小規模事業者持続化補助金<一般型>とは?
小規模事業者持続化補助金<一般型>は、小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営に向けて作成した経営計画に基づく地道な販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度です。チラシ作成やネット広告、店舗改装など、幅広い経費に活用できるため、多くの事業者にとって非常に人気の高い補助金です。
この記事のポイント
- 小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援
- 補助上限は通常枠50万円、特別枠なら最大200万円
- ホームページ制作、広告宣伝、店舗改装など幅広い経費が対象
- 申請には商工会・商工会議所のサポートが必須
本記事では、令和元年度補正・令和3年度補正予算で実施された公募要領(第6版)を基に、制度の概要を分かりやすく解説します。公募は複数回実施されており、回次によって要件が異なる場合がありますので、申請を検討する際は必ず最新の公募要領を公式サイトでご確認ください。
補助金の概要(第11回締切分ベース)
まずは、制度の骨子となる基本情報を表で確認しましょう。
補助金名 | 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> |
目的 | 小規模事業者の持続的発展のため、経営計画に基づく販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する。 |
補助上限額 | 通常枠: 50万円 特別枠: 最大200万円(賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠) インボイス枠: 100万円 |
補助率 | 2/3 ※賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4 |
対象者 | 常時使用する従業員数が規定以下の小規模事業者等 ・商業/サービス業(宿泊・娯楽業除く): 5人以下 ・宿泊業/娯楽業: 20人以下 ・製造業その他: 20人以下 |
申請受付締切 (第11回) |
2023年2月20日(月)※終了済み |
選べる申請枠と補助上限額
本補助金には、基本となる「通常枠」の他に、特定の要件を満たすことで補助上限額が引き上げられる5つの「特別枠」があります。自社の状況に合わせて最適な枠を選択することが重要です。
通常枠
全ての小規模事業者が対象となる基本的な枠です。販路開拓や業務効率化の取り組みに対して、最大50万円(補助率2/3)が補助されます。
特別枠(補助上限最大200万円)
- 賃金引上げ枠 (上限200万円): 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とした事業者向け。赤字事業者は補助率が3/4に引き上げられます。
- 卒業枠 (上限200万円): 従業員を増やし、小規模事業者の定義を超える規模へ成長する事業者向け。
- 後継者支援枠 (上限200万円): 「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者向け。
- 創業枠 (上限200万円): 特定創業支援等事業による支援を受け、過去3年以内に開業した事業者向け。
インボイス枠(補助上限100万円)
免税事業者からインボイス発行事業者に転換する事業者向けに、補助上限額が100万円に引き上げられます。
補助対象となる経費
販路開拓や業務効率化に関する幅広い経費が対象となります。ここでは代表的な経費区分と具体例を紹介します。
経費区分 | 具体例 |
---|---|
①機械装置等費 | 製造用のオーブン、顧客管理ソフト、3Dプリンターなど |
②広報費 | チラシ・カタログ作成、新聞・雑誌広告、看板作成など |
③ウェブサイト関連費 | ホームページ作成・更新、ネット広告、ECサイト構築、SEO対策など ※補助金申請額の1/4が上限 |
④展示会等出展費 | 国内外の展示会・商談会の出展料、関連の運搬費など |
⑪委託・外注費 | 店舗改装工事、バリアフリー化工事、専門家への相談費用など |
その他 | 旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費 |
対象外経費の注意点
パソコン、タブレット、文房具などの汎用性が高く目的外使用になりえるものは対象外です。また、補助金の申請手続きや実績報告にかかる費用、振込手数料、各種税金(消費税など)も対象となりません。
申請から補助金受給までの流れ
申請には地域の商工会・商工会議所との連携が不可欠です。早めに相談を開始しましょう。
-
1
経営計画書・補助事業計画書の作成
自社の強みや市場を分析し、販路開拓の具体的な計画を作成します。 -
2
商工会・商工会議所へ相談
作成した計画書を持参し、内容の確認と助言を受け、「事業支援計画書(様式4)」の作成を依頼します。 -
3
申請書類の提出
必要な書類を全て揃え、電子申請(Jグランツ)または郵送で事務局に提出します。 -
4
採択・交付決定
審査を経て採択が決定すると「採択通知書」、その後「交付決定通知書」が届きます。事業の開始(発注・契約)は交付決定通知書の日付以降です。 -
5
補助事業の実施・実績報告
計画に沿って事業を実施し、期間内に支払いを完了させます。事業終了後、証拠書類を添えて実績報告書を提出します。 -
6
補助金の請求・受給
実績報告書の審査後、補助金額が確定します。その後、請求書を提出し、補助金が振り込まれます(精算払い)。
まとめと次のステップ
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓を目指す事業者にとって強力な味方となる制度です。計画書の作成は大変ですが、自社の経営を見つめ直す良い機会にもなります。
この補助金は非常に人気が高く、定期的に公募が行われています。この記事で解説した内容は過去の公募情報ですが、基本的な枠組みは引き継がれることが多いです。最新の公募情報や詳細な要件については、必ず公式サイトをご確認ください。