高知県内で独自性の高い製品開発に挑戦する製造業の皆様へ朗報です。製品の構想から試作、製品化までを強力にバックアップする「製品開発支援事業費補助金」が公募開始されました。最大2,000万円という大型支援で、貴社の技術開発を加速させる絶好のチャンスです。この記事では、3つの支援メニューの違いから対象経費、申請スケジュールまで、専門家が分かりやすく解説します。
高知県製品開発支援事業費補助金とは?
この補助金は、高知県が県内製造業(※)の製品・技術開発の裾野を広げ、その量的拡大と質的向上を図ることを目的とした制度です。製品のアイデア段階から市場投入まで、幅広い開発フェーズで必要となる費用の一部を支援します。
※食品、生物、医薬品、ソフトウェア製造事業は対象外です。
この補助金の3つの重要ポイント
- 1. 最大2,000万円の大型支援:事業規模に応じた3つのメニューで手厚くサポート。
- 2. 幅広い経費が対象:機械装置費や原材料費はもちろん、開発者の人件費や外注費も対象に。
- 3. 専門家チームへの事前相談が必須:申請前に技術的助言や計画のブラッシュアップが可能。
3つの支援メニューを徹底比較
本補助金には、企業の開発ステージや目標に応じて選べる3つのメニューが用意されています。それぞれの特徴を理解し、自社に最適なメニューを選びましょう。
メニュー | 補助率 | 補助上限額 (申請下限額) |
事業期間 |
---|---|---|---|
開発チャレンジ事業 | 1/2以内 | 100万円 (10万円) |
1年以内 |
製品開発事業 (一般枠) | 1,000万円 (50万円) |
2年以内 | |
製品開発事業 (イノベーション推進枠) | 2,000万円 (50万円) |
補助対象となる経費
開発活動に直接必要な経費が幅広く対象となります。ただし、メニューや経費項目ごとに上限や条件があるため、注意が必要です。
経費区分 | 内容と主な注意点 |
---|---|
機械装置費 | 開発に必要な機械装置、工具器具の購入・改良等。県内事業所への設置が必須。 ※開発チャレンジ事業では取得価格50万円未満のものに限る。 |
直接人件費 | 開発に直接従事する従業員の人件費(製品開発事業のみ対象)。 ※補助対象経費のうち、一般枠は1/3、イノベーション推進枠は1/2が上限。 |
謝金・旅費 | 指導・助言を受ける専門家への謝礼や、社員・専門家の旅費。 |
外注加工費・委託費 | 設計、分析、検査等の外注費用。 ※合算で補助対象経費総額の1/2が上限。 |
原材料費 | 開発に必要な原材料、副資材、消耗品の購入費。 |
その他事務費 | 会議費、会場賃借料、印刷製本費、資料購入費など。 |
特許等取得費 | 開発製品に関連する特許権の取得費用(弁理士費用等)。 ※特許庁への出願料等は対象外。 |
申請スケジュールと流れ
本補助金は年に複数回の締切が設けられています。計画的に準備を進めましょう。
募集期間(締切)
- 開発チャレンジ事業:
初回締切:令和7年5月30日(金) 17:00
以降、7月、10月、12月の各月末営業日17:00締切 - 製品開発事業(一般枠・イノベーション推進枠):
初回締切:令和7年5月30日(金) 17:00
以降、8月、11月、令和8年1月の各月末営業日17:00締切
※予算上限に達した場合、期限前でも募集を終了することがあります。
申請から交付決定までのフロー
- 【最重要】製品開発支援チームへ事前相談
締切の1ヶ月前までに相談を開始してください。事業計画のブラッシュアップ支援を受け、「確認書」を発行してもらいます。 - 申請書類の準備・提出
必要書類を揃え、募集期間内に提出します。 - 審査会・プレゼンテーション
申請受理の翌月中旬~下旬頃に開催。製品開発事業の申請者はプレゼンテーションが必須です。 - 交付決定
審査会開催月の下旬~翌月上旬に採択・不採択が通知されます。
⚠️ ご注意ください
補助事業の対象となるのは、「補助金交付決定通知書」に記載された日以降に契約や発注、購入を行った経費のみです。交付決定前の経費は一切対象外となりますので、フライング発注には十分ご注意ください。
申請方法と必要書類
申請には、事業計画を具体的に示す書類をはじめ、複数の添付書類が必要です。公式サイトから様式をダウンロードし、漏れなく準備しましょう。
主な必要書類リスト
- 補助金交付申請書
- 製品構想書 または 製品企画書
- 経費明細表及び資金調達内訳
- 会社パンフレット
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 直近2期分の決算書
- 県税の滞納がないことを証する証明書 等
- 積算根拠資料(見積書など)
- 誓約書兼同意書
- 確認書(製品開発支援チーム発行)
お問い合わせ先
本補助金の申請には、2つの重要な窓口があります。ご自身の相談内容に合わせてお問い合わせください。
【最重要】事前相談・計画のブラッシュアップ
公益財団法人 高知県産業振興センター
製品開発支援チーム
申請に必須の「確認書」の発行や、技術的な助言、事業計画の磨き上げに関する相談はこちらです。締切の1ヶ月前までにご相談ください。
電話番号: 088-845-6600
制度・申請書類に関するお問い合わせ
高知県 商工労働部 工業振興課
補助金制度そのものや、申請書類の書き方など、事務的な手続きに関するお問い合わせはこちらです。
担当: 岡野・荻
電話番号: 088-823-9724
まとめ
高知県の「製品開発支援事業費補助金」は、県内製造業の新たな挑戦を資金面から力強く後押しする制度です。自社の成長ステージに合わせて3つのメニューから選択でき、開発に必要な経費を幅広くカバーしています。採択を勝ち取るためには、製品開発支援チームとの連携による事業計画の作り込みが鍵となります。まずは専門家への相談から、新たな製品開発への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。