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【2025年(令和7年)最新情報】
事業の再構築や生産性向上を目指す事業者様へ朗報です。厚生労働省の「産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)」は、新たな人材確保を強力に後押しする制度です。この記事では、令和7年4月1日に更新された最新情報を基に、助成金の概要、対象要件、支給額、申請方法まで、専門家がわかりやすく徹底解説します。
産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)とは?
産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)は、景気変動や産業構造の変化により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」を活用して生産性向上に取り組む際に、必要な専門人材や管理人材の雇入れを支援する制度です。
具体的には、これらの補助金の交付決定を受けた事業主が、事業計画の遂行に不可欠なハイスキル人材を新たに雇用した場合、中小企業であれば1人あたり最大250万円という高額な助成金が支給されます。単なる雇用維持に留まらず、企業の成長と変革を「人材」の側面から強力にサポートすることを目的としています。
助成金の対象となる事業者(主な要件)
この助成金を受給するためには、事業主がいくつかの要件を満たす必要があります。特に、他の主要な補助金との連携が必須条件となっている点が大きな特徴です。
1. 連携する補助金の交付決定
以下のいずれかの補助金の交付決定を受けていることが大前提となります。
- 事業再構築補助金
第12回・第13回公募の「成長分野進出枠(通常類型)」に限ります。事業計画の「実施体制」に人材確保に関する事項の記載が必要です。 - ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)
第17次公募以降の「製品・サービス高付加価値化枠」に限ります。こちらも同様に、事業計画の「実施体制」に人材確保に関する事項を記載している必要があります。
2. 事業活動の縮小
生産量や売上高など、事業活動を示す指標が、直近3か月の平均値が前年同期と比較して10%以上減少している必要があります。
3. 雇用に関する要件
- 対象労働者を期間の定めのない労働者(正社員)として、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れること。
- 雇入れは、連携する補助金の補助事業実施期間内に行うこと。
- 雇入れ前の6か月から支給申請日までの間に、事業主都合の解雇等を行っていないこと。
対象となる労働者の要件
雇い入れる人材にも以下の要件が求められます。事業の核となるハイスキル人材が想定されています。
- 業務内容:以下のいずれかに該当する者
- 専門的な知識や技術が必要となる企画・立案、指導等の業務に従事する者
- 部下を指揮・監督する業務に従事する、係長相当職以上の者
- 賃金要件:
1年間に350万円以上の賃金が支払われる者。
※時間外手当・休日手当は除きます。基本給と諸手当が対象です。
※助成金の支給対象期(6か月)ごとに、支払われた賃金が175万円以上であることが必要です。
支給額と助成対象期間
支給額は企業規模によって異なり、1年間の助成対象期間を2期に分けて支給されます。1事業主あたり5人までが上限です。
| 企業規模 | 助成額(1人あたり) |
|---|---|
| 中小企業 | 250万円(125万円 × 2期) |
| 中小企業以外 | 180万円(90万円 × 2期) |
※第1期は雇入れから6か月、第2期は次の6か月です。各期の終了後、2か月以内に申請が必要です。
申請手続きの流れ
申請は以下のステップで進みます。連携する補助金の採択がスタート地点となるため、計画的な準備が不可欠です。
- 1ものづくり補助金等の申請・交付決定
まず、対象となる補助金に申請し、採択・交付決定を受ける必要があります。 - 2対象労働者の雇入れ
補助金の補助事業実施期間内に、要件を満たす人材を雇い入れます。 - 3第1期 支給申請
雇入れから6か月が経過した日の翌日から2か月以内に、管轄の労働局またはハローワークへ必要書類を提出します。 - 4審査・支給決定
労働局にて審査が行われ、支給が決定されると助成金が振り込まれます。 - 5第2期 支給申請
雇入れから12か月が経過した日の翌日から2か月以内に、同様に第2期の支給申請を行います。
まとめ
産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)は、事業の変革期にある事業者にとって、財務的な負担を軽減しつつ、成長の鍵となる優秀な人材を獲得できる非常に魅力的な制度です。
- ポイント1:「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」との連携が必須。
- ポイント2:専門職や管理職など、年収350万円以上のハイスキル人材の雇用が対象。
- ポイント3:中小企業なら1人あたり最大250万円と、助成額が大きい。
申請には、連携する補助金の計画段階から人材確保を見据えておくことが重要です。要件が複雑な部分もありますので、公式サイトの最新情報を確認し、不明な点は管轄の労働局に相談しながら、計画的に活用を進めましょう。