東京都中小企業制度融資とは?
「東京都中小企業制度融資」は、東京都内の中小企業や個人事業主の皆様が事業に必要な資金を円滑に調達できるよう、東京都、東京信用保証協会、金融機関の三者が協調して提供する融資制度です。低金利での資金調達が可能で、多様な経営ニーズに対応する豊富なメニューが用意されています。
令和7年度の主なポイント・拡充内容
令和7年度は、中小企業の様々な取り組みを資金面からさらに強力に支援するため、制度が拡充されました。特に注目すべきポイントをご紹介します。
🚀 注目ポイント
- 政策課題対応資金の拡充: DX推進、女性活躍、働き方改革(賃上げ等)に関する対象事業が大幅に追加されました。
- スタートアップ支援の強化: 創業融資を利用している事業者も対象となり、創業期の資金調達を強力にバックアップします。
- 海外展開支援の拡充: 融資期間が10年から15年に延長され、グローバルな事業展開を長期的に支援します。
- 経営者保証なしの選択肢: 国の制度に対応し、一定の要件下で経営者保証を提供しない選択が可能になりました。
融資の基本情報
制度の基本的な条件をまとめました。詳細は各メニューによって異なりますので、必ず公式サイトでご確認ください。
項目 | 内容 |
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融資限度額 | 最大 2億8,000万円(メニューにより異なる) |
融資期間 | 最長 15年以内(据置期間含む) |
融資利率 | メニューに応じた低金利設定(例: 年1.45%以内~)。特例適用でさらに優遇あり。 |
信用保証料補助 | 東京都が信用保証料の一部を補助。最大で費用の2/3や4/5を補助するメニューもあります。 |
保証人・担保 | 原則として法人代表者以外の連帯保証人は不要。一定の要件で経営者保証自体を不要にすることも可能。8,000万円以下の融資は原則無担保。 |
主な融資メニューと対象者
本制度には、企業の状況や目的に合わせた多様な融資メニューがあります。ここでは代表的なものをカテゴリ別にご紹介します。
1. 政策課題対応資金
東京都が推進する政策課題に取り組む企業を支援するメニューです。特に手厚い支援が受けられます。
- DX・イノベ・産業育成支援: DX認定の取得、パートナーシップ構築宣言、各種DX関連助成金の利用などが対象。
- 女性活躍推進融資: 「えるぼし認定」の取得や育業関連事業の利用などが対象。利率が特に優遇されます。
- 働き方改革支援: テレワーク導入、賃上げへの取り組み、時差Bizへの参加などが対象。
- HTT・ゼロエミッション支援: 省エネ設備導入、ZEV導入、再生可能エネルギー活用など、脱炭素化への取り組みが対象。
2. 新たな事業展開資金
創業や新たな挑戦をサポートするメニューです。
- 創業融資: 創業予定者や創業後5年未満の事業者が対象。経営者保証が不要なタイプもあります。
- スタートアップ支援: 都の各種スタートアップ支援事業の採択者などが対象。
- 事業承継・M&A促進融資: 事業承継やM&Aに必要な資金を支援します。
3. 経営の安定化資金
経営基盤の強化や、予期せぬ事態への備えを支援します。
- 経営安定融資: セーフティネット保証の認定を受けた方や、売上減少、原油価格高騰などの影響を受けている方が対象。
- 事業再構築・業態転換等支援融資: 事業転換や業態転換、国の事業再構築補助金のつなぎ資金などに活用できます。
- エネルギー・ウクライナ情勢・円安等対応緊急融資: 様々な経営悪化要因に対応するための緊急的な資金繰りを支援します。
申請から融資までの流れ
制度融資を利用するための基本的なステップは以下の通りです。
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Step 1: 取扱金融機関への相談
まずは、取引のある金融機関、または最寄りの取扱指定金融機関の融資窓口にご相談ください。
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Step 2: 融資の申込み
必要書類を揃えて、金融機関に融資を申し込みます。金融機関は申込内容を検討します。
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Step 3: 信用保証の申込み
金融機関を通じて、東京信用保証協会へ信用保証を申し込みます。
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Step 4: 審査・保証承諾
東京信用保証協会が審査を行い、保証を承諾すると「信用保証書」が金融機関に発行されます。
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Step 5: 融資実行
金融機関から事業資金が融資されます。
まとめ
東京都中小企業制度融資は、都内事業者の力強い味方です。特に令和7年度は、DXや女性活躍、脱炭素といった現代的な経営課題に対応したメニューが拡充され、これまで以上に活用しやすくなっています。低金利や信用保証料の補助といったメリットを最大限に活用し、事業の成長・安定化にお役立てください。
まずは公式サイトで詳細を確認し、お近くの金融機関へご相談ください。