詳細情報
福岡県内で魅力的なバスツアーを企画・催行している、またはこれから計画したい旅行会社の皆様に朗報です。福岡県では、県内への送客を促進し、観光をさらに盛り上げるため、貸切バスを利用した旅行商品「よかバス」の造成・催行を支援する「令和7年度 福岡県内送客促進のための旅行商品造成・催行支援事業費補助金」を実施します。この制度を活用すれば、貸切バス1台あたり最大10万円という手厚い支援を受けることが可能です。この記事では、福岡県の「よかバス」補助金について、対象者や条件、補助金額、申請方法から採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。新たなツアー造成の強力な後押しとなるこの機会を、ぜひ最大限にご活用ください。
この補助金のポイント
- 福岡県内の旅行会社(県内に支店があればOK)が対象
- 貸切バスを利用した福岡県内周遊ツアー「よかバス」の造成・催行を支援
- 日帰りツアーで最大10万円/台、宿泊ツアーなら10万円/台の定額補助
- 申請は令和7年4月1日から開始、予算がなくなり次第終了のため早めの準備が鍵
- オンライン(メール)での申請も可能で手続きがスムーズ
補助金の概要
まずは、本補助金の全体像を把握しましょう。どのような目的で、誰が実施している制度なのかを理解することが、申請への第一歩です。
| 正式名称 | 令和7年度 福岡県内送客促進のための旅行商品造成・催行支援事業費補助金 |
|---|---|
| 実施組織 | 福岡県(商工部観光局観光振興課) |
| 目的・背景 | 福岡県への更なる誘客促進や観光消費の拡大、県内周遊の促進を図るため、県内の旅行会社が造成・催行する福岡県内を巡る貸切バスを利用した旅行商品「よかバス」の経費の一部を支援する。 |
| 公募期間 | 令和7年4月1日〜 ※予算がなくなり次第、募集を終了します。 |
「よかバス」とは?
この補助金の核となるのが「よかバス」です。補助対象となるためには、企画するツアーが以下の3つの定義をすべて満たす必要があります。
- ① 貸切バスを利用: 乗車定員11名以上の貸切バスを利用した旅行商品であること。
- ② 福岡県内完結型: 福岡県内のみを目的地とし、発着地も福岡県内。県外の行程を含まない「募集型企画旅行商品」であること。
- ③ 専用サイトへ掲載: 福岡県が運営する県内周遊バスツアー閲覧・検索専用サイト「よかバス」に商品情報を掲載すること。
つまり、福岡の魅力を凝縮し、福岡県内で発着・周遊する貸切バスツアーを企画し、県の公式サイトでPRすることが「よかバス」の条件となります。
補助金額・補助率
本補助金は、経費の何割かを補助する「補助率」タイプではなく、条件を満たしたバスツアー1台の催行ごとに決まった額が支給される「定額補助」です。これにより、予算計画が立てやすいという大きなメリットがあります。
| 旅行商品の種類 | 補助金額(貸切バス1台あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 日帰り旅行商品 | 50,000円 | 基本的な日帰りツアーが対象です。 |
| 日帰り旅行商品(特定条件) | 100,000円 | 催行保証を付け、出発日直前まで募集を行うなど、知事が指定する条件を満たす場合。 |
| 宿泊旅行商品 | 100,000円 | 県内での宿泊を伴うツアーが対象です。 |
計算例
例えば、以下のようなツアーを企画・催行した場合、補助金額は次のようになります。
- 例1: 宿泊付きのツアーをバス3台で催行した場合
100,000円 × 3台 = 300,000円の補助 - 例2: 通常の日帰りツアーをバス2台、催行保証付きの日帰りツアーをバス1台で催行した場合
(50,000円 × 2台) + (100,000円 × 1台) = 200,000円の補助
対象者・条件
補助金を受け取るためには、事業者と事業(ツアー内容)の両方が定められた要件を満たす必要があります。ここでは詳細を一つずつ確認していきましょう。
対象となる事業者
以下の条件を満たす事業者が対象です。
- 旅行業法(昭和27年法律第239号)第3条の規定に基づく登録を受けていること。
- 福岡県内に本社または支店がある事業者であること。
- 暴力団等との関係がないこと。
重要なのは、福岡県内に拠点があることです。県外の事業者であっても、福岡県内に支店や営業所があれば対象となります。
対象となる事業(ツアーの条件)
造成するバスツアーは、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 催行期間: 令和7年4月1日から令和8年3月31日までに催行されること。
- 行程要件: 以下のいずれかを満たすこと(車窓見学やトイレ休憩のみは不可)。
- 県が指定する観光エリア内の観光施設・素材を2つ以上含む。
- 県が指定する「古代日本の『西の都』」関連の観光施設・素材を3つ以上含む。
- 募集方法: パンフレット等を作成、またはホームページに掲載し、インターネット上で予約受付を行うこと。
- 催行人数: 参加者が15名以上であること(催行保証付きツアーや座席数限定の高品質ツアーなど、一部例外あり)。
- 目的: 宗教活動や政治活動を目的とした旅行でないこと。
行程要件の対象となる観光施設リストは、福岡県の公式サイトで公開されています。ツアー企画の際は必ず最新のリストを確認してください。
補助対象経費
本補助金は、特定の経費項目(例:バス借上料、広告費など)を積み上げて申請する「経費精算型」ではありません。前述の通り、要件を満たすバスツアーの催行自体を支援する「定額補助」です。
そのため、「補助対象経費」という厳密な区分はありませんが、受け取った補助金は実質的に以下のようなツアー催行にかかる費用に充当することができます。
- 貸切バスのチャーター費用
- 添乗員や運転手の人件費
- ツアー企画・造成にかかる費用
- パンフレット作成やウェブ広告などの広告宣伝費
- 宿泊施設や観光施設の利用料
- その他、ツアー催行に必要な諸経費
補助金の使途に関する詳細な報告は求められませんが、事業全体の収支は明確にしておく必要があります。
申請方法・手順
申請から補助金受領までの流れは、大きく分けて「①交付申請」「②事業実施」「③実績報告」「④補助金交付」の4ステップです。スケジュールをしっかり管理し、計画的に進めましょう。
ステップ1:補助金交付申請
造成したツアーの催行前に、補助金の交付申請を行います。
- 提出期限: 申請対象となる旅行商品の最初の出発日まで
- 提出書類:
- 補助金交付申請書
- 申請内訳書
- ツアー行程表
- パンフレット等案内書面案、ホームページ掲載案
- 提出方法: 電子メール または 郵送(押印不要)
申請内容が審査され、適当と認められると「交付決定通知書」が届きます。この通知を受けてから、正式に補助事業が開始となります。
ステップ2:事業の実施(ツアー催行)
交付決定後、申請した内容に沿ってツアーの募集・催行を行います。もし、催行中止や内容の大きな変更がある場合は、速やかに変更承認申請書等を提出する必要があります。
ステップ3:実績報告
申請したすべてのツアーが完了したら、実績報告を行います。
- 提出期限: 補助事業完了の日から30日以内、または令和8年3月31日のいずれか早い日まで
- 提出書類:
- 実績報告書
- 実績内訳書
- 旅行の最終行程表
- 運行バス会社発行の請求書又は領収書等(自社バスの場合は運転日誌等)
- 宿泊旅行の場合は、宿泊施設発行の請求書又は領収書等
ステップ4:補助金の額の確定・交付
実績報告書が審査され、内容に問題がなければ補助金額が確定し、「補助金等確定通知書」が届きます。その後、請求書を提出することで、指定の口座に補助金が振り込まれます。原則は事業完了後の精算払いですが、必要に応じて概算払いが認められる場合もあります。
採択のポイント
この補助金は要件を満たせば比較的採択されやすい制度ですが、予算には限りがあります。確実に採択されるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- とにかく早く申請する: 予算がなくなり次第終了となるため、公募開始後、できるだけ早い段階で申請することが最も重要です。ツアー企画が固まり次第、速やかに書類準備に取り掛かりましょう。
- 公募要綱を隅々まで読み込む: 「よかバス」の定義、行程要件、対象者条件など、すべての要件を満たしているか、交付要綱と自社の企画を何度も照らし合わせて確認してください。特に指定観光施設リストの見落としには注意が必要です。
- 書類の不備をなくす: 申請書や内訳書の記入漏れ、添付書類の不足は審査の遅れや不採択の原因になります。提出前に複数人でダブルチェックする体制を整えましょう。
- 県の目的に沿った魅力的な企画を立てる: 補助金の目的は「県内への送客促進」と「周遊促進」です。これまであまり知られていなかった観光素材を組み合わせる、特定のテーマ(例:「古代日本の『西の都』」)を深掘りするなど、県の観光振興に貢献するような魅力的なツアーを企画することが、間接的に採択の可能性を高めます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 福岡県外に本社がある旅行会社ですが、申請できますか?
A1. はい、福岡県内に支店や営業所があれば申請対象となります。申請手続きは、その福岡県内の拠点名で行う必要があります。
Q2. 募集した結果、参加者が15名未満になってしまった場合、補助金はもらえませんか?
A2. 原則として、参加者15名以上が条件となります。ただし、「催行保証を付した旅行商品」や「座席数限定の高品質商品」など、知事が指定するものはこの限りではありません。もし15名に満たない可能性がある場合は、事前に県の担当課に相談することをおすすめします。催行中止となった場合は、補助対象外となりますので、事業中止の届出が必要です。
Q3. 複数のツアーをまとめて一度に申請することは可能ですか?
A3. はい、可能です。申請内訳書に、対象となる複数のツアー(催行日、コース名、バス台数など)をまとめて記載して申請することができます。実績報告も、申請したすべてのツアーが完了した後にまとめて行います。
Q4. 補助金はいつもらえますか?
A4. 原則として、すべてのツアーが完了し、実績報告書を提出して審査を受けた後、請求書に基づいて支払われる「精算払い」となります。ただし、交付要綱には「知事が必要と認めた時は、概算払をすることができる」との記載もありますので、資金繰り等で相談が必要な場合は、県の担当課にお問い合わせください。
Q5. 申請期限が「最初の出発日まで」とありますが、ギリギリでも大丈夫ですか?
A5. 期限上は問題ありませんが、絶対に避けるべきです。第一に、予算が尽きていれば申請できません。第二に、申請内容の審査と交付決定までに時間がかかります。交付決定前に発生した経費は補助対象とならないリスクがあるため、ツアー催行の少なくとも数週間〜1ヶ月前には申請を完了させておくのが理想的です。
まとめ・行動喚起
今回は、福岡県が実施する「福岡県内送客促進のための旅行商品造成・催行支援事業費補助金(よかバス補助金)」について詳しく解説しました。
重要ポイントの再確認
- 対象: 福岡県内に拠点を持つ旅行会社
- 内容: 福岡県内完結型の貸切バスツアー「よかバス」の造成・催行
- 金額: バス1台あたり最大10万円の定額補助
- 期間: 令和7年4月1日〜(予算がなくなり次第終了)
- アクション: 早急にツアーを企画し、公募開始と同時に申請できるよう準備を進める!
この補助金は、福岡県の新たな観光の魅力を発掘し、旅行者に届ける絶好のチャンスです。補助金を活用することで、価格競争力を高めたり、より付加価値の高いツアーを造成したりと、事業展開の幅が大きく広がります。まずは福岡県の公式サイトで最新の交付要綱や対象観光施設リストを確認し、魅力的な「よかバス」の企画をスタートさせましょう。
ご不明な点があれば、下記の問い合わせ先に直接連絡することをお勧めします。
お問い合わせ先
福岡県 商工部 観光局 観光振興課 国内誘客係
電話番号:092-643-3429
FAX番号:092-643-3431
メールアドレス:kanshin@pref.fukuoka.lg.jp
住所:〒812-8577 福岡県福岡市博多区東公園7番7号