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【2025年版】大阪府社会福祉施設等施設整備費補助金|最大3/4補助!申請方法と採択のコツを解説

詳細情報

大阪府内で障がい者支援施設や障がい児支援施設の新規開設、大規模な改修を計画している社会福祉法人等の事業者様へ。施設の整備には多額の費用がかかりますが、その負担を大幅に軽減できる強力な支援制度があることをご存知でしょうか。それが、国と大阪府、市町村が連携して実施する「社会福祉施設等施設整備費補助金」です。この制度を活用すれば、整備にかかる対象経費の最大4分の3という手厚い補助を受けることが可能です。しかし、申請プロセスは複雑で、準備には1年以上を要します。本記事では、この価値ある補助金を最大限に活用するため、制度の概要から具体的な申請手順、審査で有利になるための採択のポイントまで、専門家が徹底的に解説します。計画を成功に導くための第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

この記事のポイント

  • 大阪府の障がい福祉施設等の創設・改修が対象
  • 国・府・市町村で最大3/4の経費を補助
  • 申請は工事を行う前年度から準備が必要な長期的プロセス
  • 地域移行や耐震化など、政策的に優先度の高い事業が採択されやすい
  • 内示前の工事着手は絶対NG!補助対象外に

① 社会福祉施設等施設整備費補助金とは?

制度の目的と概要

社会福祉施設等施設整備費補助金は、国庫補助事業の一環として、障がいを持つ方々が地域で安心して生活できる環境を整備することを目的としています。具体的には、住まいの場であるグループホームや、日中活動の場となる生活介護、就労継続支援事業所などの障がい福祉サービス施設、または障がい児通所支援事業所などの創設や大規模修繕、設備の導入を行う社会福祉法人等に対し、国、都道府県、市町村が共同で経費の一部を補助する制度です。

実施組織

この補助金は、国の制度(厚生労働省・こども家庭庁)を基に、大阪府が窓口となって実施されています。実際の補助は、国、大阪府、そして施設が所在する市町村の3者から行われる仕組みです。

  • 国(厚生労働省・こども家庭庁):制度の根幹を担い、補助金の主要な財源を拠出。
  • 大阪府:事業者からの相談受付、審査、国への協議申請など、全体的な窓口業務を担当。
  • 市町村:地域の福祉計画に基づき、事業の必要性を判断し、補助金の一部を負担。

【重要】政令市・中核市の場合
大阪市や堺市などの政令市、その他の中核市で施設整備を検討している場合は、大阪府ではなく、各市の担当部署が直接の窓口となります。計画地の自治体に必ず確認してください。

② 補助金額・補助率

補助率と負担割合

この補助金の最大の魅力は、その高い補助率にあります。国が定める補助基準額を上限として、整備に要する対象経費の4分の3が補助されます。残りの4分の1が事業者様の自己負担となります。

負担者 負担割合 備考
2/4 (1/2) 国の予算の範囲内で配分
大阪府・市町村 1/4 府と市町村で按分
事業者(自己負担) 1/4 自己資金や借入金で賄う必要あり

計算例

例えば、補助対象となる施設の改修工事に4,000万円かかった場合、補助額と自己負担額は以下のようになります(補助基準額の範囲内と仮定)。

  • 補助対象経費:4,000万円
  • 補助額合計(3/4):4,000万円 × 3/4 = 3,000万円
  • 自己負担額(1/4):4,000万円 × 1/4 = 1,000万円

ただし、これはあくまで上限であり、国の予算状況や審査結果によっては、申請額が満額採択されない可能性もあるため、資金計画は慎重に立てる必要があります。

③ 対象者・条件

本補助金の対象となるのは、大阪府内(政令市・一部中核市を除く)で対象となる施設整備を行う法人です。

  • 社会福祉法人
  • 医療法人
  • 一般社団法人
  • 特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 営利法人(株式会社、合同会社など)

法人格があれば申請は可能ですが、審査においては、補助金交付後も長期にわたり安定した事業継続が見込めるかという観点から、財務状況が安定しており、かつ公益性が高い法人(特に社会福祉法人など)が優先される傾向にあります。

④ 補助対象経費

補助の対象となるのは、施設の整備に直接かかる費用です。大きく分けて以下の区分があります。

主な整備区分と対象経費

  • 創設:施設を新たに建設するための工事費、設計監理費、附帯設備費など。
  • 増築・改築:既存施設の定員増や機能向上のための増改築工事費、耐震化改修工事費など。
  • 大規模修繕等:老朽化した建物の大規模な修繕費。感染症対策のための多床室の個室化改修なども含まれます。
  • 設備整備:スプリンクラー設備、自家発電設備、介護用リフト、防犯カメラなどの設置費用。
  • その他:施設の解体撤去工事費、工事期間中の仮設施設の整備費なども条件により対象となります。

対象外となる経費の例

  • 土地の取得費、造成費
  • 職員の給与や施設の運営費
  • 既存の借入金の返済
  • 什器、車両など、工事を伴わない備品購入費
  • 消費税及び地方消費税

⑤ 申請方法・手順(スケジュール)

この補助金の申請プロセスは非常に長期間にわたります。実際に工事を行う年度の前年度から準備を開始する必要があります。以下に大まかな流れを解説します。

【整備工事の前年度】

この1年間は、計画の相談と審査が中心となります。

  • Step 1: 整備計画の事前相談(2月中旬~6月末頃)
    大阪府の担当課(生活基盤推進課 整備グループ)へ「相談票」をメールで提出し、来庁相談を予約します。この期間内に相談を完了させないと、その後の審査に進めません。早めの行動が肝心です。
    ※令和9年度工事分の相談受付は、令和8年2月中旬~6月末の予定です。
  • Step 2: 協議・審査書類の提出(7月~9月頃)
    府からの依頼に基づき、事業計画書や資金計画、見積書など、より詳細な協議・審査書類を提出します。
  • Step 3: 大阪府審査部会(10月頃)
    提出された計画について、府が設置する審査部会で審査が行われます。ここで、府の予算内で国へ協議する対象事業が選定されます。
  • Step 4: 国への協議(翌年3月頃)
    府の審査を通過した事業計画が、大阪府から国(厚生労働省等)へ提出されます。

【整備工事を行う年度】

国の採択決定後、いよいよ事業に着手します。

  • Step 5: 内示通知(6月~7月頃)
    国の審査結果が府を通じて通知されます。この「内示」を受けて初めて、補助事業として正式に認められます。
  • Step 6: 工事契約・着工(内示通知後)
    内示通知を受け取る前に工事業者と契約したり、着工したりした場合は、補助金の対象外となるため絶対に避けてください。工事業者の選定は、原則として一般競争入札で行う必要があります。
  • Step 7: 工事完了・実績報告(翌年2月末まで)
    年度内に工事を完了させ、府の完了検査を受ける必要があります。期限までに完了できない場合、補助金は交付されません。
  • Step 8: 補助金交付(翌年3月末)
    すべての手続きが完了した後、補助金が交付されます。

⑥ 採択のポイント

相談・協議を行った全ての計画が補助対象となるわけではありません。限られた予算の中で採択されるためには、事業の必要性や緊急性を的確にアピールすることが不可欠です。審査で特に優先される事業計画の例は以下の通りです。

  • 入所施設からの地域移行の受け皿となるグループホームの整備
    特に、医療的ケアが必要な方など、より重度の障がい者を受け入れる計画は高く評価されます。
  • 地域生活支援拠点等としての短期入所施設の整備
    市町村の障がい福祉計画に明確に位置付けられており、緊急時の受け入れ機能を持つ施設は優先度が高まります。
  • 施設の安全性確保に関する整備
    現行の建築基準法に基づく耐震基準を満たしていない施設の耐震化工事や、洪水浸水想定区域などの危険区域に所在する施設の移転改築など、利用者の安全に直結する事業。

注意点:近年、単なる老朽化や経年劣化による施設・設備の改修は、緊急性が低いと判断され、府および国の審査で採択が困難な状況になっています。なぜ「今」この整備が必要なのか、政策的な意義を明確に説明することが重要です。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 株式会社などの営利法人でも申請できますか?

A1. はい、法人格があれば申請自体は可能です。ただし、審査では事業の継続性や公益性が重視されるため、財務基盤が安定している社会福祉法人などが優先される傾向があります。

Q2. 府に相談すれば必ず補助金はもらえますか?

A2. いいえ、必ずもらえるわけではありません。事前相談はあくまでスタートラインです。その後の府の審査部会、さらに国の審査を経て、予算の範囲内で採択された事業のみが補助対象となります。不採択となるケースや、申請額の一部のみが補助されるケースもあります。

Q3. スケジュールが遅れそうなので、内示前に工事を始めても良いですか?

A3. 絶対に認められません。内示通知前に着手(契約・発注・工事開始など)した経費は、すべて補助対象外となります。必ず府からの内示通知を待ってから事業を開始してください。

Q4. 土地の購入費用は補助対象になりますか?

A4. いいえ、土地の取得費や造成費は補助対象外です。補助対象は、あくまで建物本体の工事費や、それに付随する設備整備費などが中心となります。

Q5. 補助金で購入した建物を、将来的に売却や貸付することはできますか?

A5. 補助金を受けて取得した財産は、一定期間(財産処分制限期間)、補助金の交付目的に反して使用、譲渡、貸付などを行うことが制限されます。やむを得ず処分する場合は、事前に厚生労働大臣等の承認を得る必要があり、補助金の一部または全部を国庫に返納しなければならない場合があります。

⑧ まとめと次のアクション

今回は、大阪府の社会福祉施設等施設整備費補助金について詳しく解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。

  • 高い補助率:対象経費の最大3/4が補助される、非常に魅力的な制度です。
  • 長期的な計画:申請準備は工事の前年度から。スケジュール管理が成功の鍵です。
  • 事業の公益性:なぜその整備が必要なのか、地域の福祉にどう貢献するのかを明確にすることが採択への近道です。
  • 厳格なルール:内示前の着手は厳禁など、ルールを遵守することが絶対条件です。

この補助金を活用するには、早期からの情報収集と計画的な準備が不可欠です。まずは自法人の事業計画を具体化し、市町村の障がい福祉計画などを確認しながら、次回の相談受付期間(例:令和9年度工事分は令和8年2月頃から)に向けて準備を進めましょう。

お問い合わせ先

大阪府 福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課 整備グループ
電話番号:06-6941-0351(内線2450)
FAX番号:06-6944-6674
公式サイト:社会福祉施設等施設整備費(国庫補助事業)について

補助金詳細

補助金額 最大 整備に要する対象経費の最大4分の3
主催 大阪府、国(厚生労働省・こども家庭庁)、各市町村
申請締切 2026年6月30日
申請難易度
(一般的)
採択率 30.0%
閲覧数 11 回

対象者・対象事業

大阪府内で障がい福祉サービス事業所、障がい児通所支援事業所等の創設や大規模修繕を計画する社会福祉法人、医療法人、NPO法人、営利法人等。財務状況が安定し公益性が高い法人が優先される。

■ 申請の流れ

1

必要書類の準備

事業計画書、見積書などを用意します。

2

申請書類の提出

オンラインまたは郵送で提出します。

3

審査

通常1〜2ヶ月程度かかります。

4

採択・交付決定

結果通知と交付手続きを行います。

■ よくある質問

大阪府内で障がい福祉サービス事業所、障がい児通所支援事業所等の創設や大規模修繕を計画する社会福祉法人、医療法人、NPO法人、営利法人等。財務状況が安定し公益性が高い法人が優先される。

通常、申請から採択決定まで1〜2ヶ月程度かかります。ただし、補助金の種類や申請時期によって異なる場合がありますので、詳しくは担当窓口にお問い合わせください。
多くの場合、次回の募集期間で再申請が可能です。不採択の理由を確認し、改善した上で再度申請することをお勧めします。詳しくは担当窓口にお問い合わせください。

お問い合わせ

大阪府 福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課 整備グループ 電話番号: 06-6941-0351(内線2450) FAX番号: 06-6944-6674

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