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2024年問題による物流コストの上昇やドライバー不足にお悩みの荷主企業、フォワーダー、運送事業者の皆様へ。福岡県北九州市が、物流の効率化とコスト削減を強力に後押しする画期的な補助金制度を実施します。それが「北九州港コンテナ貨物補助制度」と「北九州港モーダルシフト補助制度」です。これらの制度を活用することで、トライアル輸送で最大50万円、コンテナ貨物の転換で1TEUあたり最大5,000円、モーダルシフトではトラック1台あたり最大15,000円という手厚い支援が受けられます。この記事では、令和7年度(2025年度)の北九州港関連補助金について、対象者、金額、申請方法、採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。この機会を最大限に活用し、貴社の物流戦略を新たなステージへと引き上げましょう。
この記事のポイント
✅ 北九州市が実施する2つの主要な物流関連補助金をまとめて解説
✅ コンテナ貨物補助は最大50万円、モーダルシフト補助は最大30万円
✅ 荷主、フォワーダー、貨物運送事業者など幅広い事業者が対象
✅ 申請には「事前相談」が必須!予算上限到達で終了のため早期行動が鍵
✅ 申請期間は令和7年4月1日から令和8年1月30日まで
2つの強力な補助金「コンテナ貨物補助」と「モーダルシフト補助」とは?
北九州市では、港の利用を促進し、地域経済の活性化を図るため、2つの主要な補助金制度を用意しています。それぞれ目的や対象が異なりますので、自社の事業にどちらが合致するか確認しましょう。
制度の目的:北九州港の活性化と持続可能な物流の実現
これらの制度は、単なる資金援助ではありません。背景には、以下のような明確な目的があります。
- 北九州港の利用拡大:国内外の貨物を北九州港に集約(集貨)し、アジアに近いという地理的優位性を活かした物流ハブとしての機能を強化します。
- 2024年問題への対応:トラックドライバーの長時間労働規制に対応するため、陸上輸送から海上輸送への転換(モーダルシフト)を促進し、物流の持続可能性を高めます。
- 環境負荷の低減:海上輸送はトラック輸送に比べて一度に大量の貨物を運べるため、CO2排出量の削減に大きく貢献します。環境経営(ESG)の観点からも重要です。
実施組織:北九州市港湾空港局
本補助金制度は、北九州市港湾空港局 港営部 物流振興課が実施しています。公的な機関が運営しているため、安心して申請・相談することができます。
補助対象となる事業者
対象者は非常に幅広く、物流に関わる多くの事業者が活用できる可能性があります。
- 荷主:自社の製品や原材料を輸送する企業。
- フォワーダー(貨物利用運送事業者):荷主から貨物を預かり、輸送手段(船、航空機、トラック等)を組み合わせて輸送サービスを提供する事業者。
- 貨物運送事業者:トラックやトレーラーで貨物を運ぶ事業者(モーダルシフト補助制度)。
【金額・補助額】いくらもらえる?補助金詳細を徹底比較
ここでは、2つの制度の具体的な補助額を詳しく見ていきましょう。自社の輸送計画に照らし合わせて、どのくらいの補助が見込めるかシミュレーションしてみてください。
① 北九州港コンテナ貨物補助制度
この制度は、貨物を北九州港に集める「集貨拡大支援」と、新しいルートを試す「トライアル支援」の2本立てです。
【集貨拡大支援補助】
| 種類 | 対象貨物 | 補助額/TEU |
|---|---|---|
| 新規貨物 | 外航(輸出) | 2,500円 |
| 外航(輸入) | 5,000円 | |
| 転換貨物 | 外航(輸出) | 2,500円 |
| 外航(輸入・門司CT) | 2,500円 | |
| 外航(輸入・ひびきCT) | 5,000円 | |
| 内航(移出入) | 2,500円 | |
※TEU (Twenty-foot Equivalent Unit) は20フィートコンテナ1個分に相当する単位です。40フィートコンテナは2TEUとして計算されます。
【トライアル支援補助】
| コンテナサイズ | 補助額/本 |
|---|---|
| 20フィート | 13,000円 |
| 40フィート | 21,000円 |
| 上限:1荷主あたり50万円 | |
② 北九州港モーダルシフト補助制度
陸上輸送から海上輸送(国内フェリー・RORO船)への転換を支援する制度です。特に、輸送が集中しにくい週末利用の補助額が手厚くなっているのが特徴です。
| 対象 | 平日 | 週末 |
|---|---|---|
| 20Ft以下のコンテナ / 8m未満のトラック・トレーラー | 7,000円/台 | 12,000円/台 |
| 20Ft超のコンテナ / 8m以上のトラック・トレーラー | 10,000円/台 | 15,000円/台 |
補助上限額について
・原則:1申請あたり上限20万円
・特例:週末利用が5台/5本以上ある場合、上限30万円に増額!
※週末の定義:北九州港発が金・土・日、北九州港着が土・日・月
【対象要件】あなたの事業は対象になる?詳細条件をチェック
補助金を受け取るためには、いくつかの要件を満たす必要があります。自社の計画が該当するか、ここでしっかり確認しましょう。
コンテナ貨物補助制度の対象貨物・要件
- 新規貨物:企業の新規立地、工場増設、またはモーダルシフトにより新たに発生したコンテナ貨物。
- 転換貨物:これまで他の港を利用していた貨物を、北九州港利用に切り替えたもの。
- トライアル支援の要件:
- 補助対象期間内に10本以上のトライアル輸送を行うこと。
- 北九州市が作成するPR資料等への掲載に同意すること。
モーダルシフト補助制度の対象貨物・要件
北九州港に定期寄港する国内フェリー・RORO船を利用し、以下のいずれかを満たす新たなモーダルシフト貨物が対象です。
- ① 陸上輸送の一部を海上輸送に変更するもの。
- ② 他港利用からの転換により陸送距離が短縮するもの。
- ③ 新規貨物であってCO2削減に寄与するもの。
重要:輸送量の要件
補助対象期間内に、コンテナ10本、もしくはトラック・トレーラー10台以上の輸送を行う必要があります。(貨物の実輸送に限る)
【申請ガイド】事前相談から交付までの5ステップ
補助金の申請は、正しい手順を踏むことが非常に重要です。特に、これらの制度では「事前相談」が必須となっています。以下のステップを参考に、計画的に進めましょう。
ステップ1:まずは必須の「事前相談」
申請を検討し始めたら、まず最初に下記の問い合わせ先に連絡し、事業計画について相談してください。計画が補助金の趣旨に合致しているか、対象要件を満たしているかなどを担当者と確認することで、その後の手続きがスムーズに進みます。
ステップ2:必要書類の準備
事前相談後、申請に必要な書類を準備します。一般的に以下のような書類が必要となりますが、詳細は必ず公式サイトの募集要項(PDF)で確認してください。
- 補助金交付申請書
- 事業計画書(輸送ルート、貨物量、スケジュール等を記載)
- 法人の登記事項証明書
- 納税証明書
- その他、市が必要と認める書類
ステップ3:申請書の提出
準備した書類を提出します。期限厳守です。
- 補助対象期間:令和7年4月1日~令和8年3月31日
- 申請期限:令和8年1月30日(金)
注意! 補助金交付申請額の合計が市の予算に達した場合、期限前でも受付を終了します。早めの行動が成功の鍵です。
ステップ4:事業の実施と実績報告
交付決定後、計画に沿って輸送事業を実施します。事業完了後は、実績報告書を提出する必要があります。この際、第三者(船会社等)による輸送証明(船荷証券(B/L)の写しなど)の添付が必須となりますので、忘れずに保管しておきましょう。
ステップ5:補助金の交付
実績報告書の内容が審査され、問題がなければ補助金額が確定し、指定の口座に振り込まれます。
採択率を上げるための3つの重要ポイント
これらの補助金は要件を満たせば交付される可能性が高いですが、予算には限りがあります。確実に補助金を得るために、以下のポイントを押さえましょう。
ポイント1:とにかく「早期の事前相談と申請」
最も重要なポイントです。予算上限による早期終了のリスクがあるため、年度が始まったらすぐにでも事前相談を開始し、速やかに申請準備を進めることが推奨されます。「まだ大丈夫だろう」と後回しにせず、すぐに行動を起こしましょう。
ポイント2:事業計画の具体性と実現可能性
申請書に添付する事業計画書は、審査の重要な判断材料です。なぜ北九州港を利用するのか、どのような貨物をどれくらいの量、どのくらいの頻度で輸送するのか、具体的に記載しましょう。モーダルシフトの場合は、CO2削減効果などを数値で示すと、より説得力が増します。
ポイント3:書類の不備をゼロにする
基本的なことですが、書類の記入漏れや添付書類の不足は、審査の遅れや不採択の原因になります。提出前には必ず複数人でダブルチェックを行い、完璧な状態で提出することを心がけましょう。不明な点は、事前相談の際に担当者に確認しておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「コンテナ貨物補助」と「モーダルシフト補助」は併用できますか?
A1. いいえ、できません。募集要項には「本市が行う他の補助制度の適用を受ける場合は、重複して助成を受けることはできません」と明記されています。自社の事業内容に最も適した、補助効果の高い方の制度を選択して申請してください。
Q2. 事前相談なしで申請することは可能ですか?
A2. いいえ、できません。両制度とも「申請には事前相談が必要です」と定められています。計画段階で必ず担当課に連絡を取り、相談を行ってください。
Q3. 荷主ではなくフォワーダーですが、申請できますか?
A3. はい、可能です。「コンテナ貨物補助制度」では「荷主、フォワダー等」が対象者として明記されています。モーダルシフト補助制度でも「荷主、貨物運送事業者」が対象ですので、事業内容によっては申請可能です。詳細は事前相談でご確認ください。
Q4. 予算はいつ頃なくなりますか?
A4. 予算の消化ペースは年度によって異なるため、一概には言えません。しかし、人気の補助金は早期に予算上限に達する可能性があります。確実なのは、可能な限り早く申請することです。検討している場合は、すぐにでも行動を開始することをお勧めします。
Q5. 実績報告に必要な「輸送証明」とは具体的にどのような書類ですか?
A5. 実際に輸送が行われたことを客観的に証明する書類です。具体的には、船会社や運送会社が発行する船荷証券(B/L)の写しや、輸送伝票、請求書などが該当します。どの書類が必要になるか、事前相談の際に確認しておくとスムーズです。
まとめ:北九州港補助金を活用し、物流コスト削減と事業成長を実現しよう
今回は、令和7年度(2025年度)に北九州市が実施する「コンテナ貨物補助制度」と「モーダルシフト補助制度」について詳しく解説しました。
- 目的:北九州港の利用促進、2024年問題対策、環境負荷低減
- 対象者:荷主、フォワーダー、貨物運送事業者など
- 補助額:トライアル最大50万円、コンテナ転換最大5,000円/TEU、モーダルシフト最大15,000円/台など
- 重要事項:事前相談が必須。予算がなくなり次第終了のため、早期申請が絶対条件。
物流業界が大きな変革期を迎える中、このような自治体の支援策を有効活用することは、企業の競争力を維持・向上させる上で非常に重要です。まずは自社の輸送ルートや貨物を見直し、この補助金が活用できないか検討してみてください。そして、少しでも可能性があると感じたら、すぐに行動を起こしましょう。
【申請及び問い合わせ先】
北九州市港湾空港局 港営部 物流振興課
〒801-8555 北九州市門司区西海岸1丁目2-7
TEL:093-321-5941
FAX:093-321-5936