令和7年度 東京都中小企業制度融資とは?
「東京都中小企業制度融資」は、都内の中小企業のみなさまが事業に必要な資金を円滑に調達できるよう、東京都、東京信用保証協会、取扱指定金融機関の三者が協調して資金を供給する制度です。政策課題への対応から経営の安定化まで、幅広いニーズに応える多様な融資メニューが用意されています。
この制度の3つの大きなメリット
- 多様なメニュー: HTT・女性活躍・DX推進、創業、事業転換など、企業の状況に合わせた最適な融資を選べます。
- 負担軽減措置: 融資と併せて、信用保証料の補助や利率の優遇を受けられるメニューが豊富です。
- 経営者保証: 一定の要件のもと、信用保証料の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択可能です。
【令和7年度】主な新規・拡充ポイント
令和7年度は、社会経済情勢の変化に対応し、中小企業の挑戦をさらに強力に後押しするため、以下の点が拡充されています。
- 政策課題対応資金の拡充: DX認定取得企業やパートナーシップ構築宣言企業、えるぼし認定取得企業などが新たに対象に追加され、DX・女性活躍・働き方改革への取組を一層支援します。
- スタートアップ支援の拡充: 既存の「創業融資」を利用している事業者も「スタートアップ支援」の対象となり、成長期の資金調達をサポートします。
- 海外展開支援の拡充: 融資期間が10年から15年に延長され、より長期的な視点での海外進出が可能になります。
- 経営一般融資の拡充: 営業利益率が減少した企業も対象となり、融資限度額も2億8千万円に引き上げられ、経営の安定化を支えます。
主要な融資メニューと対象者
本制度には多くのメニューがありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
政策課題対応資金
東京都が推進する政策課題に取り組む企業を支援するメニューです。金利優遇や保証料補助が手厚いのが特徴です。
融資メニュー | 対象となる方(例) |
---|---|
DX・イノベ・産業育成支援 | 国の「DX認定」取得、パートナーシップ構築宣言、都のDX関連助成金利用者など |
女性活躍推進 | 国の「えるぼし認定」取得、育業関連の奨励金利用者など |
働き方改革支援 | 賃上げ実施企業、テレワーク導入企業、「時差Biz」参加企業など |
HTT・ゼロエミッション支援 | 省エネ設備導入、再エネ活用、「HTT取組推進宣言企業」登録企業など |
新たな事業展開資金
創業やスタートアップ、事業承継やM&Aなど、企業の新たなステージへの挑戦をサポートします。
融資メニュー | 対象となる方(例) |
---|---|
創業融資 | 都内で創業予定の個人、創業後5年未満の事業者など |
スタートアップ支援 | 都のスタートアップ関連支援事業の採択者、創業融資利用者など |
事業承継・M&A促進 | 10年以内に事業承継を予定、事業承継後5年未満、M&Aに取り組む事業者など |
融資の基本条件
融資の条件はメニューによって異なりますが、主な共通項目は以下の通りです。
融資限度額 | 最大 2億8,000万円(メニューにより異なります) |
融資期間 | 最長 15年以内(据置期間含む。メニューにより異なります) |
融資利率 | 年1.45%~(メニューや期間、特例適用により変動します) |
信用保証料補助 | メニューに応じて保証料の1/2、2/3、4/5などを補助 |
担保・保証人 | 原則として8,000万円以下は無担保。経営者保証は一定の要件下で不要とする選択が可能です。 |
申請から融資までの流れ
申請は、お近くの取扱指定金融機関の窓口で行います。基本的な流れは以下の通りです。
- ご相談: まずは取扱指定金融機関や東京都の相談窓口に相談します。
- お申込み: 必要書類を揃え、取扱指定金融機関の窓口で融資を申し込みます。
- 審査: 金融機関および東京信用保証協会による審査が行われます。
- 融資実行: 審査に通ると、融資が実行されます。
注意点
利用するには、東京都内に事業所があること、事業税等を滞納していないことなどの基本要件を満たす必要があります。また、各融資メニューには個別の要件が定められていますので、詳細は必ず公式サイトやパンフレットでご確認ください。
まとめ
東京都中小企業制度融資は、都内の中小企業にとって非常に心強い資金調達の選択肢です。特に、DX、女性活躍、脱炭素(HTT)、スタートアップ支援といった政策課題に取り組む企業には、手厚い優遇措置が用意されています。自社の事業展開に合わせて最適なメニューを選択し、事業成長の加速にぜひご活用ください。