)に間に合わせるためには、逆算して計画的に行動を開始する必要があります。特に、国の交付額確定通知を令和8年2月28日までに受け取る必要があるため、遅くとも令和7年の夏頃までには国の助成金申請に着手することが望ましいでしょう。
ポイント3:書類の不備をなくす
申請書類は多岐にわたります。特に、国の助成金手続きで提出した書類の写しが多数必要となりますので、関連書類はすべてファイリングして保管しておきましょう。提出前には、市の公式サイトで最新の要綱や様式を確認し、チェックリストを作成して一つずつ確認することをお勧めします。書類の不備は審査の遅れや不採択の原因となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 国の業務改善助成金を申請する前ですが、市に相談できますか?
A1. はい、相談可能です。ただし、市の補助金は国の助成金が前提となるため、まずは国の制度について福岡労働局(電話:092-411-4717)に問い合わせるのがスムーズです。その上で、市の上乗せ補助に関する不明点があれば、市の担当課に相談しましょう。
Q2. 賃上げはいつのタイミングで行えばよいですか?
A2. 賃上げは、国の業務改善助成金の事業実施期間内に行う必要があります。国の交付決定通知を受けた後に実施するのが原則です。詳細は福岡労働局にご確認ください。
Q3. 北九州市内に複数の事業所がありますが、それぞれ申請可能ですか?
A3. 補助金は事業場単位で適用されます。もし複数の事業場でそれぞれ国の業務改善助成金の交付を受けていれば、それぞれで市の補助金に申請することが可能です。
Q4. 申請から補助金が振り込まれるまで、どのくらいかかりますか?
A4. 申請書類に不備がなければ、通常1〜2ヶ月程度で交付決定・振込が行われることが多いですが、申請が集中する時期はさらに時間がかかる可能性があります。
Q5. 予算がなくなった場合、どこで確認できますか?
A5. 予算がなくなり受付終了となる場合は、北九州市の公式サイトで告知されます。申請を検討している場合は、定期的に公式サイトを確認することをお勧めします。
まとめ
「北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金」は、賃上げと設備投資という企業の成長に不可欠な2つの要素を同時に支援する、非常に価値の高い制度です。最後に重要なポイントを再確認しましょう。
- 国の「業務改善助成金」への上乗せ補助であり、両方の活用が前提。
- 補助率は設備投資費用の最大10分の2。国と合わせて最大95%の経費が補助される可能性がある。
- 申請には国の「交付額確定通知書」が必須。スケジュール管理が重要。
- 申請期間は令和8年3月6日までだが、予算上限による早期終了に注意。
この機会を逃さず、まずは国の業務改善助成金の活用を検討し、計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。ご不明な点があれば、下記の問い合わせ先に気軽に相談してみてください。
お問い合わせ先
北九州市 産業経済局 地域経済振興部 雇用・産業人材政策課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話番号:093-582-2419
電子メール:san-koyou@city.kitakyushu.lg.jp
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