詳細情報
群馬県高崎市で事業を営む中小企業の経営者の皆様、毎年納付する「事業所税」の負担を重く感じていませんか?高崎市では、そんな事業者の皆様を支援するため、納付した事業所税の一部または全額が助成される「高崎市中小企業経営安定化助成金」制度を実施しています。特に、赤字決算の場合は、納付した事業所税の全額が助成される可能性があり、経営の安定化に直結する非常に魅力的な制度です。この記事では、高崎市中小企業経営安定化助成金の概要から、対象者の詳細な条件、申請方法、必要書類、そして申請を成功させるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。自社が対象になるかを確認し、この制度を最大限に活用しましょう。
この助成金のポイント
- 高崎市に納付した事業所税の負担を軽減できる制度
- 赤字決算の場合は、納付した事業所税の全額が助成される
- 黒字決算でも、納付した事業所税の4分の1が助成される
- 要件を満たせば原則交付されるため、比較的活用しやすい
① 高崎市中小企業経営安定化助成金の概要
まずは、この助成金がどのような制度なのか、基本的な情報から確認していきましょう。
制度の目的
この助成金は、高崎市内の中小企業者が納付する事業所税の負担を軽減することを主な目的としています。それにより、企業の経営安定化を図り、ひいては市民の貴重な雇用の場を確保することを目指しています。設備投資や販路開拓を支援する一般的な補助金とは異なり、納付した税金が還付されるという、事業者にとって非常に直接的な支援策です。
実施組織
この制度は、群馬県高崎市が実施しています。申請や問い合わせの窓口は、高崎市役所の商工観光部 商工振興課となります。
② 助成金額・補助率
助成される金額は、事業年度ごとの決算状況(黒字か赤字か)によって大きく異なります。上限金額の設定はありません。
| 決算状況 | 助成額 |
|---|---|
| 赤字決算 | 申告納付した事業所税相当額 (全額) |
| 黒字決算 | 申告納付した事業所税相当額の 4分の1 |
【重要】令和7年からの変更点について
令和7年1月1日以降に事業年度が終了する事業者から、黒字決算の場合の助成率が「事業所税相当額の1/2」から「1/4」に変更されました。申請タイミングにご注意ください。
赤字・黒字の定義
- 赤字決算とは:
– 法人:法人市民税申告書の「課税標準となる法人税額または個別帰属法人税額」が0円になる場合。
– 個人:個人の確定申告書等における「事業所得金額」が0円以下になる場合。 - 黒字決算とは:上記「赤字決算」に該当しない場合。
具体的な計算例
仮に、高崎市に事業所税を40万円申告納付したとします。
- その事業年度が赤字決算だった場合 → 40万円(全額)が助成されます。
- その事業年度が黒字決算だった場合 → 40万円 × 1/4 = 10万円が助成されます。
③ 対象者・条件
この助成金を受け取るためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
3つの基本要件
- 高崎市内で行われている事業に係る事業所または事務所を有する中小企業者であること。
- 事業所税を申告納付していること。
- 法人市民税や固定資産税などの市税等に未納がないこと。
中小企業者の定義(業種別)
自社が「中小企業者」に該当するかは、下記の表で確認してください。「資本金の額」または「常時使用する従業員の数」のいずれか一方を満たしていれば対象となります。
| 業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業、その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業(一部除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
④ 補助対象経費
この助成金は、設備投資や広告宣伝費などを対象とするものではありません。対象となる経費はただ一つ、「申告納付した事業所税」そのものです。
そもそも事業所税とは?
事業所税は、都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てるための目的税です。高崎市では、市内の事業所の床面積が1,000平方メートルを超える場合や、従業員数が100人を超える場合に課税対象となる可能性があります。詳しくは高崎市の「事業所税の課税について」のページをご確認ください。
⑤ 申請方法・手順
申請手続きは、期限を守り、必要書類を正確に揃えることが重要です。ステップごとに確認していきましょう。
申請期間
申請期間は法人と個人事業主で異なります。期限を過ぎると受け付けられないため、厳守してください。
- 法人:事業年度の終了日から3か月以内
- 個人:各年度の末日(3月31日)まで
申請手続きのステップ
- 必要書類の準備:下記のリストを参考に、すべての書類を揃えます。特に納税証明書は取得に時間がかかる場合があるので早めに準備しましょう。
- 申請書・請求書の作成:高崎市の公式サイトから最新の様式をダウンロードし、記入例を参考に正確に記入します。
- 書類の提出:完成した書類一式を、窓口へ持参するか、郵送で提出します。
- 審査・交付決定:市役所で書類が審査され、問題がなければ交付決定通知が届きます。
- 助成金の入金:指定した口座に助成金が振り込まれます。
必要書類一覧(チェックリスト)
令和7年4月申請分より様式が変更されています。必ず公式サイトから最新の様式をダウンロードして使用してください。
- □ 高崎市中小企業経営安定化助成金交付申請書
- □ 高崎市中小企業経営安定化助成金請求書
- □ 高崎市に提出した事業所税申告書の写し
- □ 事業所税領収書の写し(または地方税共通納税システムで納付済みと分かる画面の印刷物)
- □ 法人市民税の確定申告書の写し(法人の場合)
※税務署の受付印が押印されたもの。電子申告の場合は受付番号が分かる書類(メール詳細など)を添付。 - □ 所得税の確定申告書 または 市民税・県民税申告書の写し(個人の場合)
※税務署の受付印が押印されたもの。電子申告の場合は受付番号が分かる書類を添付。 - □ 納税証明書(市税等について滞納額がない証明)
※市役所市民税課や支所で取得できます。
申請方法
- 持参の場合:高崎市役所 13階 商工観光部商工振興課へ直接持参します。
- 郵送の場合:簡易書留など追跡可能な方法で郵送します。
〒370-8501 群馬県高崎市高松町35番地1
高崎市役所 商工観光部 商工振興課 宛
⑥ 採択のポイント・注意点
この助成金は、事業計画を審査して採択・不採択を決める「補助金」とは性質が異なります。定められた要件をすべて満たしていれば、原則として交付されます。そのため、「採択率」を気にする必要はあまりありません。しかし、申請で失敗しないためには、以下の点に注意が必要です。
申請で失敗しないための3つの注意点
- 申請期限の厳守:最も重要なポイントです。法人は事業年度終了日から3ヶ月、個人は3月31日という期限を絶対に守りましょう。1日でも過ぎると受け付けられません。
- 書類の不備をなくす:特に確定申告書の「受付印」や電子申告の「受付番号」の添付漏れはよくある不備です。提出前に、すべての書類が揃っているか、記入漏れや印鑑の押し忘れがないか、何度も確認しましょう。
- 市税の滞納がないか事前確認:申請前に市税の未納がないか必ず確認してください。もし未納があれば、申請前に完納する必要があります。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. 事業所税を払っていれば、どんな会社でも対象になりますか?
A1. いいえ。事業所税を納付していることに加え、業種ごとに定められた資本金や従業員数の要件を満たす「中小企業者」であること、そして市税に未納がないことの3つの条件をすべて満たす必要があります。
Q2. 「赤字決算」の詳しい定義を教えてください。
A2. 法人の場合は、法人市民税申告書の「課税標準となる法人税額または個別帰属法人税額」が0円になる場合です。個人の場合は、確定申告書等の「事業所得金額」が0円以下になる場合を指します。均等割のみを納付している法人とは必ずしも一致しないのでご注意ください。
Q3. 申請してからどのくらいで入金されますか?
A3. 申請内容に不備がなければ、通常1ヶ月から2ヶ月程度で指定口座に振り込まれることが多いですが、申請が集中する時期は前後する可能性があります。正確な時期については、申請時に担当課にご確認ください。
Q4. 申請書類の様式はどこで手に入りますか?
A4. 高崎市の公式サイト内にある「高崎市中小企業経営安定化助成金」のページからWord形式でダウンロードできます。必ず最新の様式を使用してください。
Q5. 複数の事業所がありますが、合算して申請できますか?
A5. 助成金の対象となるのは、高崎市に申告納付した事業所税です。市内に複数の事業所があり、それらを合算して事業所税を申告している場合は、その申告額が助成の基礎となります。詳細は市の担当課にご確認ください。
⑧ まとめと問い合わせ先
「高崎市中小企業経営安定化助成金」は、事業所税を納付している市内の中小企業にとって、経営負担を直接的に軽減できる非常に価値のある制度です。特に厳しい経営状況にある赤字決算の企業にとっては、納付した税金が全額戻ってくる大きな支えとなります。
最後に重要ポイントの再確認
- 対象者:高崎市内で事業所税を納付している中小企業者
- 助成額:赤字決算なら全額、黒字決算なら1/4
- 申請期限:法人→事業年度終了後3ヶ月以内、個人→3月31日まで
- 注意点:期限厳守と書類の不備防止が鍵
事業年度が終了したら、速やかに申請の準備を始めましょう。ご不明な点があれば、下記の問い合わせ先に気軽に相談してみてください。
問い合わせ先
- 担当部署:高崎市 商工観光部 商工振興課
- 電話番号:027-321-1256
- 所在地:〒370-8501 群馬県高崎市高松町35番地1(高崎市役所 13階)
- 公式サイト:高崎市中小企業経営安定化助成金