詳細情報
2025年度(令和7年度)のトラック運送事業者向け「安全装置導入促進助成金」が発表されました。バックカメラや側方警報装置などの導入に対し、最大10万円が補助されます。この記事では、助成金の対象装置、助成額、申請方法、注意点まで、運送事業者の皆様が知りたい情報を分かりやすく解説します。所属のトラック協会で申請可能ですので、この機会にぜひご活用ください。
1. 2025年度 トラック安全装置導入促進助成金の概要
本助成金は、トラック運送事業における交通事故の防止を目的として、中小トラック運送事業者が先進的な安全装置を導入する際の経費の一部を国が支援する制度です。全日本トラック協会が窓口となり、各都道府県のトラック協会を通じて申請を受け付けます。ドライバーの安全確保と企業の社会的責任を果たす上で、非常に有効な制度と言えるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成金額 | 最大10万円(装置・地域により異なる) |
| 対象事業者 | 各都道府県トラック協会の会員である中小トラック運送事業者 |
| 申請窓口 | 事業者が所属する各都道府県のトラック協会 |
| 申請期間(目安) | 2025年4月頃 〜 2025年10月24日頃(協会により異なる) |
2. 補助の対象となる安全装置と助成額
この助成金で対象となるのは、交通事故防止に効果が高いとされる特定の安全装置です。代表的な装置と助成額の目安を以下にまとめました。ただし、詳細な対象機器の要件や補助額は、必ず所属のトラック協会の公募要領をご確認ください。
対象装置の例
- 後方視野確認支援装置(バックカメラ):後退時の事故を未然に防ぎます。特に夜間や雨天時に威力を発揮します。
- 側方視野確認支援装置(サイドカメラ・側方警報装置):左折時の巻き込み事故防止に極めて有効です。死角を減らし、歩行者や自転車を検知します。
- 衝突被害軽減ブレーキ(後付け含む):前方の車両や障害物を検知し、自動でブレーキを作動させることで追突事故のリスクを大幅に低減します。
- デジタル式運行記録計(デジタコ):運転日報の自動化だけでなく、速度超過や急加速・急減速などを記録し、安全運転指導に活用できます。
- アルコールインターロック装置:呼気からアルコールが検知されるとエンジンが始動しない装置で、飲酒運転の根絶に繋がります。
- ドライバー異常時対応システム(EDSS):ドライバーの健康状態の急変を検知し、車両を自動で停止させるシステムです。
助成額と補助率
助成額は、導入する装置の取得価額(本体価格+取付費用)によって決まります。基本的な考え方は以下の通りです。
- 補助率:原則として導入費用の1/2以内
- 上限額:1装置あたり最大10万円(装置の種類や各トラック協会の規定により変動あり)
例えば、25万円のバックカメラと設置費用を導入した場合、費用の1/2である12.5万円が補助対象となりますが、上限が10万円のため、実際の助成額は10万円となります。
3. 申請手続きの流れと必要書類
申請は、原則として装置の導入・支払い完了後に行います。一般的な流れは以下の通りですが、必ず所属のトラック協会の指示に従ってください。
- 【STEP1】対象装置の選定・発注・導入
助成対象となる装置の要件を確認し、販売店や整備工場に発注・設置してもらいます。 - 【STEP2】費用の支払い
装置の代金と取付費用を全額支払います。この際、領収書を必ず保管してください。 - 【STEP3】必要書類の準備
所属のトラック協会から申請書類を入手し、必要事項を記入します。領収書や見積書などの添付書類も準備します。 - 【STEP4】トラック協会へ申請
準備した書類一式を、所属のトラック協会の窓口に持参または郵送で提出します。 - 【STEP5】審査・交付決定
トラック協会および全日本トラック協会にて審査が行われ、交付が決定されると通知が届きます。 - 【STEP6】助成金の受領
指定した口座に助成金が振り込まれます。
主な必要書類
- 助成金交付申請書(協会指定様式)
- 導入した装置の見積書および請求書の写し
- 支払いを証明する書類(領収書の写し、銀行振込控など)
- 導入した装置のカタログや仕様が分かる書類
- 装置を設置した車両の車検証の写し
- 装置の設置状況が分かる写真(設置前・設置後)
※上記は一例です。申請する協会によって必要書類は異なりますので、事前に必ず確認してください。
4. 申請における重要注意点
助成金を確実に受給するために、以下の点に注意してください。
- 予算の上限:この助成金は国や県の予算に基づいて実施されるため、申請期間内であっても予算額に達した時点で受付が終了します。導入を決定したら、速やかに申請手続きを進めることを強くお勧めします。
- 申請のタイミング:原則として、装置の購入・設置・支払いがすべて完了した後の申請となります。購入前の事前申請ではない点にご注意ください。
- 中古品・リースの取扱い:中古品やリース契約は原則として対象外となる場合が多いです。新品の購入が基本となりますので、事前に確認が必要です。
- 協会会費の納入:助成金の申請資格として、所属トラック協会の会費を完納していることが条件となる場合があります。
5. まとめ
2025年度のトラック運送事業者向け安全装置導入促進助成金は、事業者の安全投資を後押しする大変貴重な制度です。バックカメラや側方警報装置などの導入は、事故防止による社会的信用の維持だけでなく、ドライバーの負担軽減や人材確保にも繋がります。
申請は所属のトラック協会を通じて行います。予算には限りがあるため、早めの情報収集と計画的な導入、そして迅速な申請が成功のカギとなります。まずは自社が所属する都道府県トラック協会のウェブサイトを確認するか、直接問い合わせて、詳細な公募要領を入手することから始めましょう。