この記事のポイント
- 中小企業の成長を後押しする「中小企業生産性革命推進事業」の全体像がわかる
- 「ものづくり」「持続化」「IT導入」「事業承継」の4大補助金の概要と目的を理解できる
- 自社に合った補助金を見つけ、申請準備を始めるための第一歩が踏み出せる
中小企業生産性革命推進事業とは?
中小企業生産性革命推進事業は、人手不足や賃上げ、インボイス制度への対応など、中小企業・小規模事業者が直面する様々な課題を乗り越えるために、国が一体となって支援する事業です。この事業の核となるのが、設備投資、IT導入、販路開拓、事業承継といった取り組みを強力に後押しする4つの主要な補助金です。
POINT
これらの補助金は、単なる資金援助ではなく、企業の生産性を向上させ、持続的な成長を促すことを目的としています。自社の課題に合った補助金を活用することで、事業の飛躍的な発展が期待できます。
事業の核となる4大補助金を徹底解説
生産性革命推進事業には、目的や用途に応じて4つの主要な補助金が用意されています。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに最適なものを選びましょう。
1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)
革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資などを支援します。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)に資する取り組みが重点的に支援されます。
2. 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)
小規模事業者が経営計画に基づいて行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する、非常に人気の高い補助金です。チラシ作成やウェブサイト改修、店舗改装など、幅広い経費が対象となるのが特徴です。
3. サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)
会計ソフトや受発注システム、決済ソフトといったITツールの導入を支援し、業務効率化や売上アップを後押しします。インボイス制度に対応するための「デジタル化基盤導入枠」なども用意されています。
4. 事業承継・引継ぎ補助金
事業承継やM&Aをきっかけとした経営革新や、事業の引継ぎに伴う専門家活用、廃業にかかる費用などを支援します。円滑なバトンタッチと、事業承継後の新たなチャレンジをサポートします。
補助金名 | 主な目的 | 補助上限額(目安) |
---|---|---|
ものづくり補助金 | 設備投資、サービス開発 | 750万円~ |
持続化補助金 | 販路開拓、業務効率化 | 50万円~200万円 |
IT導入補助金 | ITツール導入 | 5万円~450万円 |
事業承継・引継ぎ補助金 | M&A、経営革新 | 最大800万円 |
※補助上限額は申請枠や要件により変動します。必ず最新の公募要領をご確認ください。
補助金申請の基本的な流れ
どの補助金にも共通する、申請から受給までの大まかな流れを把握しておきましょう。
- 情報収集と公募要領の確認:公式サイトで最新の公募情報を確認し、自社が要件に合うか、対象経費は何かを熟読します。
- 事業計画の策定:補助金を使って「何を」「どのように」実現したいのか、具体的で説得力のある事業計画書を作成します。
- 申請手続き:原則として、電子申請システム「Jグランツ」を利用して申請します。GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。
- 審査・採択発表:事務局による審査が行われ、採択結果が公式サイトで公表されます。
- 交付決定・事業実施:採択後、交付決定通知を受けてから事業を開始します。交付決定前の発注・契約は補助対象外となるため注意が必要です。
- 実績報告と補助金受給:事業完了後、実績報告書と証拠書類を提出し、検査を経て補助金額が確定・支払われます。
まとめ
中小企業生産性革命推進事業は、変化の激しい時代を乗り越えようとする中小企業・小規模事業者にとって、非常に心強い味方です。自社の課題解決や成長戦略に合致する補助金を見つけ、積極的に活用を検討しましょう。
各補助金の公募スケジュールや詳細な要件は頻繁に更新されます。まずは公式サイトで最新情報を確認することから始めてみてください。