はじめに:大崎市の産前産後ママ・パパを支える「子育て世帯訪問支援事業」とは?

宮城県大崎市でこれから出産を迎える方、そしてすでにお子さんとの新しい生活をスタートさせた方へ。期待に胸を膨らませる一方で、「産後の体調が不安…」「日中は一人で赤ちゃんと向き合うのが大変」「家事まで手が回らない」といった悩みを抱えていませんか?特に、パートナーの帰りが遅かったり、頼れる親族が近くにいなかったりすると、その負担は一層大きくなります。

そんな大変な時期を乗り越えるための心強い味方が、大崎市の「子育て世帯訪問支援事業」です。この事業は、専門の育児ヘルパーがご家庭を訪問し、家事や育児を直接サポートしてくれるサービスです。一人で抱え込まず、地域の手を借りて、心と身体にゆとりのある子育てをスタートさせましょう。この記事では、事業の詳しい内容から料金、申請方法まで、あなたが今知りたい情報を余すところなく解説します。

事業の概要が一目でわかる!基本情報まとめ

まずは、大崎市子育て世帯訪問支援事業の基本的な情報を確認しましょう。どのような方が、いつからいつまで利用できるのかをまとめました。

事業の目的

この事業は、大崎市が「安心して子どもを産み育てられる環境づくり」を目指して実施しています。特に出産前後の大変な時期にサポートを提供することで、母親の身体的・精神的負担を軽減し、孤立しがちな子育て世帯を社会全体で支えることを目的としています。

対象となる方

以下の条件をすべて満たす方が対象となります。

  • 大崎市に住所があること
  • 母子健康手帳の交付を受けてから、子どもが満1歳になる日までの方
  • 日中、配偶者の不在や親族が遠方に住んでいるなどの理由で、家族からの支援を受けることができない方
  • 産前産後の体調不良や育児への不安などにより、家事または育児を行うことが困難である方

【こんな方におすすめです】
✅ パートナーの仕事が忙しく、平日の日中はワンオペ育児になっている
✅ 実家や義実家が遠方で、すぐに頼ることができない
✅ 産後の体力が回復せず、家事をするのがつらい
✅ 上の子のお世話もあり、赤ちゃんとの時間に集中できない
✅ 初めての育児で、沐浴やおむつ交換に不安がある

気になる利用料金は?所得に応じた自己負担額をチェック

このサービスの大きな魅力は、非常にリーズナブルな料金設定です。世帯の市民税課税状況に応じて自己負担額が異なり、非課税世帯などは無料で利用できます。ご自身の世帯がどこに該当するか、下の表で確認してみてください。

世帯の課税状況 1時間あたりの自己負担金
生活保護受給世帯、市町村民税非課税世帯 0円
市町村民税均等割課税世帯 300円
市町村民税所得割課税世帯 600円

※ご自身の世帯の課税状況がわからない場合は、市役所や総合支所の窓口で相談するか、課税証明書(または非課税証明書)で確認することができます。

どんなことをお願いできる?具体的なサービス内容

育児ヘルパーには、日常的な家事と育児のサポートをお願いすることができます。ヘルパーさんが家事をしてくれている間に少し身体を休めたり、赤ちゃんとゆっくり向き合う時間を作ったりと、様々な活用が可能です。

家事のサポート

  • 食事の準備・後片付け:簡単な昼食の準備や夕食の下ごしらえ、食器洗いなど。
  • 掃除:居室やキッチン、お風呂などの日常的な掃除や整理整頓。
  • 洗濯:洗濯機を回す、干す、たたむといった一連の作業。
  • 生活必需品の買い物:近隣のスーパーなどでの食材や日用品の買い物代行。

育児のサポート

  • 授乳の介助:ミルクの準備や哺乳瓶の洗浄・消毒など。
  • おむつ交換の介助:おむつ交換のサポート。
  • 沐浴(もくよく)の介助:赤ちゃんのお風呂の準備から着替えまでを一緒に行います。
  • 兄姉の遊び相手:上の子がいる場合、ヘルパーが遊び相手になることで、お母さんは赤ちゃんとゆっくり過ごせます。

【注意】対応できないサービス
この事業は、あくまで日常的な家事・育児の補助を目的としています。そのため、以下のような専門的なサービスや範囲を超える作業は対象外となります。
・大掃除、窓拭き、庭の草むしり、ペットの世話
・保護者が不在の状況での留守番や預かり(ベビーシッターではありません)
・専門的な知識を要する介助や医療行為

利用期間と回数の上限について

計画的に利用するために、期間や回数の上限をしっかり把握しておきましょう。

  • 利用可能期間:母子健康手帳の交付時から、子どもが満1歳になる日(誕生日の前日)まで
  • 利用回数:上記期間中において合計20回まで
  • 1回あたりの時間:2時間が上限
  • 1日あたりの利用:1日に2回(合計4時間)まで利用可能
  • 利用可能時間帯:平日の午前9時から午後6時まで
  • 利用できない日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始

申請から利用開始までの簡単4ステップ

サービスの利用は、簡単な手続きで始められます。以下の流れに沿って準備を進めましょう。

Step 1: 申請書類の準備
まずは申請に必要な書類を揃えます。申請書は市のウェブサイトからダウンロードするか、申請窓口で受け取ることができます。

Step 2: 窓口で申請
準備した書類を持って、お近くの申請窓口へ提出します。申請時に、家庭の状況や希望するサービス内容について簡単な聞き取りがあります。

Step 3: 利用決定と調整
市が申請内容を確認し、利用が決定します。その後、市が委託しているヘルパー派遣事業者と、具体的な訪問日時などの調整が行われます。

Step 4: サービス利用開始
決定した日時に育児ヘルパーがご自宅を訪問し、サポートが開始されます。

申請に必要なものリスト

  • 子育て世帯訪問支援事業申請書
  • 母子健康手帳
  • 市町村民税課税証明書または非課税証明書(※)

※証明書が必要なのは、大崎市外から転入された方です。7月~12月に申請する場合はその年の1月1日、1月~6月に申請する場合は前年の1月1日に大崎市に住所がなかった方が対象となります。

申請・相談窓口一覧

窓口名 電話番号
健康推進課母子保健担当(こども家庭センター) 0229-23-2216
松山総合支所市民福祉課 0229-55-2114
三本木総合支所市民福祉課 0229-52-2114
鹿島台総合支所市民福祉課 0229-56-7114
岩出山総合支所市民福祉課 0229-72-1212
鳴子総合支所市民福祉課 0229-82-3131
田尻総合支所市民福祉課 0229-38-1155

よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠中から利用できますか?

はい、ご利用いただけます。母子健康手帳の交付を受けた後であれば、出産前から申請・利用が可能です。つわりで体調が優れない時や、出産準備で忙しい時期の家事サポートなどにご活用ください。

Q2. 兄や姉の面倒も見てもらえますか?

はい、サービス内容に「兄姉の遊び相手など」が含まれています。お母さんが生まれたばかりの赤ちゃんのお世話に集中したい時や、少し休息を取りたい時などに、ヘルパーが上のお子さんのお相手をします。

Q3. 急な依頼でも対応してもらえますか?

ヘルパーの派遣調整が必要なため、希望する日時に必ず利用できるとは限りません。特に急なご依頼の場合、対応が難しいことがあります。産後の利用を見越して、妊娠中から早めに申請・相談しておくことをお勧めします。

Q4. どんな人がヘルパーとして来ますか?

大崎市が委託した事業者に所属し、子育て支援に関する専門的な研修を受けたヘルパーが訪問します。育児経験が豊富な方も多く、安心してサポートを任せることができます。育児のちょっとした相談相手にもなってくれるかもしれません。

Q5. 利用回数(20回)を使い切ったら延長できますか?

この事業での利用は、お子さんが1歳になるまでの期間で20回が上限となっており、原則として延長はできません。利用計画を立てる際は、特にサポートが必要な時期(産後1〜2ヶ月など)に集中して使うなど、工夫すると良いでしょう。

まとめ:大崎市の訪問支援事業を活用して、心にゆとりのある子育てを

今回は、大崎市の子育て世帯訪問支援事業について詳しく解説しました。最後に、この事業の重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • 対象者:大崎市在住で、日中の支援が得られない産前産後の家庭
  • サポート内容:日常的な家事(掃除、料理など)と育児(沐浴介助など)
  • 利用料金:所得に応じて1時間あたり0円、300円、600円のいずれか
  • 利用上限:子どもが1歳になるまでに合計20回まで
  • 申請窓口:市の健康推進課または各総合支所

出産前後の時期は、喜びと共に大きな変化が訪れる時です。すべてを完璧にこなそうと一人で頑張りすぎず、利用できる社会資源は積極的に活用することが、お母さん自身と赤ちゃんの健やかな生活に繋がります。少しでも「大変だな」と感じたら、まずは市の窓口に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。