障害者作業施設設置等助成金とは?障害者雇用を支援する制度
障害者作業施設設置等助成金は、障害のある方を雇用、または継続して雇用する事業主が、その方が働きやすいように職場環境を整備する際の費用を支援する制度です。独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営しており、障害者の雇用促進と職場定着を目的としています。
この助成金のポイント
- 障害者が安全かつ効率的に作業できるよう、施設や設備の設置・整備費用を助成
- 購入や建築だけでなく、賃借による設置も対象になる場合がある
- 助成率は原則3分の2、1事業所あたり年度内最大4,500万円まで
- 新規雇用だけでなく、既存従業員の職場環境改善にも活用可能
助成金の基本情報
| 助成金名 | 障害者作業施設設置等助成金 |
|---|---|
| 実施機関 | 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) |
| 対象事業主 | 障害者を雇用、または継続雇用する事業主で、施設等の整備がなければ雇用継続が困難と認められる者 |
| 助成率 | 2/3 |
| 支給限度額(第1種) | ・対象障害者1人につき450万円 ・作業設備は1人につき150万円 ・同一事業所・同一年度で4,500万円 |
| 申請期限 | 原則、対象障害者の雇入れ日等から6ヶ月以内 |
助成金の2つの種類【第1種・第2種】
この助成金は、施設や設備の整備方法によって2つの種類に分かれています。事業計画に合わせて適切な方を選択しましょう。
第1種作業施設設置等助成金(購入・建築)
作業施設や設備を建築、購入、改修する場合に適用されます。自社物件のバリアフリー化や、専用設備の導入など、長期的な投資に適しています。
第2種作業施設設置等助成金(賃借)
作業施設や設備を賃借する場合に適用されます。初期投資を抑えたい場合や、一時的なプロジェクトで設備が必要な場合に有効です。
助成対象となる施設・設備の具体例
助成対象は、障害の特性に応じて作業を容易にするためのものであり、「事業に本来必要な設備」と判断されるものは対象外となるため注意が必要です。
対象となるもの
- 作業施設: 障害者が主たる作業を行う場所の改修(例:床の段差解消、防音室の設置)
- 附帯施設: 作業施設への動線上にある施設のバリアフリー化(例:スロープの設置、手すりの取り付け、車いす対応トイレへの改修)
- 作業設備: 障害特性を補うための専用設備(例:視覚障害者用拡大読書器、聴覚障害者用音声認識ソフト、肢体不自由者用作業椅子、手動運転装置付き車両への改造)
対象外となるケース
- 事業を行う上で本来必要な設備(例:一般的なパソコン、机、椅子)
- 単なる作業効率の向上を目的とした設備
- 自社屋の新築に伴うバリアフリー化
- 消耗品
申請から受給までの流れ
本助成金は、必ず事前に「受給資格認定申請」を行い、認定を受けてから事業に着手する必要があります。手順を間違えると助成金が受け取れなくなるため、注意深く進めましょう。
-
ステップ1:受給資格認定申請
事業所の所在地を管轄するJEED都道府県支部に、認定申請書と事業計画書、見積書などの必要書類を提出します。雇入れ日等から6ヶ月以内という期限があるため、早めに準備を開始しましょう。
-
ステップ2:施設・設備の設置・整備に着手
JEEDから受給資格の認定通知を受けた後に、工事や購入の契約・発注を行います。認定前の着手は原則認められません。(※緊急の場合は「事前着手申出書」の提出で申請日以降の着手が可能です)
-
ステップ3:支給請求
工事や設備の設置が完了し、支払いが終わったら、JEEDに支給請求書と完了報告書、支払関係書類などを提出します。審査を経て、助成金が振り込まれます。
⚠️ 申請時の重要注意点
- 事前着手は厳禁: 必ずJEEDの認定を受けてから契約・発注してください。
- 相見積もりの取得: 支給対象費用が150万円以上の場合は原則3者以上、1,000万円を超える場合は一般競争入札等が必要です。
- 書類の準備: 申請には事業計画書や図面など、専門的な書類が多く必要です。不明な点は早めに管轄のJEED支部に相談しましょう。
まとめ
障害者作業施設設置等助成金は、障害のある方が能力を最大限に発揮できる職場環境を整えるための強力なサポート制度です。申請手続きは複雑ですが、計画的に進めることで、企業のダイバーシティ推進と人材確保に大きく貢献します。まずは公式サイトで詳細を確認し、管轄のJEED支部へ相談することから始めましょう。
対象者・対象事業
障害者を常用労働者として雇い入れるか、継続して雇用する事業主。ただし、施設等の設置・整備がなければ障害者の雇用・継続が困難と認められる場合に限る。
必要書類(詳細)
受給資格認定申請書、チェックリスト、支給要件確認申立書、事業計画書、見積書、図面、障害者手帳の写しなど。詳細は公式サイトの様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
障害者の作業を容易にするための作業施設(作業場所)、附帯施設(トイレ、スロープ等)、作業設備(拡大読書器、改造車両等)の設置・整備(購入・建築・改修)にかかる費用。事業に本来必要な設備や消耗品は対象外。
対象者・対象事業
障害者を常用労働者として雇い入れるか、継続して雇用する事業主。ただし、施設等の設置・整備がなければ障害者の雇用・継続が困難と認められる場合に限る。
必要書類(詳細)
受給資格認定申請書、チェックリスト、支給要件確認申立書、事業計画書、見積書、図面、障害者手帳の写しなど。詳細は公式サイトの様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
障害者の作業を容易にするための作業施設(作業場所)、附帯施設(トイレ、スロープ等)、作業設備(拡大読書器、改造車両等)の設置・整備(購入・建築・改修)にかかる費用。事業に本来必要な設備や消耗品は対象外。