新潟市にお住まいで、ご自宅や所有地に古いブロック塀はありませんか?地震の際に倒壊する危険性があり、通行人や家族に被害を及ぼす可能性があります。そんな不安を解消するため、新潟市では危険なブロック塀の撤去費用を補助する制度を実施しています。それが「新潟市危険ブロック塀等撤去工事補助金」です。この制度を活用すれば、最大15万円の補助を受けて、安全対策を進めることができます。この記事では、2025年度(令和7年度)の補助金について、対象となる条件、補助金額の計算方法、申請の具体的なステップ、そして採択されるためのポイントまで、誰にでも分かりやすく徹底的に解説します。大切な命と財産を守るため、この機会を逃さず、補助金を活用した安全対策を検討しましょう。

2025年度「新潟市危険ブロック塀等撤去工事補助金」の概要

まずは、この補助金制度がどのようなものなのか、基本的な情報を確認しましょう。

制度の目的:地震による倒壊被害を未然に防ぐ

この補助制度は、地震発生時にブロック塀等が倒壊することによる人的被害や、避難・救助活動の妨げとなる事態を未然に防止することを目的としています。市民の安全・安心な暮らしを守るための重要な事業です。

対象となる「ブロック塀等」とは?

補助金の対象となる「ブロック塀等」は、以下のようなものを指します。

  • コンクリートブロック造の塀
  • レンガ造の塀
  • 大谷石等の組積造の塀
  • その他これらに類する塀及び門柱

実施組織と問い合わせ先

この制度は新潟市が実施しています。申請や相談は以下の窓口で行っています。

  • 担当部署: 新潟市 建築部 建築行政課 建築行政係
  • 住所: 〒951-8554 新潟市中央区古町通7番町1010番地(古町ルフル6階)
  • 電話番号: 025-226-2841(住宅の耐震化に関すること)
  • メールアドレス: kenchiku@city.niigata.lg.jp

補助金額と補助率はいくら?計算方法を解説

最も気になる補助金額について、詳しく見ていきましょう。計算方法が少し複雑なので、具体例を交えて解説します。

補助金額は最大15万円!

補助金の上限額は15万円です。補助率は対象経費の2分の1以内と定められています。

補助金額の計算方法

補助金額は、以下のAとBを比較して、いずれか少ない方の金額の1/2となります(上限15万円)。

項目 内容
A:実際の工事費 撤去工事に要する費用(消費税および地方消費税相当額を除く)。
※基礎・擁壁の撤去費用は含まれません。
B:基準額 撤去するブロック塀等の長さに、1メートル当たり17,400円を乗じた額。

※算出された額に1,000円未満の端数がある場合は切り捨てられます。

具体的な計算例

【例1】撤去工事費(税抜)が40万円、撤去する塀の長さが15mの場合

  • A(実際の工事費):400,000円
  • B(基準額):15m × 17,400円 = 261,000円
  • AとBを比較すると、Bの261,000円の方が少ないため、こちらを基準に計算します。
  • 補助金額:261,000円 × 1/2 = 130,500円
  • 1,000円未満の端数を切り捨てて、補助金額は130,000円となります。

【例2】撤去工事費(税抜)が60万円、撤去する塀の長さが20mの場合

  • A(実際の工事費):600,000円
  • B(基準額):20m × 17,400円 = 348,000円
  • AとBを比較すると、Bの348,000円の方が少ないため、こちらを基準に計算します。
  • 補助金額:348,000円 × 1/2 = 174,000円
  • 上限が15万円のため、補助金額は150,000円となります。

あなたは対象?補助金の対象者と条件をチェック

補助金を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。ご自身の状況が当てはまるか確認してみましょう。

補助対象となる方

新潟市内に補助対象となる危険なブロック塀等を所有している個人または法人が対象です。

補助対象となるブロック塀の条件

  • 高さが1メートル以上であること。
  • 道路等または避難地等に接していること。(通学路や不特定多数が通行する道、公園、避難所など。私道も含まれます。)
  • 点検の結果、倒壊等の危険性があると判断されること。

補助対象となる工事

  • 既存のブロック塀等の全部を解体・撤去する工事。
  • ブロック塀等が接する道路からの高さを1メートル未満にする工事。
  • 擁壁の上にブロック塀がある場合は、擁壁(基礎)を含めて道路面からの高さを1メートル未満にする工事。

【最重要注意点】補助対象外となるケース
絶対に注意していただきたいのが、補助金の交付決定通知を受け取る前に工事に着手(契約含む)してしまった場合です。この場合、いかなる理由があっても補助金は受け取れません。必ず、市からの「交付決定通知書」が手元に届いてから、工事業者と契約し、工事を開始してください。

申請から補助金受け取りまでの全ステップ

ここでは、申請準備から補助金が振り込まれるまでの流れを、ステップごとに詳しく解説します。

STEP1: 申請期間の確認

令和7年度の申請受付期間は以下の通りです。

令和7年4月14日(月)~ 令和7年11月14日(金)

この補助金は予算の上限に達した場合、期間内であっても受付を終了します。検討している方は、できるだけ早く準備を進め、申請することをおすすめします。

STEP2: 申請に必要な書類を準備する

申請には以下の書類が必要です。施工業者に作成を依頼する書類も含まれるため、早めに相談しましょう。

  • (1) 補助金交付申請書(別記様式第1号)
  • (2) 撤去前のカラー写真
  • (3) 工事費の内訳証明書(別記様式第1号の2)※施工予定業者が記載
  • (4) 案内図(撤去場所がわかる地図)
  • (5) 配置図(敷地内の位置、施工範囲、延長がわかる図面)
  • (6) ブロック塀等点検表(別記様式第13号)※施工予定業者が記載
  • (7) 【法人の場合】新潟市制度用の納税証明書
  • (8) 【法人の場合】暴力団等の排除に関する誓約書兼同意書(別記様式第1号の3)

申請様式は新潟市の公式サイトからダウンロードできます。

STEP3: 申請書類の提出

書類が揃ったら、以下のいずれかの方法で提出します。

  • 窓口持参: 新潟市役所 建築行政課 建築行政係窓口(古町ルフル6階)
  • 郵送: 〒951-8554 新潟市中央区古町通7番町1010番地 建築行政課 宛
  • メール: kenchiku@city.niigata.lg.jp (件名を「ブロック塀補助金」とし、全書類を1つのPDFにまとめて送付)

STEP4: 交付決定通知を受け取る

申請内容が審査され、適正と認められると市から「補助金交付決定通知書」が郵送されます。この通知書が届いて初めて、工事を開始できます。

STEP5: 撤去工事の実施

交付決定の内容に従って、撤去工事を実施します。工事完了後は、実績報告の準備を進めます。

STEP6: 実績報告書の提出

工事が完了したら、実績報告書を提出します。提出は窓口のみとなりますのでご注意ください。

  • (1) 補助事業実績報告書(別記様式第3号)
  • (2) 撤去後のカラー写真(建替えの場合は、新しい塀等を設置する前に撮影)
  • (3) 撤去工事費用の領収書の写し(※振込明細書等は不可)
  • (4) (3)の内訳を明記した工事費の内訳証明書(施工業者が記載)

STEP7: 補助金の確定と振り込み

実績報告書の内容が審査され、問題がなければ市から「補助金交付額確定通知書」が届きます。その後、申請時に指定した口座に補助金が振り込まれます。

採択率アップ!申請を成功させる3つのポイント

この補助金は要件を満たせば採択されやすいですが、予算には限りがあります。確実に補助金を受け取るために、以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:とにかく早めに申請する!

最も重要なポイントです。この補助金は先着順で、予算がなくなり次第終了となります。受付開始後、早めに申請できるよう、事前に施工業者と相談し、見積もりや必要書類の準備を進めておくことが成功の鍵です。

ポイント2:絶対に「事前着工」しない

繰り返しになりますが、これは絶対的なルールです。「交付決定通知書」が届く前に、工事の契約や着手をしてしまうと、補助金は一切受け取れません。焦らず、市の通知を待ってから行動しましょう。

ポイント3:信頼できる施工業者に相談する

申請には「工事費の内訳証明書」や「ブロック塀等点検表」など、専門家である施工業者の協力が不可欠です。補助金の申請サポート実績が豊富な業者に依頼すると、書類作成がスムーズに進み、手続きの負担を軽減できます。複数の業者から見積もりを取り、対応を比較検討するのも良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. どの工事業者に頼めばいいですか?市内の業者でないとダメですか?

A1. 新潟市のこの制度では、施工業者の所在地に関する要件はありません。市外の業者でも対象となります。ただし、補助金申請の手続きに慣れている業者を選ぶと、書類作成などがスムーズに進むためおすすめです。

Q2. 申請前に工事を始めてしまいました。今から申請できますか?

A2. いいえ、できません。補助金の交付決定前に着手した工事は、いかなる理由があっても補助対象外となります。必ず交付決定通知を受け取ってから工事を開始してください。

Q3. 擁壁の上にあるブロック塀も対象になりますか?

A3. はい、対象になります。その場合、擁壁(基礎)を含めて道路面からの高さを1メートル未満にする工事が補助対象となります。詳しくは市の担当課にご確認ください。

Q4. 撤去後に新しいフェンスを設置する費用も補助対象ですか?

A4. いいえ、対象外です。この補助金は、あくまで危険なブロック塀等の「撤去」に関する費用が対象です。新しい塀やフェンスの設置費用は自己負担となります。

Q5. 申請は誰でもできますか?代理申請は可能ですか?

A5. 申請はブロック塀の所有者または管理者が行うのが原則です。ただし、書類作成などで施工業者がサポート(代行)してくれるケースも多くあります。手続きに不安がある場合は、依頼する業者に代理申請が可能か相談してみることをお勧めします。

まとめ:安全な街づくりのために、今すぐ行動を

今回は、新潟市の「危険ブロック塀等撤去工事補助金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをもう一度おさらいします。

  • ✅ 新潟市内の危険なブロック塀の撤去が対象
  • ✅ 補助額は工事費の1/2、上限15万円
  • ✅ 申請期間は令和7年4月14日~11月14日まで
  • 予算がなくなり次第終了なので早めの行動が鍵!
  • 交付決定前の事前着工は絶対にNG!

自宅のブロック塀に少しでも不安を感じる方は、この絶好の機会を活かして、安全対策を講じましょう。まずはご自身のブロック塀が補助金の対象になるかを確認し、信頼できる施工業者に見積もりを依頼することから始めてみてください。あなたの一歩が、家族と地域の安全を守ります。