令和6年度ZEB実証事業の概要
2024年度(令和6年度)の注目すべき大型補助金として、経済産業省資源エネルギー庁が管轄する「住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業)」、通称「ZEB実証事業」が公募されています。この事業は、大規模な業務用建築物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を支援し、脱炭素社会の実現を加速させることを目的としています。補助上限額は単年度で最大5億円と非常に高額であり、大規模な省エネ投資を計画している事業者にとって絶好の機会です。
この補助金の3つの重要ポイント
- 高額な補助上限: 単年度事業で最大5億円、複数年度事業では最大10億円の補助が受けられます。
- 高い補助率: ZEB化に必要な設計費、設備費、工事費など、補助対象経費の2/3以内が補助されます。
- 大規模建築物が対象: 新築(10,000㎡以上)や既存建築物(2,000㎡以上)のZEB化プロジェクトが対象です。
補助対象事業の詳細
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 令和6年度 住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業) |
実施団体 | 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII) |
補助率 | 補助対象経費の2/3以内 |
補助上限額 | 5億円/年(複数年度事業は全体で10億円) |
公募期間 | 一次公募:2024年5月7日~6月4日 二次公募:2024年7月31日~8月28日(水) 17:00締切 |
補助対象者と対象建築物
本事業の対象となるのは、日本国内で事業を営む法人や個人事業主です。建築主だけでなく、ESCO事業者やリース事業者も共同申請が可能です。
- 対象者: 建築主等(所有者)、ESCO事業者、リース事業者など
- 対象建築物:
- 新築: 延べ面積10,000㎡以上
- 既存建築物(増築・改築・設備改修): 延べ面積2,000㎡以上
申請のための主要な交付要件
本補助金の申請には、専門的な要件が複数含まれています。計画段階から専門家と連携することが採択への鍵となります。
⚠️ 特に注意すべき要件
- ZEBプランナーの関与: SIIに登録された「ZEBプランナー」の関与が必須です。
- 第三者認証の取得: BELS等の第三者認証(『ZEB』, Nearly ZEB, ZEB Ready, ZEB Orientedのいずれか)を取得する必要があります。
- 先進技術の導入: WEBPRO未評価技術(全15項目)の中から1項目以上を導入することが求められます。
- BEMSの導入とデータ報告: エネルギー管理システム(BEMS)を導入し、事業完了後5年間、エネルギー使用状況等を報告・公表することが義務付けられます。
- ZEBリーディング・オーナー登録: 採択後、SIIが指定する期日までに「ZEBリーディング・オーナー」として登録を完了する必要があります。
補助対象となる経費
補助金の対象となるのは、ZEB化に直接的に資する費用です。具体的には以下の経費が認められます。
経費区分 | 具体例 |
---|---|
設計費 | 建築設計、設備設計等の実施設計費、BELS等第三者認証取得費用、掛かり増し費用の算出・積算費用 |
設備費 | 高性能建材(断熱材、窓)、高効率な空調・換気・照明・給湯設備、BEMS装置、蓄電システムなど |
工事費 | 補助対象となるシステム・機器の据付に不可欠な工事費用(基礎工事、搬入据付、試運転調整費など) |
申請から補助金受給までの流れ
-
1公募・申請: 公募期間内にjGrantsを通じて電子申請を行います。ZEBプランナーと連携し、事業計画書や各種書類を準備します。
-
2審査・交付決定: 審査委員会による審査を経て、採択事業が決定され、交付決定通知が発行されます。
-
3事業開始: 交付決定日以降に、工事契約や設備発注を行い、事業を開始します。
-
4事業完了・実績報告: 事業期間内に工事や支払いを全て完了させ、実績報告書をSIIに提出します。
-
5確定検査・補助金支払: 書類審査や現地調査を経て補助金額が確定し、指定口座に補助金が振り込まれます。
まとめと公式情報
「令和6年度ZEB実証事業」は、大規模建築物の省エネ化・脱炭素化を強力に後押しする非常に魅力的な補助金です。要件は複雑ですが、ZEBプランナー等の専門家と早期に連携し、計画的に準備を進めることで、採択の可能性は高まります。二次公募の締切が迫っていますので、対象となる事業者はぜひ申請をご検討ください。