詳細情報
LPガス価格の高騰が続く中、埼玉県ではLPガスを利用する家庭や事業者の負担を軽減するため、「埼玉県LPガス料金負担軽減補助事業」の第4回公募を実施します。この補助金は、LPガス販売事業者が顧客に対して行う料金の値引きを県が支援する制度です。事業者にとっては、顧客への値引き原資だけでなく、事務経費やシステム改修費用も補助されるため、顧客満足度の向上と経営安定化を両立できる大きなチャンスです。この記事では、補助金の概要から申請方法、採択されるためのポイントまで、LPガス販売事業者の皆様がスムーズに申請できるよう、分かりやすく徹底解説します。
この補助金のポイント
- 埼玉県内のLPガス利用顧客への1契約あたり最大1,500円(税抜)の値引きが対象
- 値引き額の実費に加え、事務経費(固定3.4万円+変動費)も補助
- 請求書発行等のためのシステム改修費も最大15万円まで支援
- 申請期間は2025年8月29日から10月31日まで
- 国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を財源とした、信頼性の高い事業
1. 補助金の概要
本事業は、LPガス価格の高騰の影響を受ける埼玉県内の家庭や事業者(一般消費者等)の経済的負担を緩和することを目的としています。LPガス販売事業者が、対象となる顧客のガス料金から一定額を値引く事業に対して、埼玉県がその費用の一部を補助します。
| 埼玉県LPガス料金負担軽減補助事業(第4回) 概要 | |
|---|---|
| 正式名称 | 埼玉県第4回LPガス料金負担軽減事業補助金 |
| 実施機関 | 埼玉県(事務局:株式会社阪急交通社) |
| 目的 | LPガス価格高騰の影響を受ける県内利用世帯等の負担軽減 |
| 補助対象事業 | 埼玉県内の対象顧客に対し、令和7年9月~11月のいずれかのガス使用料から上限1,500円(税抜)の値引きを1回行う事業 |
| 申請受付期間 | 2025年8月29日(金) ~ 2025年10月31日(金) 必着 |
| 実績報告期限 | 2026年2月13日(金) |
2. 補助金額・補助率
この補助金は、単に値引き額を補填するだけでなく、事業実施に伴う事務経費やシステム改修費も支援対象となる手厚い内容です。補助額は以下の3つの区分の合計で算出されます。
補助金の算定方法
| 補助の区分 | 補助金の額 |
|---|---|
| ① 値引き額の実費 | 対象顧客に対し実施した値引き金額の合計額 ※1契約あたり上限1,500円(税抜)。請求額が1,500円(税抜)未満の場合は当該請求額が上限。 |
| ② 事務経費 | 固定費用:34,000円 + 変動費用:対象顧客数 × 50円(上限2,800,000円) |
| ③ システム改修経費 | 検針票や請求書発行システムの改修に要した経費の実費(上限150,000円、消費税額は対象外) |
【計算例】対象顧客が1,000件、システム改修に11万円(税込)かかった場合
- ① 値引き額の実費: 1,000件 × 1,500円 = 1,500,000円
- ② 事務経費: 34,000円 + (1,000件 × 50円) = 84,000円
- ③ システム改修経費: 110,000円 ÷ 1.1 = 100,000円 (上限15万円以内)
- 補助金合計額: 1,500,000円 + 84,000円 + 100,000円 = 1,684,000円
3. 対象者・条件
補助金の交付対象となるのは、以下の要件をすべて満たすLPガス販売事業者です。
- 液化石油ガス法第3条第1項の登録を受けた者、またはガス事業法第3条の登録を受けたLPガスの販売事業者であること。
- 埼玉県内でLPガスを利用する一般消費者等(対象顧客)に対し、令和7年9月~11月のいずれかの使用料から値引きを実施できること。
- 対象顧客に対して、本事業による値引きである旨を検針票や請求書等で明示できること。
- 日本国内に金融機関の預貯金口座を有し、日本円で精算ができること。
- 代表者や役員が反社会的勢力に該当しないこと。
対象となる顧客(一般消費者等)とは?
値引きの対象となるのは、液化石油ガス法で規定する一般消費者等やコミュニティガスの供給対象となる世帯等です。ただし、以下の消費者は対象外となります。
- 質量販売の消費者
- 工場など高圧ガス保安法で規定するLPガスの消費者
- 国及び地方公共団体(直接住民の用に供する施設を除く)
4. 申請方法・手順
申請から補助金受領までの流れは以下の通りです。各ステップの期限をしっかり確認し、計画的に進めましょう。
申請から交付までのフロー
- 【STEP 1】交付申請
期間:2025年8月29日(金) ~ 10月31日(金)
公式サイトから申請書様式をダウンロードし、必要事項を記入の上、原則として電子データで提出します。 - 【STEP 2】交付決定通知
申請内容が審査され、適当と認められると「交付決定通知書」が原則メールで届きます。この通知を受け取る前に実施した値引きは補助対象外となるため注意が必要です。 - 【STEP 3】補助事業の実施(顧客への値引き)
期間:2025年9月~11月のいずれかの検針分
交付決定後、対象顧客に対して料金の値引きを実施します。検針票や請求書に「埼玉県の補助により、上限1,500円で値引きを行いました。」など、補助事業による値引きであることを明記します。 - 【STEP 4】実績報告
期限:2026年2月13日(金)
補助事業完了後、速やかに実績報告書と関連書類を提出します。期限を過ぎると補助金が交付されないため、厳守してください。 - 【STEP 5】補助金額の確定・支払い
実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定します。「交付額確定通知書」が届いた後、指定した口座に補助金が振り込まれます。
必要書類一覧
申請時と実績報告時で必要な書類が異なります。
- 【交付申請時】
- 埼玉県第4回LPガス料金負担軽減事業補助金交付申請書(様式第1号)
- 誓約書(別紙1)
- 【実績報告時】
- 埼玉県第4回LPガス料金負担軽減事業実績報告書(様式第2号)
- 対象顧客値引前後比較表(別紙2A:内税表記用 or 別紙2B:外税表記用)
- システム改修に係る領収書等の写し(システム改修費を申請する場合のみ)
- 申請者の振込先口座情報が分かる通帳等の写し
- (事務局から求められた場合)値引きの事実が確認できる検針票や請求書の写し等
5. 採択のための重要ポイントと注意点
本補助金は要件を満たしていれば基本的に採択されるものですが、不正行為や手続きの不備があると交付決定が取り消される可能性があります。以下の点を必ず守ってください。
厳守すべき注意点
- 事業趣旨を逸脱した行為の禁止: 補助金の支援対象期間に合わせて恣意的にガス料金を値上げするなど、事業の趣旨から外れた行為は認められません。
- 虚偽記載の禁止: 提出書類に虚偽の記述は絶対に行わないでください。不正受給と判断された場合、補助金の返還に加え、年率10.95%の加算金が課されます。
- 交付決定前の値引きは対象外: 必ず「交付決定通知書」を受け取ってから値引き事業を開始してください。フライングは補助対象外です。
- 期限の厳守: 実績報告書が期限までに提出されない場合、補助金は交付されません。
- 書類の保管義務: 本事業に関するすべての関係書類は、事業終了後5年間(令和12年度末まで)保存する義務があります。
顧客への値引き明示方法
顧客への値引きを行った際は、検針票や請求書にその旨を明記することが原則です。これにより、顧客は県の支援事業による恩恵であることを認識できます。
- 記載例:「埼玉県の補助(または県の補助)により、上限1,500円で値引きを行いました。」
- ゴム印や手書きでの記載も認められます。
- 検針票や請求書とは別の紙で通知する方法も可能です。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 顧客への請求額が1,500円(税抜)に満たない場合はどうなりますか?
A1. その場合の補助額(値引き額)は、当該請求額(税抜)が上限となります。例えば、税抜請求額が1,200円であれば、1,200円の値引きとなり、補助額も1,200円です。
Q2. 交付申請時に届け出た対象顧客数と、実績報告時の顧客数が変わってしまいました。
A2. 問題ありません。補助金の額は実績報告書の内容に基づいて確定されるため、申請後に顧客数に増減があっても大丈夫です。ただし、大幅に増加する見込みとなった場合は、事前に事務局へ連絡してください。
Q3. 埼玉県以外の自治体からも同様の補助金を受けます。システム改修費の扱いはどうなりますか?
A3. 他の自治体の補助事業と共通のシステム改修を行った場合、システム改修経費は按分計算が必要です。埼玉県の対象顧客数と他の自治体の対象顧客数の比率に応じて、補助対象額が算出されます。詳細は申請の手引きをご確認ください。
Q4. 書類は紙で印刷して郵送しても良いですか?
A4. 原則として、公式サイトの申請フォーム等から電子データで提出する必要があります。審査の迅速化のため、申請書等はExcel形式での提出が推奨されています。
Q5. LPガスは災害時の重要なライフラインですか?
A5. はい。LPガスは個別に供給が可能な「分散型エネルギー」であり、災害時にも復旧が早いという特徴があります。国の「首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画」などでも、避難所や重要施設への燃料供給源として重要な役割を担うことが期待されています。本補助事業は、その安定供給を支える事業者への支援という側面も持っています。
7. まとめ
「埼玉県LPガス料金負担軽減補助事業(第4回)」は、物価高騰に悩む顧客の負担を軽減し、事業者自身の経営も支援する、非常に有益な制度です。値引き原資だけでなく、事務経費やシステム改修費までカバーされるため、積極的に活用を検討すべきでしょう。
申請期間は2025年8月29日から10月31日までと限られています。交付決定後に事業を開始する必要があるため、早めに準備を進めることが重要です。まずは公式サイトで最新情報や申請様式を確認し、計画的な申請を心がけましょう。
詳細の確認・申請は公式サイトから