社員旅行や修学旅行、サークル合宿などで貸切バスを手配する際、「費用がもう少し安くなれば…」と感じたことはありませんか？ 実は、全国の多くの自治体が、観光客誘致や地域活性化を目的として、貸切バスの利用に対する助成金・補助金制度を実施しています。これらの制度をうまく活用すれば、旅行費用を大幅に削減できる可能性があります。
この記事では、全国で利用できる貸切バス関連の助成金・補助金制度をエリア別に徹底解説します。申請のポイントや注意点も紹介しますので、団体旅行の幹事様やご担当者様はぜひ最後までご覧ください。
貸切バスで使える助成金・補助金とは？
貸切バスの助成金・補助金は、主に地方自治体や観光協会が、自身の地域への観光客誘致を促進するために設けている支援制度です。貸切バスを利用した団体旅行の経費の一部を補助することで、旅行の企画・実施を後押しすることを目的としています。
主な特徴は以下の通りです。
- 申請主体：多くは旅行会社経由での申請が条件ですが、学校や一般団体が直接申請できる制度もあります。
- 補助内容：「バス1台あたり〇万円」といった定額補助が一般的です。
- 利用条件：「指定の宿泊施設に〇泊以上」「参加者〇名以上」「特定の観光施設への立ち寄り」など、各制度で様々な条件が定められています。
これらの制度を活用することで、旅行費用を抑えつつ、食事や体験活動を充実させるなど、ワンランク上の旅行を実現できます。
【エリア別】全国の貸切バス助成金・補助金一覧
ここでは、全国の貸切バス助成金制度をエリア別に紹介します。多くの制度は予算がなくなり次第終了となるため、計画が決まったら早めに旅行会社へ相談しましょう。
※最新の情報は必ず各自治体の公式サイトをご確認ください。内容は2024年時点の情報を基にしています。
北海道・東北エリア
| 自治体・制度名 | 補助内容 | 主な対象条件 |
|---|---|---|
| 秋田県 教育旅行誘致助成金 |
バス1台あたり最大8万円 | 小中高校等の教育旅行。県内宿泊、体験学習などが条件。 |
| 山形県 天童市 誘客促進交通費支援事業 |
貸切バス1台2万円 | 東北外から出発する10名以上の団体ツアーで、市内に1泊以上。 |
| 宮城県 みやぎ教育旅行バス助成金 |
バス1台あたり最大7万円 | 宮城県外の学校が対象。県内バス会社の利用で増額。 |
| 福島県 教育旅行復興事業 |
バス経費の半額または最大15万円 | 県外の小中高校。県が推進する教育素材の導入などが条件。 |
関東エリア
| 自治体・制度名 | 補助内容 | 主な対象条件 |
|---|---|---|
| 千葉県 団体バスツアー優待プロモーション |
バス1台あたり3万円（加算あり） | 15名以上の団体で、県内2市町村以上の観光施設を訪問。 |
| 神奈川県 横須賀市 横須賀バスツアー助成金 |
バス1台あたり最大2万円 | 市外発着で、指定観光施設を2か所以上立ち寄るツアー。 |
中部・甲信越エリア
| 自治体・制度名 | 補助内容 | 主な対象条件 |
|---|---|---|
| 新潟県 上越市 旅行商品造成促進事業 |
バス1台あたり最大5万円 | 10名以上のツアーで、市内宿泊や施設立ち寄りが条件。 |
| 長野県 長野市 バスツアー造成支援金 |
バス1台あたり最大5万円 | 県外発着15名以上で、市内観光・宿泊を伴うツアー。 |
| 静岡県 県内グループ旅行商品造成支援 |
バス1台あたり最大3万円 | 10名以上で県内1泊以上、2日以上が平日であることが条件。 |
※上記以外にも、関西、中国、四国、九州・沖縄エリアなど全国各地で同様の制度が実施されています。
助成金申請の基本的な流れと注意点
助成金を利用する際の一般的な流れと、見落としがちな注意点を解説します。
申請の基本的な流れ
- 情報収集と計画：旅行の目的地や日程を決め、利用できそうな助成金を探します。
- 旅行会社へ相談：多くの制度は旅行会社経由での申請が必要です。計画段階で相談し、助成金利用の可否や条件を確認します。
- 事前申請：旅行会社が自治体へ交付申請書や事業計画書を提出します。（通常、旅行実施の10日～1ヶ月前まで）
- 交付決定：自治体から交付決定通知が届きます。※決定前に発生した費用は対象外になる場合が多いので注意。
- 旅行の実施：計画通りに旅行を実施します。宿泊証明書など、必要な書類を現地で受け取ります。
- 実績報告：旅行終了後、実績報告書や経費の領収書、宿泊証明書などを提出します。
- 補助金の受領：報告書の内容が承認されると、指定の口座に補助金が振り込まれます。
押さえておきたい3つの注意点
1. 予算上限と申請タイミング
人気の助成金は、年度の早い段階で予算上限に達し、受付を終了することがあります。旅行計画が決まったら、すぐに動くことが成功のカギです。
2. 申請者の条件
「申請は旅行会社に限る」というケースが非常に多いです。個人や団体で直接申請できない場合、助成金の利用に詳しい旅行会社を見つけることが重要になります。
3. 細かい条件の確認
「〇〇市内の飲食店での食事」「有料観光施設への立ち寄り」「平日を含む日程」など、助成金ごとにユニークな条件が設定されています。申請前に必ず公式サイトの要綱を隅々まで確認しましょう。
まとめ：助成金を活用して賢くお得に団体旅行を計画しよう
全国には、団体旅行の強い味方となる貸切バスの助成金・補助金が数多く存在します。特に、教育旅行や企業の研修旅行など、目的が明確な旅行は対象となりやすい傾向があります。
制度の多くは申請手続きが複雑に感じるかもしれませんが、団体旅行専門の旅行会社に相談すれば、最適な助成金の提案から申請代行までサポートしてくれる場合がほとんどです。まずは信頼できる旅行会社に問い合わせて、お得な団体旅行を実現しましょう。