事業概要
「秋田県夢ある畜産経営ステップアップ支援事業」は、秋田県内の畜産業のさらなる発展を目指すための補助金制度です。複合型生産構造への転換を加速させ、特に中山間地域など条件不利地での畜産を核とした地域活性化を図ることを目的としています。意欲ある農業者が経営規模の拡大やスマート農業の導入、省力化などを進める際の経費の一部を支援し、収益性の高い農業経営体の育成を目指します。
事業期間は令和4年度から令和7年度までとなっており、秋田牛の増頭、スマート農業技術の導入、比内地鶏の生産拡大など、多岐にわたるメニューが用意されています。
補助対象者
本事業の対象となるのは、秋田県内で意欲的に畜産経営に取り組む以下の農業者や団体です。
- 認定農業者
- 畜産クラスター計画の中心的経営体
- 機械共同利用集団
- 堆肥共同利用集団
- 認定就農者
- 公共牧場管理運営主体
支援内容・補助率・上限額
本事業では、畜産経営のステップアップに向けた7つの支援メニューが用意されています。原則として補助率は事業費(税抜)の1/3以内ですが、非農家出身の新規就農者の場合は1/2以内に拡充されます。以下に各メニューの詳細をまとめました。
| メニュー | 助成対象 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 1. 秋田牛増頭 | 繁殖雌牛導入(外部・自家保留)、肥育素牛導入、飼養管理施設・附帯機械の整備 | ・繁殖雌牛(外部導入): 1/3以内(上限197,000円/頭) ・繁殖雌牛(自家保留): 定額80,000円以内/頭 ・肥育素牛: 14,000円(1/2相当) ・施設・機械: 1/3以内(上限1,000万円) |
| 2. スマート農業推進 | ほ乳ロボット、自動給餌機、分娩・発情監視システム、行動モニタリング装置、ICT放牧牛管理システムなど | 1/3以内(上限1,000万円) |
| 3. 泌乳能力向上 | 乳用初妊牛の導入 | 1/3以内(上限220,000円/頭) |
| 4. 比内地鶏生産拡大 | 飼養管理施設、附帯資材、機械の整備 | 1/3以内(上限1,000万円) |
| 5. 持続的な畜産推進 | 自給飼料生産機械、草地整備改良、稲わら用保管施設、堆肥散布用機械、堆肥関連施設・機械の整備 | 1/3以内 ・機械整備: 上限1,000万円 ・草地整備: 上限20,000円/10a ・施設(新築): 上限20,000円/㎡ ・施設(補改修): 上限200万円 |
| 6. 省コスト・省エネ化 | バルククーラー、ヒートポンプ等の省エネ機械、機械設置に伴う施設補改修 | 1/3以内(上限1,000万円) |
| 7. 新規就農者支援 | メニュー1~5の取組、特養家畜素畜導入・施設整備、その他就農計画の実現に必要な機械・施設等 | 1/3以内(非農家出身者は1/2以内)。上限額はメニュー1~5に準ずる。 |
注意点
- 補助率は、消費税及び地方消費税を抜いた事業費に対するものです。
- メニュー別の補助金額において、千円未満の端数は切り捨てられます。
- 肥育素牛及びスマート農業機械を除き、補助金額が100,000円未満となる事業は補助対象外です。
申請方法・問い合わせ先
本事業の利用を希望する場合、まずはお住まいの市町村の農林担当課、または管轄の地域振興局農林部農業振興普及課へご相談ください。
年度ごとに需要調査が行われ、それに基づいて予算が配分されるため、早めの相談が重要です。例えば、湯沢市では令和6年度当初の需要調査は終了しており、追加要望調査がある場合は所属団体経由で案内されるとのことです。各自治体で手続きやスケジュールが異なる可能性があるため、必ず担当窓口で詳細を確認してください。
まとめ
「秋田県夢ある畜産経営ステップアップ支援事業」は、秋田県の畜産農家が経営基盤を強化し、収益性を向上させるための強力な後押しとなる制度です。特に、スマート農業の導入や施設整備といった大規模な投資に対して最大1,000万円の補助が受けられる点は大きな魅力です。また、新規就農者への手厚い支援も特徴です。
事業期間は令和7年度までとなっていますので、この機会を逃さず、自社の経営計画と照らし合わせながら、本事業の活用を検討してみてはいかがでしょうか。まずは最寄りの相談窓口へ問い合わせてみましょう。
対象者・対象事業
認定農業者、畜産クラスター計画の中心的経営体、機械共同利用集団、堆肥共同利用集団、認定就農者、公共牧場管理運営主体など、秋田県内で畜産業のステップアップを目指す意欲ある農業者。
必要書類(詳細)
事業計画書、見積書、認定農業者であることを証明する書類など。詳細は各市町村の担当窓口にご確認ください。
対象経費(詳細)
繁殖雌牛・肥育素牛の導入費用、飼養管理施設・附帯機械の整備費、スマート農業機械(ほ乳ロボット、自動給餌機、分娩・発情監視システム等)の導入費、乳用初妊牛の導入費、比内地鶏用飼養管理施設・機械の整備費、自給飼料生産機械・草地整備改良費、堆肥関連施設・機械の整備費、省コスト・省エネ化機械(バルククーラー等)の導入費など。