この記事では、創業後3年以内の事業者を力強く支援する「小規模事業者持続化補助金＜創業型＞」の第2回公募について、申請要件からスケジュール、採択率まで、専門家が分かりやすく解説します。販路開拓を目指す創業者の方は必見です。
小規模事業者持続化補助金＜創業型＞とは？
小規模事業者持続化補助金＜創業型＞は、創業から3年以内の小規模事業者を対象とした補助金です。新たな販路開拓や生産性向上に取り組む際の経費の一部を国が補助することで、事業の持続的な発展を後押しすることを目的としています。特に、「特定創業支援等事業」を受けた事業者を重点的に支援する点が大きな特徴です。
補助金の概要
| 補助上限額 | 200万円 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3以内 |
| インボイス特例 | 免税事業者からインボイス発行事業者に転換する場合、補助上限額が50万円上乗せ（最大250万円） |
申請の必須要件
本補助金を申請するには、以下の2つの要件を両方とも満たす必要があります。非常に重要なポイントですので、必ず確認してください。
- 要件1：特定創業支援等事業の受講
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」等が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けた日が、公募締切時から起算して過去3か年の間であること。支援を受けた証明書（写し）の提出が必須です。 - 要件2：開業日
開業日（法人の場合は設立年月日）が、公募締切時から起算して過去3か年の間であること。
注意：「特定創業支援等事業」は、経営・財務・販路・人材育成の4テーマを1ヶ月以上かけて受講する必要があり、証明書の発行にも時間がかかります。申請を検討している方は、早めに自治体等へ確認・受講を開始しましょう。
第2回公募のスケジュール
第2回公募のスケジュールは以下の通りです。特に締切日には注意し、余裕を持った準備を心がけましょう。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申請受付開始 | 2025年10月3日（金） |
| 事業支援計画書（様式4）発行受付締切 | 2025年11月18日（火） |
| 申請受付締切 | 2025年11月28日（金）17:00 |
| 採択発表 | 2026年3月頃（予定） |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日 ～ 2027年2月26日（金） |
| 実績報告書提出期限 | 2027年3月10日（水） |
申請から採択までの流れ（5ステップ）
申請はすべて電子申請システム「Jグランツ」で行います。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です（取得に数週間かかる場合があるため、早めに手続きしましょう）。
- GビズIDプライムの取得：未取得の方は最優先で申請してください。
- 公募要領の確認・書類作成：公式サイトから公募要領や様式をダウンロードし、「経営計画書」「補助事業計画書」などを作成します。
- 商工会議所・商工会への相談：作成した事業計画書をもとに、管轄の商工会議所・商工会へ相談し、内容をブラッシュアップします。
- 事業支援計画書（様式4）の発行依頼：商工会議所・商工会に内容を確認してもらい、「事業支援計画書（様式4）」を発行してもらいます。発行依頼には期限があるため注意が必要です。
- Jグランツでの電子申請：すべての必要書類を揃え、Jグランツから期限内に申請を完了させます。
気になる採択率は？
補助金の申請を検討する上で、採択率は重要な指標です。過去のデータを見てみましょう。
＜創業型＞第1回公募 採択率
37.9%
（申請者数 3,883者 / 採択者数 1,473者）
採択率は約4割弱と、決して簡単な補助金ではありません。審査員に事業の魅力や将来性、計画の具体性が伝わるような、質の高い事業計画書の作成が採択の鍵となります。
よくある質問（FAQ）
- Q1. 補助金はいつもらえますか？
- A1. 補助金は後払いです。補助事業期間終了後、実績報告書を提出し、審査を経て金額が確定した後に支払われます。事業期間中の資金繰りは自己資金で賄う必要があります。
- Q2. 交付決定前に発注した経費は対象になりますか？
- A2. なりません。必ず「交付決定通知書」を受け取った後に、発注・契約・支払い等を行ってください。それ以前の経費は補助対象外となります。
- Q3. 「一般型」と「創業型」は同時に申請できますか？
- A3. 重複申請はできません。ご自身の状況に合わせてどちらか一方を選択して申請してください。
まとめ
小規模事業者持続化補助金＜創業型＞は、創業初期の事業者にとって事業を加速させる大きなチャンスです。しかし、申請要件が明確に定められており、事業計画書の準備や商工会議所との連携など、計画的な準備が不可欠です。この記事を参考に、まずはご自身が要件を満たしているかを確認し、地域の商工会議所・商工会へ相談することから始めてみましょう。