令和7年度 短期入院協力事業補助金の概要
自動車事故による重度後遺障害をお持ちの方々が、介護者の休息(レスパイト)や専門的なリハビリのために安心して短期入院できる環境を整備するため、国土交通省が「短期入院協力病院」の設備導入や体制強化を支援する補助金です。令和7年度は申請手続きや補助率が見直され、より活用しやすくなりました。
制度のポイント
- ✓対象者: 国土交通省指定の「短期入院協力病院」
- ✓補助額: 最大800万円(入院施設支援費) + 利用促進等事務費
- ✓補助対象: 特殊浴槽やリハビリ機器等の設備導入、研修参加、広報活動など
- ✓申請期限: 事業完了時期に応じ3回に分けて設定(最終: 令和8年3月16日)
令和7年度の主な変更点【昨年度からのアップデート】
本事業をより有効に活用いただくため、令和7年度から申請手続きや補助率が変更されました。主なポイントは以下の通りです。
変更点サマリー
- 申請期限の変更: 年度末の業務集中を避けるため、事業完了時期に応じて申請期限が3回に分割されました。これにより、計画的な申請が可能になります。
- 補助率の簡素化: 従来の複雑な補助率体系が見直されました。重度後遺障害者の短期入院に一般的に使用する医療器具・用具等は「定額」補助、それ以外で国土交通省が認めるものは「1/2」補助へと分かりやすくなりました。
補助対象となる2つの事業
本補助金は、大きく分けて「入院施設支援費」と「利用促進等事務費」の2つの経費を支援します。
① 入院施設支援費
在宅の重度後遺障害者が安心・安全に短期入院できるよう、医療器具や用具等の導入にかかる経費を支援します。
補助対象となる医療器具・用具の具体例
- 特殊浴槽、介護用リフト、ストレッチャー
- 病室内監視カメラ装置、医用テレメーター
- 意思伝達装置、パルスオキシメーター
- 褥瘡(床ずれ)予防対策用具(マットレス等)
- 痰吸引装置、空気清浄機
- 各種リハビリ機器(電気刺激装置、歩行練習装置など)
- 災害用発電器
② 利用促進等事務費
短期入院の利用促進や、治療・看護の質の向上を図るための事務的な経費を支援します。
4つの対象経費
- 研修等経費: 治療・看護技術向上のための研修参加や開催費用。
- 備品類導入費: 医学図書やDVDなど、知識向上に必要な備品購入費。
- 広報活動費: パンフレットやWebページ作成など、制度周知のための広報費用。
- 短期入院プラン作成費: 入院前の在宅訪問や入院計画表作成にかかる費用。
補助率と補助上限額
補助上限額(入院施設支援費)
入院施設支援費の補助上限額は、直近の介護料受給者の受入実績(延べ人数・日数)に応じて、400万円から最大800万円の範囲で変動します。
延べ受入人数 | 延べ受入日数 | 補助上限額 |
---|---|---|
10人以上 | 150日以上 | 800万円 |
7~9人 | 100~149日 | 700万円 |
4~6人 | 50~99日 | 600万円 |
1~3人 | 1~49日 | 500万円 |
0人 | 0日 | 400万円 |
補助率
補助率は、対象となる経費や品目によって異なります。
経費区分 | 補助率 | 内容 |
---|---|---|
入院施設支援費 (1) | 定額 | 一般的に使用する特定の医療器具・用具等(特殊浴槽、車椅子、痰吸引装置など) |
入院施設支援費 (2) | 1/2 | (1)に該当しないもので、国土交通省が認める医療器具・用具等 |
利用促進等事務費 | 定額 | 研修、備品、広報、プラン作成にかかる費用 |
申請期間とスケジュール
令和7年度の申請は、補助対象事業の完了時期によって3回に分けて設定されています。期限を過ぎると申請できなくなりますのでご注意ください。
申請回 | 補助対象事業の完了期間 | 申請期限 |
---|---|---|
第1回 | 令和7年4月1日~令和7年12月31日 | 令和8年1月20日(火) |
第2回 | 令和8年1月1日~令和8年1月31日 | 令和8年2月16日(月) |
第3回 | 令和8年2月1日~令和8年3月31日 | 令和8年3月16日(月) |
申請から交付までの流れ
補助金の申請は以下の流れで進みます。特に、事業着手前の「事前相談」が推奨されています。
- 事前相談(推奨)
導入したい設備が補助対象になるかなど、事業に着手する前に「自動車事故被害者支援体制等整備事業事務局」へ相談します。これにより、事業完了後に対象外と判明するリスクを回避できます。 - 事業の実施・完了
相談内容に基づき、医療器具の導入や研修の実施など、補助対象事業を完了させます。 - 申請書類の提出
事業完了後、上記の申請期限内に必要書類を事務局へ提出します。 - 審査・交付決定
提出された書類に基づき審査が行われ、補助金の交付が決定されます。 - 補助金の交付
交付決定後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
【重要】事前相談を活用しましょう
事前相談なしでも申請は可能ですが、もし実施した事業が補助対象外と判断された場合、補助金は交付されません。高額な設備投資を計画している場合は特に、必ず事業着手前に事務局へ相談することを強くお勧めします。
まとめ
「令和7年度 短期入院協力事業補助金」は、自動車事故による重度後遺障害者の受入体制を強化する協力病院にとって、非常に価値のある支援制度です。患者様とご家族の安心、そして医療スタッフの負担軽減のために、本補助金の活用をぜひご検討ください。
お問い合わせ先
担当窓口: 自動車事故被害者支援体制等整備事業事務局
※具体的な連絡先は、国土交通省の公式サイトまたは関連資料をご確認ください。