埼玉県では、エネルギーコストの高騰対策とカーボンニュートラル実現に向け、県内中小企業者の省エネ・再エネ設備導入を支援する「令和7年度 スマートCO2排出削減設備導入事業」の追加募集が開始されます。本記事では、最大1,000万円が補助されるこの制度について、対象設備や申請条件、手続きの流れをプロが分かりやすく解説します。
令和7年度 スマートCO2排出削減設備導入事業とは?
この事業は、埼玉県内の中小企業が、空調やボイラーなどの高効率設備への更新、太陽光発電設備と蓄電池の導入、さらにはエネルギー管理システム(EMS)を組み合わせた先進的な省エネ対策を行う際に、経費の一部を補助する制度です。エネルギーコストの削減とCO2排出量削減を同時に実現し、企業の競争力強化を後押しすることを目的としています。
こんな事業者様におすすめ!
- 老朽化した空調やボイラーの更新を検討している
- 電気代高騰対策として太陽光発電と蓄電池を導入したい
- 工場や事業所全体のエネルギー使用量を「見える化」し、効率化したい
- CO2排出量を削減し、SDGs経営に取り組みたい
補助金の概要(早見表)
本事業の重要なポイントを一覧表にまとめました。特に申請期間が限られているため、早めの準備が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 埼玉県内で1年以上の事業活動を営む中小企業者(法人・個人事業主) |
| 申請受付期間 (追加募集) |
令和7年9月29日(月)9時 ~ 10月23日(木) |
| 補助率 | 補助対象経費の 1/3 または 1/2 以内 |
| 補助上限額 | 最大 1,000万円 |
| 申請方法 | 電子申請システム |
| 選定方法 | 先着順ではなく、期間内の申請から費用対効果の高い事業を審査・選定 |
4つの対象事業と補助上限額
本事業は、導入する設備に応じて4つの事業区分に分かれており、補助率や上限額が異なります。
1. 高効率省エネルギー設備への更新
古い設備を高効率なものに更新する事業です。空調設備、ボイラー、コンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵設備などが対象です。(※照明設備は対象外)
- 補助率: 1/3以内
- 補助上限: 300万円
2. 再生可能エネルギーの利用設備の導入
太陽光発電設備やバイオマス発電設備などの導入が対象です。太陽光発電設備の場合は蓄電池の同時設置が必須となります。(※全量売電目的は対象外)
- 補助率: 1/3以内
- 補助上限: 500万円
3. CO2排出量の少ない燃料等を使用した設備への更新等
重油ボイラーから都市ガス・LPGボイラーへの燃料転換や、ヒートポンプ化、コジェネレーション設備の導入などが対象です。
- 補助率: 1/3以内
- 補助上限: 300万円
4. エネルギー管理システム(EMS)との同時導入
エネルギー使用量を計測・制御するEMSと、上記1~3の設備を同時に導入する事業です。より高度な省エネを実現するため、最も手厚い支援が受けられます。
- 補助率: 1/2以内
- 補助上限: 1,000万円
申請から交付までの流れ【5ステップ】
申請手続きは以下の流れで進みます。特に、交付決定前に事業に着手(契約・発注)すると補助対象外となるため、タイミングには十分注意してください。
-
ステップ1:交付申請
電子申請システムから必要書類を添付して申請します。申請期間は【令和7年9月29日~10月23日】です。 -
ステップ2:審査・交付決定
埼玉県が申請内容を審査し、採択されると「交付決定通知書」が発行されます。 -
ステップ3:事業着手・完了
交付決定後に、設備の契約・発注・工事を行い、業者への支払いまで完了させます。 -
ステップ4:実績報告
事業完了後、期限内に契約書や領収書、施工写真などを添付した実績報告書を提出します。 -
ステップ5:補助金交付
実績報告の内容が承認されると補助金額が確定し、指定の口座に補助金が振り込まれます。
⚠️ 申請時の最重要注意点
- 事前着手は厳禁: 補助金の交付決定通知を受け取る前に、発注や契約を行うと補助対象外になります。
- 補助金の併用不可: 同一の設備について、国や他の自治体などが実施する補助金との併用はできません。
- 申請条件の確認: 事業区分ごとに「年間CO2削減量3t以上」などの条件があります。事前にCO2削減量の計算が必要です。
- 別事業との混同注意: 埼玉県には「CO₂排出削減設備導入補助金【緊急対策枠】」という別の補助金もありますが、本事業との併用はできません。
まとめ
「令和7年度 スマートCO2排出削減設備導入事業」は、埼玉県内の中小企業が省エネ・再エネ設備を導入する絶好の機会です。特にEMSを同時に導入することで最大1,000万円という手厚い支援が受けられます。
申請期間は令和7年9月29日から10月23日までと短いため、計画的な準備が採択の鍵となります。CO2削減量の算定や必要書類の準備など、専門的な知識が求められる部分もありますので、早めに専門家へ相談することもご検討ください。
まずは埼玉県の公式ページで詳細な募集要領を確認し、自社の設備導入計画が対象になるかチェックしてみましょう。
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大1,000万円 | 最大500万円 | 最大60万円 | 3万円 | 3万円 |
| 補助率 | 【高効率省エネルギー設備への更新/CO2排出量の少ない燃料等を使用した設備への更新等】 補助率:補助対象経費の1/3以内 補助上限額:300万円 【再生可能エネルギーの利用設備の導入】 補助率:補助対象経費の1/3以内 補助上限額:500万円 【エネルギー管理システム(EMS)と設備更新等の同時導入】 補助率:補助対象経費の1/2以内 補助上限額:1,000万円 | — | 診療所3/4、病院1/2、薬局3/4(大型チェーン1/2) | 購入費の3/4(上限3万円) | 購入費の3/4(上限3万円) |
| 申請締切 | 2025年10月23日 | 2025年12月26日まで | 令和8年1月15日 | 令和7年12月26日 | 令和7年12月26日 |
| 難易度 |
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| 採択率 | 40.0% | 30.0% | — | — | — |
| オンライン | 非対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
| jGrants | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
Q どのような経費が対象になりますか?
・設備費:設備本体、必要不可欠な付属機器の購入費
・工事費:労務費、設計費、材料費、消耗品・雑材料費、直接仮設費、試験調整費、立会検査費、機器搬入費 等
【対象外経費】
能力増強に係る経費、撤去費、移設費、処分費、通信費、光熱水費、旅費、居住用途に係る設備の導入、消費税及び地方消費税 等