有機JAS・GAP認証を取得して海外へ!輸出を目指す農業者を支援する補助金
日本の高品質な農産物や食品を海外に届けたいとお考えの農業者・事業者様へ朗報です。農林水産省は、海外市場で信頼の証となる有機JAS認証やGAP認証の取得を支援し、輸出拡大を後押しする「有機JAS認証、GAP認証取得等支援事業」の公募を開始しました。この事業は、認証取得にかかる費用だけでなく、海外バイヤーとの商談会出展や輸出向けの商品開発、さらには必要な機械のリース費用まで幅広くサポートするものです。本記事では、この魅力的な補助金の詳細と申請方法を分かりやすく解説します。
補助金の概要
本事業の目的は、有機JAS認証やGLOBALG.A.P.などの国際的に通用する認証の取得を促進し、日本の農林水産物・食品の輸出競争力を強化することです。事業実施主体である株式会社マイファームが、申請の受付から事業完了までのサポートを行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 令和6年度補正 有機JAS認証、GAP認証取得等支援事業 |
| 実施組織 | 農林水産省(事業実施主体:株式会社マイファーム) |
| 対象者 | 有機JAS認証やGAP認証を新規に取得し、農産物等の輸出を目指す農業者、農業法人、関連事業者など |
| 公募期間 | 2024年5月~11月まで毎月公募(※予算枠に達し次第終了) |
| 最終報告期限 | 2025年2月25日 |
補助対象となる事業者
この補助金を利用できるのは、以下の要件をすべて満たす事業者です。
- 対象となる組織:農業者、農事組合法人、農地所有適格法人、農業協同組合、その他農業者の組織する団体、有機加工食品の製造・流通・販売事業者、またはこれらを含む協議会。
- GFPへの登録:農林水産省の輸出プロジェクト「GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)」のコミュニティサイトに登録していること。
- 輸出目標の設定:以下のいずれかの目標を設定し、達成に向けて取り組むこと。
- 2026年度末までに、新たに有機農産物等の輸出を開始する。
- 2026年度中における輸出額または輸出数量を、2023年度比で105%以上とする。
- 事業期間中にGFPの輸出診断を受け、国内外の商談会に1回以上出展し、輸出計画を策定する。
- 目標が未達成の場合、自己負担で取り組みを継続することに同意すること。
- 事業終了後、農林水産省等が実施する輸出実績調査等に協力すること。
補助対象経費と補助率
支援対象となる取り組みは以下の4つです。このうち「認証取得」または「商談」のいずれかは必須となります。
| 支援内容 | 経費の例 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 01. 有機JAS認証取得 | 講習会受講料、申請料、実地検査費用、判定費用など | 1/2以内 |
| 02. 商談 | 国内外の展示商談会への出展費、通信運搬費、旅費、謝金など | 定額 |
| 03. 商品開発 | 輸出向け試作品開発にかかる原材料費、消耗品費、役務費など | 定額 |
| 04. 機械等のリース | 目標達成に必要な機械等のリース料、輸送費など | 1/2以内(上限200万円) |
※機械等のリース費用は、輸出目標として「新規輸出」または「輸出額増加」を設定した場合のみ選択可能です。
申請スケジュールと手続きの流れ
申請から補助金交付までの大まかな流れは以下の通りです。公募は毎月行われるため、計画に合わせて申請が可能です。
- 公募期間(5月~11月):公式サイトから実施要領や申請書類をダウンロードし、必要書類を準備します。
- 応募:提出期日までに、申請書類一式を事務局へ電子メールで提出します。
- 審査・選定:各月の募集締め切り後、2~3週間で審査結果が通知されます。
- 事業実施:交付候補者として選定された後、計画に沿って事業を実施します。
- 実績報告:事業が完了したら、最終報告期限(2025年2月25日)までに実績報告書を提出します。
- 補助金の交付:実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定した後に補助金が支払われます。
申請方法と注意点
申請は、原則として電子メールで行います。以下の点に注意して準備を進めてください。
- 申請先:株式会社マイファーム 有機JAS・GAP認証取得支援事務局
- メール件名:「令和6年度補正 有機JAS認証・GAP等認証取得等支援事業」と記載してください。
- 添付ファイル:申請書類はWord、Excelファイルのままで提出可能です。1メールあたりの容量は5MBまでです。
- 事前確認:申請前には必ず公式サイトの「実施要領」「Q&A」「記入案内」「チェックシート」を熟読し、不備のないようにしてください。
まとめ
「有機JAS認証、GAP認証取得等支援事業」は、認証取得というハードルを越え、海外市場への扉を開くための強力なサポート制度です。認証取得費用から商談、商品開発、設備投資(リース)まで、輸出に必要な一連の活動を包括的に支援してくれるのが大きな魅力です。公募は予算がなくなり次第終了となるため、輸出に挑戦したい事業者の皆様は、ぜひこの機会を逃さず、早めの情報収集と申請準備をお勧めします。まずは公式サイトで詳細を確認し、自社の輸出戦略にどう活かせるか検討してみてはいかがでしょうか。