詳細情報
「若手人材の採用が難しい」「採用してもすぐに辞めてしまう」…そんなお悩みを抱える福岡市内の中小企業の経営者様・人事担当者様へ朗報です。福岡市では、従業員の奨学金返還を支援する企業に対し、その費用の一部を補助する「中小企業奨学金返還支援事業補助金」を実施しています。大学生の2人に1人が奨学金を利用する現代において、この制度は若手人材にとって非常に魅力的な福利厚生となります。本記事では、この注目の補助金制度について、対象要件から申請方法、採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。この制度を最大限に活用し、貴社の採用力と定着率を飛躍的に向上させましょう。
この補助金のポイント
✅ 福岡市内の中小企業が対象
✅ 従業員の奨学金返還支援費用を補助
✅ 補助率は企業負担額の2分の1、上限は年間50万円
✅ 採用力強化と従業員の定着率向上に直結
✅ 申請はオンラインで完結！
福岡市中小企業奨学金返還支援事業補助金とは？
この補助金は、従業員への奨学金返還支援を行う福岡市内の中小企業等に対して、市がその経費の一部を補助する制度です。目的は、市内中小企業の人材確保と定着を促進し、若者が福岡市で安心して働き続けられる環境を整えることにあります。近年、多くの若者が奨学金の返還に経済的な負担を感じています。企業がこの負担を軽減することで、従業員のエンゲージメントを高め、優秀な人材の流出を防ぐ効果が期待できます。
制度の基本情報
| 正式名称 | 福岡市中小企業奨学金返還支援事業補助金 |
|---|---|
| 実施組織 | 福岡市（経済観光文化局 経営支援課） |
| 目的 | 福岡市内における中小企業等の人材確保と定着並びに就労の促進 |
| 公式サイト | ふくおか奨学金返還サポート（特設サイト） |
| 申請期間 | 2025年7月1日～2025年12月15日 |
いくらもらえる？補助金額と補助率を徹底解説
この補助金の最大の魅力は、企業の負担を直接的に軽減してくれる点です。具体的な補助金額と補助率をしっかり理解しましょう。
補助率と上限額
- 補助率：原則、企業が負担した支援額の2分の1
- 上限額：1年度あたり1企業につき50万円まで
具体的な計算例
実際にどのくらいの補助金が受けられるのか、いくつかのケースでシミュレーションしてみましょう。
| ケース | 年間の企業支援額（負担額） | 補助金額 |
|---|---|---|
| 従業員1名に月1.5万円支援 | 1.5万円 × 12ヶ月 = 18万円 | 18万円 × 1/2 = 9万円 |
| 従業員3名に各々月1.5万円支援 | (1.5万円 × 12ヶ月) × 3名 = 54万円 | 54万円 × 1/2 = 27万円 |
| 従業員5名に各々月2万円支援 | (2万円 × 12ヶ月) × 5名 = 120万円 | 120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限適用で50万円 |
あなたの会社は対象？申請要件を詳しく確認
重要：補助金の対象となるには、下記の「企業要件」と「従業員要件」の両方を満たす必要があります。申請前に必ずご確認ください。
企業に関する要件
- 福岡市内に本店及び本社がある中小企業等であること。
- 中小企業基本法に定められる中小企業者、または社会福祉法人、医療法人、学校法人などであること。
- 就業規則や賃金規程等で奨学金返還支援制度を設け、実施していること。（これから導入する場合も対象となります）
- 市税の滞納がないこと。
- その他、公序良俗に反する事業を行っていないこと。
従業員に関する要件
- 勤務先（事業所）が福岡市内にあること。
- 雇用期間の定めのない正社員であること。（フルタイム・短時間は問いません）
- 奨学金を返還中、または返還予定であること。
対象となる奨学金
補助金の対象となるのは、主に以下の機関が貸与する奨学金です。
- 独立行政法人日本学生支援機構（JASSO）
- 地方公共団体
- 大学等
- その他、市長が認めるもの
※保護者が借り入れる教育ローンや学生ローンは対象外ですのでご注意ください。
何に使える？補助対象となる経費
補助金の対象となるのは、企業が従業員の奨学金返還を支援するために直接負担した費用です。具体的には以下の2つの方法が想定されています。
- 手当等の支給：給与に上乗せする形で「奨学金返還支援手当」などを支給した場合の費用。
- 代理返還：企業が従業員に代わって、日本学生支援機構などの貸与機関に直接返還（送金）した場合の費用。
申請から交付までの完全ガイド｜5つのステップ
補助金を受け取るまでの流れは、大きく5つのステップに分かれます。スケジュールを把握し、計画的に進めましょう。
ステップ1：社内制度の導入
まず、奨学金返還支援を会社の正式な制度として位置づける必要があります。就業規則や賃金規程などに、支援の対象者、金額、期間などを明記しましょう。これは補助金申請の必須要件です。
ステップ2：従業員への支援実施
社内規定に基づき、対象となる従業員への支援（手当支給または代理返還）を開始します。
ステップ3：補助金の交付申請（〜2025年12月15日）
申請期間内に、特設サイト『ふくおか奨学金返還サポート』の申請フォームからオンラインで申請します。申請には以下の書類が必要となるため、事前に準備しておきましょう。
- 補助金交付申請書（オンラインフォームで入力）
- 奨学金返還支援制度が明記された就業規則や賃金規程等の写し
- 対象従業員の雇用形態や勤務地が確認できる書類（雇用契約書など）の写し
- 対象従業員の奨学金返還額や返還予定が確認できる書類の写し
- 法人の場合：履歴事項全部証明書（登記簿謄本）
- 個人事業主の場合：開業届の写しなど
- その他、市が必要と認める書類
ステップ4：実績報告（〜2026年3月中）
補助金の交付決定後、年度末（3月31日）までの支援実績を市に報告します。実際に支援したことがわかる書類（給与明細の写し、振込記録など）の提出が必要です。
ステップ5：補助金の交付（2026年4月以降）
実績報告の内容が審査され、問題がなければ補助金額が確定し、指定した口座に振り込まれます。
採択率を上げるための3つの重要ポイント
この補助金は、要件を満たしていれば比較的採択されやすいと考えられます。しかし、確実に採択されるためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1：地域要件を再確認する
最も重要なのが地域に関する要件です。「企業の本店・本社が福岡市内」であり、かつ「支援対象の従業員の勤務地も福岡市内」である必要があります。支店が市内にあるだけでは対象外となるため、注意が必要です。
ポイント2：就業規則への明記は必須
口約束や慣例で特定の従業員にのみ支援を行っているケースは補助金の対象外です。全従業員に適用される公平な制度として、就業規則や賃金規程に明確に記載することが絶対条件となります。
ポイント3：書類の不備をなくす
補助金申請で最も多い不採択理由は、単純な書類の不備です。提出前に、市のウェブサイトや手引きで必要書類を何度も確認し、記載漏れや添付忘れがないかダブルチェックしましょう。特に、金額や日付などの数字は正確に記入することが重要です。
よくある質問（FAQ）
Q1. これから制度を導入する予定ですが、申請できますか？
A1. はい、申請できます。ただし、補助金の交付申請を行う時点までに、就業規則等への規定の整備と、従業員への支援を開始している必要があります。計画的に準備を進めてください。
Q2. 個人事業主も対象になりますか？
A2. はい、個人事業主も対象となり得ます。法人と同様に、福岡市内に主たる事業所があり、従業員を正社員として雇用しているなどの要件を満たす必要があります。
Q3. 従業員が短時間正社員の場合でも対象になりますか？
A3. はい、対象になります。この補助金における「正社員」は、フルタイム勤務か短時間勤務かは問いません。雇用期間の定めのない直接雇用の従業員であれば対象です。
Q4. 福岡市外に住んでいる従業員は対象になりますか？
A4. はい、対象になります。従業員の居住地は問いません。重要なのは、従業員の勤務地（事業所）が福岡市内であることです。
Q5. 複数の従業員を支援する場合、上限額はどうなりますか？
A5. 補助金の上限額は、支援する従業員の人数に関わらず、1企業あたり年間50万円です。例えば、10人の従業員に合計100万円の支援を行った場合、補助金は50万円となります。
まとめ：奨学金返還支援補助金を活用して、選ばれる企業へ
福岡市の中小企業奨学金返還支援事業補助金は、人材確保と定着という現代の経営課題に直接アプローチできる、非常に価値のある制度です。
- メリット：採用活動での差別化、従業員エンゲージメント向上、離職率低下。
- 金額：企業負担の1/2、最大50万円/年。
- 対象：福岡市内に本社・本店を置く中小企業。
- アクション：まずは社内制度を整備し、オンラインで申請準備を始めましょう。
この機会を逃さず、補助金を活用して従業員満足度を高め、若手人材から「選ばれる企業」を目指しませんか。まずは公式サイトで詳細を確認し、申請に向けた第一歩を踏み出しましょう。
お問い合わせ先
部署： 経済観光文化局 総務・中小企業部 経営支援課
住所： 福岡市博多区博多駅前２丁目９番２８号 福岡商工会議所ビル２Ｆ
電話番号： 092-441-1232
E-mail： keieishien.EPB@city.fukuoka.lg.jp
