自治会や町内会といった地域のコミュニティ活動は、そこに住む人々にとって非常に重要です。しかし、「イベントを開催したいけど備品が足りない」「集会所が古くなってきた」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。そんな地域活動の活性化を支援するため、一般財団法人 自治総合センターが実施しているのが「コミュニティ助成事業」です。
この事業は、宝くじの社会貢献広報事業として、地域の共同活動に必要な施設や設備の整備を支援するもので、多くの自治会・町内会に活用されています。実際に、令和7年度には栃木県小山市の自治会が2,000万円の助成を受け、公民館を建設するなど、具体的な成果も出ています。この記事では、コミュニティ助成事業の概要から申請方法、採択のポイントまで詳しく解説します。
この記事のポイント
自治会や町内会などのコミュニティ組織が対象の助成金
備品購入から施設建設まで、幅広い事業が支援対象
助成額は事業内容により100万円~2,500万円
申請は市区町村を通じて行うため、まずは役所への相談が必須
令和7年度コミュニティ助成事業の概要
コミュニティ助成事業は、地域のコミュニティ活動の充実・強化を図ることで、地域社会の健全な発展と住民福祉の向上を目指すものです。事業内容に応じて、いくつかの種類に分かれています。
助成事業の種類と助成額
主な助成事業は以下の通りです。ご自身の団体の活動内容に合った事業を選びましょう。
事業区分
助成額
主な対象事業
一般コミュニティ助成金
100万円~250万円
テント、テーブル、音響設備、祭り用具などの備品整備
コミュニティセンター助成金
上限1,500万円(建築面積1㎡あたり10万円)
集会施設(コミュニティセンター、公民館等)の新築、改修
地域防災組織育成助成金
30万円~200万円
自主防災組織が行う地域の防災活動に必要な資機材の整備
青少年健全育成助成金
30万円~100万円
青少年の健全育成に資するソフト事業(スポーツ・文化活動など)
※上記以外にも複数の事業区分があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
助成対象となる団体・条件
この助成金の対象は、市町村が認めるコミュニティ組織です。具体的には以下のような団体が該当します。
自治会、町内会
地区コミュニティ推進協議会
自主防災組織 など
⚠️ 注意点
宗教団体、営利団体、政治活動や選挙活動を行う団体は対象外です。また、団体の規約や代表者が明確であること、財産管理が適切に行われていることなどが基本的な要件となります。
申請から助成までの流れ
コミュニティ助成事業の申請は、団体から直接自治総合センターへ行うことはできません。必ず市区町村を通じて申請する必要があります。
STEP 1: 市区町村への相談・申請まずは、お住まいの市区町村の担当課(地域振興課、市民協働課など)に相談します。申請の意思がある場合、市町村が定める期限までに必要書類を提出します。
STEP 2: 市区町村から都道府県への申請市区町村は、提出された申請内容を審査し、優先順位をつけて都道府県へ提出します。
STEP 3: 都道府県から自治総合センターへの申請都道府県は、管内の市区町村から集まった申請を取りまとめ、自治総合センターへ申請します。
STEP 4: 審査・決定自治総合センターで審査が行われ、助成団体が決定されます。決定は例年4月頃に通知されます。
【具体事例】栃木県小山市「駅東通り二丁目自治会」の採択ケース
令和7年度の助成事業では、栃木県小山市の「駅東通り二丁目自治会」がコミュニティセンター助成金に採択されました。これは、地域の活動拠点を整備する素晴らしい事例です。
小山市 採択事例の詳細
実施主体: 駅東通り二丁目自治会
助成事業名: コミュニティセンター助成金
事業内容: コミュニティセンター(公民館)の建設
助成決定額: 2,000万円
この事例のように、老朽化した集会所の建て替えや、新たな地域拠点の建設に本助成金を活用することができます。高額な建築費用の一部が助成されることで、地域コミュニティの長年の課題解決につながります。
申請のポイントと注意点
採択されるためには、いくつかのポイントがあります。
市区町村との連携を密にする: 申請窓口である市区町村の協力は不可欠です。事業の必要性や計画の妥当性を担当者によく説明し、理解を得ることが重要です。
事業の公益性・必要性を明確にする: なぜその備品や施設が必要なのか、整備することで地域にどのような良い影響があるのかを具体的に示しましょう。
計画の具体性と実現可能性: 見積もりを取得し、現実的な事業計画と収支予算書を作成することが求められます。
早めの準備を心がける: 市区町村の募集期間は限られています(例年夏~秋頃)。次年度の事業に向けて、春頃から準備を始めることをお勧めします。
まとめ:まずは市区町村の担当課に相談しよう!
コミュニティ助成事業は、自治会や町内会などの地域活動を財政的に力強く後押ししてくれる制度です。備品の購入から施設の建設まで、幅広いニーズに対応しており、宝くじの収益が財源となっているため、住民への貢献度も高い事業と言えます。
この助成金に興味を持たれた方は、まずはお住まいの市区町村の担当課(地域振興課、市民協働課など)へ相談することから始めてみましょう。あなたの地域の活性化に向けた第一歩となるかもしれません。
公式サイトで詳細を確認する
対象者・対象事業
市町村が認めるコミュニティ組織(自治会、町内会、自主防災組織など)
必要書類(詳細)
1. 助成申請書
2. 事業計画書
3. 収支予算書
4. 団体の規約、会則
5. 役員名簿
6. 見積書
※その他、市区町村が指定する書類が必要になる場合があります。詳細は申請先の市区町村にお問い合わせください。
対象経費(詳細)
【一般コミュニティ助成金】テント、椅子、テーブル、音響設備、プロジェクター、印刷機、草刈機、発電機、祭り用具(山車、みこし等)などのコミュニティ活動に直接必要な備品の購入費。
【コミュニティセンター助成金】自治会や町内会が所有・管理する集会施設(コミュニティセンター、公民館等)の新築、大規模修繕、増改築、耐震化工事等に係る経費。
【地域防災組織育成助成金】自主防災組織が防災活動に直接必要な資機材(消火用具、救出用具、避難用具、情報伝達用具、非常用食料等)の整備費。
※事業区分により対象経費は異なります。
対象者・対象事業
市町村が認めるコミュニティ組織(自治会、町内会、自主防災組織など)