詳細情報
東京都羽村市で、認知症の方やそのご家族、地域住民が安心して集える「認知症カフェ」の運営を検討されている介護事業所や医療機関、市民団体の皆様へ。羽村市では、地域共生社会の実現に向け、認知症カフェの運営費用の一部を支援する「羽村市認知症カフェ運営事業補助金」制度を実施しています。この制度を活用することで、会場費やお茶代、広報チラシの印刷費などの経費負担を軽減し、より質の高い地域貢献活動に繋げることが可能です。この記事では、補助金の対象者、金額、申請方法から採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。あなたの地域貢献活動を、この補助金でさらに加速させましょう。
この補助金のポイント
- 対象者: 羽村市内の介護事業所、医療機関、市民団体など
- 補助金額: 1回の開催につき最大36,000円(条件による)
- 対象経費: 会場費、消耗品費、印刷費、講師謝礼など幅広くカバー
- 申請時期: 随時受付(開催の1か月前までに申請)
羽村市認知症カフェ運営事業補助金の概要
まずは、この補助金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。
制度の目的と背景
羽村市では、誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。その一環として、認知症になっても社会との繋がりを保ち、安心して過ごせる環境づくりが重要視されています。この補助金は、「認知症のある人やその家族、地域住民、専門職の誰もが気軽に参加でき、情報を共有し相互に理解しあう場」である「認知症カフェ」の設置・運営を促進し、地域全体で認知症の方を支える体制を強化することを目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 羽村市認知症カフェ運営事業補助金 |
| 実施組織 | 東京都羽村市(福祉健康部高齢福祉介護課) |
| 目的 | 認知症カフェの運営を支援し、認知症になっても安心して暮らし続けられるまちづくりを推進する |
| 公募期間 | 随時(事業開催の1か月前までに申請が必要) |
補助金額と補助率について
この補助金は、運営する団体の種別や活動内容によって補助金額が異なります。補助率はなく、開催1回あたりの定額補助となります。ご自身の団体がどちらに該当するか、しっかり確認しましょう。
2つの補助パターン
補助金額は、以下の2つのパターンに分かれています。
| パターン | 対象団体 | 補助金額(1回あたり) |
|---|---|---|
| パターン(1) | 羽村市内の介護事業所、医療機関、市民団体等 | 3,000円 |
| パターン(2) | 羽村市内の認知症疾患医療センター等 | 6,000円 |
| 加算措置 | パターン(2)の団体が外部講師を招いた場合 | 上記に加えて 30,000円を加算 |
【計算例】
認知症疾患医療センター(パターン2)が、年間10回の認知症カフェを開催し、そのうち3回で外部から専門家を講師として招いた場合。
・通常開催分: 6,000円 × 7回 = 42,000円
・外部講師開催分: (6,000円 + 30,000円) × 3回 = 108,000円
・年間合計補助額: 150,000円
補助対象者と詳しい条件
補助金を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、対象となる団体と、実施すべき活動内容について詳しく見ていきましょう。
パターン(1):介護事業所、医療機関、市民団体等
- 所在地:羽村市内に所在すること。
- 開催頻度:年間2回以上、1回あたり2時間以上、認知症カフェを開設すること。
- 人員配置:カフェの開設中、医療・介護に関する国家資格保有者または介護支援専門員を2名以上配置すること。
- 活動内容:
- 認知症の人とその家族、地域住民、専門職などの相互交流と情報交換を行う。
- 認知症に関するさまざまな相談への対応を実施する。
パターン(2):認知症疾患医療センター等
- 所在地:羽村市内に所在し、認知症の鑑別診断を行っている医療機関であること。
- 開催頻度:年間6回以上、1回あたり2時間以上、認知症カフェを開設すること。
- 人員配置:カフェの開設中、医療・介護職に関する国家資格保有者または介護支援専門員を2名以上配置すること。
- 活動内容(上記(1)の活動に加えて):
- 認知症の症状、支援方法等に関する医療専門職による講義を実施する。
- 認知症の人と意見交換を行う本人ミーティングを開催する。
- 認知症サポーター養成講座修了者等の住民ボランティアを育成し、活用する。
補助対象とならない事業
以下の目的を持つ事業は補助の対象外となりますのでご注意ください。
- 営利活動、宗教活動、政治活動を目的とする事業
- 特定の事業所が実施する医療・介護サービス等への勧誘を伴う事業
- その他、羽村市長が不適当と認める事業
補助対象となる経費
補助金は、認知症カフェの運営に直接必要な経費に充当することができます。具体的にどのような費用が対象になるのか、一覧で確認しましょう。
| 経費項目 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 需用費 | 消耗品費、印刷製本費、食糧費 | 事務用品、広報チラシ、ポスター、参加者へのお茶・お菓子代 |
| 役務費 | 通信費 | 案内状の郵送代など |
| 使用料及び賃借料 | 会場の使用料・賃借料 | 公民館やコミュニティスペースの会場レンタル料 |
| 報償費 | 講師への謝礼(パターン(2)のみ) | 外部から招いた専門家への謝礼金 |
注意点:食糧費には、アルコール類は含まれません。また、報償費はパターン(2)の団体が、自団体の構成員以外に講師を依頼した場合に限られます。
申請方法と手順
補助金の申請は、事業の「開始前」と「終了後」の2段階で行います。手続きをスムーズに進めるために、全体の流れを把握しておきましょう。
ステップ1:事業開始前の交付申請
認知症カフェの開催1か月前までに、以下の書類を羽村市役所 高齢福祉介護課に提出します。
- 羽村市認知症カフェ運営事業補助金交付申請書(様式第1号)
- 羽村市認知症カフェ運営事業計画書(様式第2号)
- 羽村市認知症カフェ運営事業収支予算書(様式第3号)
- その他市長が必要と認める書類
申請書類は羽村市の公式サイトからダウンロードできます。計画書や予算書は、事業の目的や内容、経費の内訳を具体的に記載することが重要です。
ステップ2:事業終了後の実績報告
事業(年度内の全カフェ開催)が終了したら、終了後1か月以内に、以下の書類を提出して実績を報告します。
- 羽村市認知症カフェ運営事業補助金実績報告書(様式第7号)
- 羽村市認知症カフェ運営事業報告書(様式第8号)
- 羽村市認知症カフェ運営事業収支決算書(様式第9号)
- その他市長が必要と認める書類(領収書の写しなど)
ステップ3:補助金の請求と受領
実績報告書を提出し、市による審査を経て補助金額が確定すると、「交付確定通知書」が届きます。通知書を受け取ったら、速やかに以下の書類を提出してください。
- 羽村市認知症カフェ運営事業補助金交付請求書(様式第11号)
請求書に基づき、指定した口座に補助金が振り込まれます。
採択されるためのポイント
この補助金は要件を満たしていれば比較的活用しやすい制度ですが、より確実に採択されるためには、申請書類の書き方にいくつかコツがあります。採択率は公表されていませんが、以下の点を意識して申請準備を進めましょう。
ポイント1:事業計画の具体性
事業計画書には、「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」行うのかを具体的に記載しましょう。単に「お茶会をする」だけでなく、「認知症当事者のAさんが趣味の編み物を教える時間を設ける」「地域の民生委員と連携して参加を呼びかける」など、顔の見える活動内容を示すことが重要です。
ポイント2:地域への貢献度をアピール
この事業が、羽村市の「認知症になっても安心して暮らし続けられるまちづくり」という目的にどう貢献するのかを明確に示しましょう。例えば、「カフェを通じて孤立しがちな当事者や家族の社会参加を促す」「地域の多世代交流の拠点となることを目指す」など、事業の社会的意義を強調することが採択の鍵となります。
ポイント3:収支予算の妥当性
収支予算書は、事業計画と整合性が取れている必要があります。なぜその経費が必要なのか、金額は妥当か、積算根拠を明確に示しましょう。例えば、会場費であれば「〇〇会館 研修室 2時間 × 〇〇円」のように、誰が見ても納得できる内容にすることが大切です。
よくある不採択理由
- 申請期限(開催1か月前)を過ぎている。
- 専門職の配置など、補助要件を満たしていない。
- 事業内容が営利目的や勧誘目的と判断された。
- 申請書類に不備や記入漏れがある。
申請前には、必ず市の担当窓口に相談し、内容を確認してもらうことをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q1. NPO法人やボランティア団体でも申請できますか?
A1. はい、対象となります。羽村市内に拠点を置く「市民団体等」として、パターン(1)の要件(年2回以上の開催、専門職2名以上の配置など)を満たせば申請可能です。
Q2. 補助金はいつ支払われますか?前払いは可能ですか?
A2. 補助金は、事業がすべて終了した後の精算払い(後払い)となります。事業実施に必要な経費は、一度団体側で立て替えていただく必要がありますのでご注意ください。
Q3. カフェの運営を手伝ってくれるボランティアを探しています。
A3. 羽村市では「認知症支援ボランティア『オレンジ』」という制度があります。認知症サポーター養成講座を修了した市民がボランティアとして登録しており、カフェの運営(参加者とのコミュニケーション、給仕、会場準備など)をお手伝いいただけます。詳しくは市の高齢福祉介護課にご相談ください。
Q4. 申請書類の書き方がよく分かりません。相談に乗ってもらえますか?
A4. はい、もちろんです。申請を検討している段階で、まずは羽村市役所の高齢福祉介護課 介護予防・地域支援係に電話で問い合わせることを強くお勧めします。事業内容の相談や、書類作成のアドバイスをもらうことができます。
Q5. 補助金の対象となる「国家資格のある者」とは具体的にどのような資格ですか?
A5. 一般的に、医師、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士などが該当します。ご自身の団体に所属するスタッフの資格が該当するか不明な場合は、事前に市の担当課にご確認ください。
まとめと次のステップ
今回は、「羽村市認知症カフェ運営事業補助金」について詳しく解説しました。この補助金は、羽村市で認知症の方々や地域のための活動を行いたい団体にとって、非常に心強い支援制度です。
重要ポイントの再確認
- 羽村市内の介護事業所や市民団体などが対象。
- 補助額は1回あたり3,000円〜6,000円。外部講師を招くと最大36,000円に。
- 会場費、消耗品費、印刷費など運営に必要な経費が対象。
- 申請は「開催1か月前」までに事前申請が必要。
- 補助金は事業終了後の「後払い」。
この制度を活用して、あなたの団体が目指す地域貢献活動を実現させましょう。まずは、下記の公式サイトで最新情報や申請様式を確認し、不明な点があれば、ためらわずに担当窓口へ問い合わせてみてください。
お問い合わせ先
- 担当部署: 羽村市 福祉健康部 高齢福祉介護課 介護予防・地域支援係
- 電話番号: 042-555-1111 (内線195)
- 公式サイト: 羽村市認知症カフェ運営事業補助金 詳細ページ