詳細情報
山形県河北町で農業を営む方、そして町内で事業を展開する中小企業の皆様へ朗報です。河北町産の豊かな農産物を活用し、新たな商品を開発しませんか？「河北町農商工連携促進事業費補助金」は、農業者と商工業者がタッグを組んで行う新商品開発や販路開拓の取り組みを最大50万円まで支援する制度です。この補助金を活用すれば、試作品開発のコストを抑え、魅力的なパッケージデザインを専門家に依頼するなど、事業の可能性を大きく広げることができます。この記事では、補助金の概要から対象経費、申請方法、そして採択されるための重要なポイントまで、専門家が徹底的に解説します。あなたのアイデアをビジネスチャンスに変える第一歩を、ここから踏み出しましょう。
この補助金のポイント
- 河北町内の農業者と商工業者の連携が必須
- 町産農産物を活用した新商品開発や販路開拓が対象
- 補助対象経費の2分の1、最大50万円を補助
- 試作品開発の原材料費やデザイン委託料なども対象
① 河北町農商工連携促進事業費補助金の概要
まずは、この補助金がどのような制度なのか、基本的な情報を確認しましょう。制度の目的や背景を理解することは、申請書作成においても非常に重要です。
正式名称と実施組織
- 正式名称：河北町農商工連携促進事業費補助金
- 実施組織：山形県河北町
目的・背景
この補助金は、河北町の基幹産業である農業と、商業・工業が連携（農商工連携）することで、新たな価値を創出することを目的としています。具体的には、町内で生産された農産物を活用して、加工品などの新商品を開発・販売する取り組みを支援します。これにより、農産物の付加価値向上、農業者の所得向上、そして地域経済全体の活性化を目指しています。いわゆる「6次産業化」の取り組みを町として後押しする制度です。
② 補助金額・補助率
事業計画を立てる上で最も気になるのが、いくら補助されるのかという点です。補助金額と補助率について詳しく見ていきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
| 補助上限額 | 50万円 |
計算例
具体的なイメージを掴むために、計算例を見てみましょう。
- 例1：補助対象経費の総額が80万円の場合
80万円 × 1/2 = 40万円
→ 補助金額は40万円となります。（自己負担額：40万円） - 例2：補助対象経費の総額が120万円の場合
120万円 × 1/2 = 60万円
→ 上限額が50万円のため、補助金額は50万円となります。（自己負担額：70万円）
注意点：補助金は、事業完了後に提出する実績報告書の内容を検査した上で支払われる「精算払い」が基本です。事業実施期間中は自己資金等で立て替える必要がありますので、資金計画には注意しましょう。
③ 対象者・条件
この補助金は誰でも申請できるわけではありません。最も重要なポイントは「連携体」であることです。詳細な要件を確認し、ご自身が対象となるかチェックしてください。
対象となる連携体
以下の2者で構成される「連携体」が対象となります。
- 河北町内に事業所を有する中小企業者等
- 河北町内の農業者（個人・法人問わず）
連携体の具体例
- 町内のイタリア野菜農家 ＋ 町内のレストラン
- 町内のさくらんぼ農家 ＋ 町内の菓子製造業者
- 町内の米農家 ＋ 町内の酒造メーカー
- 複数の農家グループ ＋ 町内の食品加工会社
その他の主な要件
上記のほか、以下の要件を満たす必要があります。
- 連携体の構成員が、町税等を滞納していないこと。
- 事業計画について、連携体の構成員間で明確な役割分担がなされていること。
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団又は暴力団員と関係を有していないこと。
④ 補助対象経費
どのような費用が補助の対象になるのでしょうか。対象経費を正しく理解し、事業計画に盛り込むことが重要です。ここでは、対象となる経費とならない経費の具体例を挙げます。
対象となる経費の例
- 報償費・謝金：新商品開発に関する専門家への謝礼など
- 旅費：先進地視察や展示会出展のための交通費・宿泊費など
- 消耗品費：試作品開発に必要な調理器具や事務用品など
- 原材料費：試作品開発に使用する町産農産物やその他の材料費
- 印刷製本費：商品パンフレットやチラシの印刷費用
- 通信運搬費：開発した商品のサンプル発送費用など
- 委託料：パッケージデザイン、成分分析、市場調査などの外部委託費用
- 使用料及び賃借料：展示会出展のブース代、開発用機器のレンタル料など
- 備品購入費：商品開発に直接必要な専用の小型機械など（※汎用性の高いものは対象外）
対象とならない経費の例
- 連携体構成員の人件費、光熱水費などの経常的な経費
- パソコン、プリンター、自動車など汎用性が高く、他の目的にも使用できる物品の購入費
- 土地の取得費や造成費
- 飲食・接待費
- 消費税及び地方消費税
⑤ 申請方法・手順
補助金を受け取るまでの流れをステップごとに解説します。計画的に準備を進めましょう。
- 事前相談：まずは河北町役場 農林振興課に事業内容を相談しましょう。計画が補助金の趣旨に合っているか確認できます。
- 連携体の構築：パートナーとなる農業者または商工業者を見つけ、連携協定などを結びます。
- 事業計画の策定：開発する商品、販売戦略、収支計画などを具体的にまとめた事業計画書を作成します。
- 申請書類の提出：必要書類を揃えて、農林振興課の窓口に提出します。
- 審査・交付決定：提出された書類をもとに審査が行われ、採択されると「交付決定通知書」が届きます。事業の開始は必ずこの通知書を受け取ってからにしてください。
- 事業実施：事業計画に沿って、新商品開発や販路開拓活動を行います。経費の支払いを証明する領収書等はすべて保管してください。
- 実績報告：事業が完了したら、定められた期間内に実績報告書と経費の証拠書類を提出します。
- 検査・金額確定：提出された報告書の内容が検査され、補助金額が確定します。
- 補助金の請求・受領：確定した金額を町に請求し、指定の口座に補助金が振り込まれます。
申請期間
例年、4月1日から受付が開始され、予算がなくなり次第終了となります。人気の補助金は早期に締め切られる可能性があるため、早めの準備と申請をおすすめします。最新の情報は必ず河北町の公式サイトでご確認ください。
必要書類リスト
申請には以下の書類が必要となる見込みです。様式は河北町の公式サイトからダウンロードできる場合があります。
- 交付申請書
- 事業計画書
- 収支予算書
- 連携体の構成員名簿及び規約等
- 連携体の構成員の概要がわかる書類（定款、パンフレット等）
- 町税等の納税証明書
- その他町長が必要と認める書類
⑥ 採択のポイント
予算には限りがあるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。審査で高く評価されるためのポイントを解説します。
事業計画書で審査員に伝えるべき5つのこと
- 河北町らしさ（地域貢献性）：なぜ河北町の農産物を使う必要があるのか。事業が町のPRや地域経済にどう貢献するのかを具体的に示しましょう。
- 新規性・独創性：既存の商品との違いは何か。市場にない新しい価値を提供できるか。ターゲット顧客に響く独自性をアピールします。
- 実現可能性：計画は絵に描いた餅ではないか。連携体の役割分担は明確か。資金計画や生産体制に無理がないか、現実的な計画であることを示します。
- 市場性・将来性：誰に、どこで、どのように売るのか。ターゲット市場の規模や成長性はどうか。補助金終了後も事業が継続し、成長していくビジョンを明確に描きましょう。
- 連携の強み：なぜこのパートナーと組む必要があるのか。1+1が2以上になる相乗効果を具体的に説明します。お互いの強みをどう活かすのかが重要です。
よくある不採択理由
- 事業の目的が曖昧で、何をしたいのかが伝わらない。
- 連携のメリットや役割分担が不明確。
- 市場調査が不十分で、販売計画に具体性がない。
- 補助対象外の経費が多く計上されている。
- 単なる設備投資が目的になっており、農商工連携の趣旨から外れている。
⑦ よくある質問（FAQ）
ここでは、申請を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
A1. いいえ、できません。この補助金は「農商工連携」を促進するための制度ですので、必ず河北町内の商工業者（法人または個人事業主）と連携体を組んで申請する必要があります。
A2. 補助金は、事業がすべて完了し、実績報告書を提出した後、町による検査を経てから支払われます（精算払い）。事業期間中の資金は自己資金で賄う必要がありますので、ご注意ください。
A3. はい、まずは農林振興課にご相談ください。直接的な紹介は難しい場合もありますが、町の商工会など関係機関と連携して、パートナー探しのヒントやアドバイスをもらえる可能性があります。
A4. いいえ、対象になりません。補助対象となるのは、原則として町の「交付決定通知書」を受け取った日以降に契約・発注し、事業期間内に支払いが完了した経費のみです。フライングには十分ご注意ください。
A5. はい、多くの補助金では事業終了後、数年間にわたって事業の状況報告（事業化状況報告）を求められます。開発した商品がどれだけ売れたか、事業が地域にどのような効果をもたらしたかを報告する必要があります。詳細は交付要綱をご確認ください。
⑧ まとめ・お問い合わせ先
「河北町農商工連携促進事業費補助金」は、町の農業と商工業の未来を創る、非常に価値のある制度です。最大50万円の支援を活用し、河北町の魅力を詰め込んだ新商品を世に送り出しましょう。
成功へのアクションプラン
- アイデアを練る：河北町のどの農産物で、どんな商品を作りたいか具体的に考えましょう。
- パートナーを探す：アイデアを実現できる最高のパートナーを見つけましょう。
- 役場に相談する：計画の骨子が固まったら、すぐに農林振興課へ相談に行きましょう。
この記事が、皆様の新たな挑戦のきっかけとなれば幸いです。
この記事に関するお問い合わせ先
河北町役場 農林振興課 農業振興係
電話番号：0237-73-2111(代表) 内線：351～354
ファックス番号：0237-72-7333
公式サイト：河北町農商工連携促進事業費補助金ページ
