運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業とは?
環境省が主導する「運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業」は、脱炭素社会の実現を目指し、運輸分野におけるCO2排出量削減を加速させるための重要な取り組みです。電動化をはじめとする先進技術は日々進歩していますが、それらを社会に広く普及させるには、関係者間の連携強化や社会的な理解を深めることが不可欠です。この事業では、有望な技術やシステムを実際に導入・実証し、社会実装における課題を解決することで、持続可能な脱炭素輸送モデルの構築を目指します。
現在公募中の分野と概要
令和7年度(2025年度)は、主に以下の分野で公募が行われています。それぞれ目的や公募期間、支援内容が異なるため、自社の事業に合致するものをご確認ください。
1. 農業機械の電動化促進事業
農業分野の脱炭素化を推進するため、電動農業機械の導入を支援する補助事業です。多様な現場でのモデルケースを形成し、今後の普及拡大に必要な知見を得ることを目的としています。
- 目的: 電動農機の導入によるCO2排出削減と、普及モデルの形成
- 実施主体: 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)
- 支援内容: 委託事業として、単年度あたり最大1,000万円を支援
- 公募期間: 令和7年2月21日(金)~ 令和7年3月21日(金)17時まで
- 対象: 民間企業、大学、団体等
2. エネルギーマネジメント・次世代物流分野
運輸部門全体のエネルギー効率向上や、物流システムの革新を目指す実証事業を支援します。こちらは委託事業と補助事業の2本立てとなっています。
- 公募分野:
- 分野1「エネルギーマネジメント」
- 分野2「次世代物流」
- 支援内容:
- 委託費: 上限5,000万円/単年度
- 補助金: 上限2,500万円/単年度 (補助率1/2以内)
- 公募期間: 令和7年7月7日(月)~ 令和7年8月8日(金)17時まで
- 対象: 民間企業、大学、団体等
申請から補助金交付までの流れ
申請プロセスは分野によって異なりますが、ここでは「農業機械の電動化促進事業」を例に、一般的な流れを解説します。
- GビズIDの取得: 申請はデジタル庁のjGrantsシステムを利用します。事前にGビズIDアカウントの取得が必要です。
- 申請書類の準備: 公募要領を確認し、「交付申請書」「実施計画書」「経費内訳」などの必要書類を作成します。見積書や機器仕様書も添付が必要です。
- jGrantsから申請: 準備した書類を電子ファイル化し、jGrants上で申請手続きを行います。
- 審査・交付決定: 運営委員会による審査、および環境省との協議を経て交付が決定され、通知書が送付されます。
- 事業の実施: 交付決定後、補助対象となる電動農機等の購入契約・導入を行います。
- 完了実績報告: 事業完了後、30日以内または年度末の3月10日のいずれか早い日までに、完了実績報告書を提出します。
- 補助金額の確定・支払い: 報告書に基づき補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。
- 導入後の報告義務: 導入後、複数年度にわたりCO2削減効果などに関する年次報告が必要です。また、現地調査への協力が求められる場合があります。
※審査は基本的に先着順ですが、モデルケース形成の観点から、導入する機械の種類や地域性の偏りをなくすために交付決定が留保される場合があります。
事業詳細・お問い合わせ先
| 事業名 | 運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業 |
|---|---|
| 実施機関 | 環境省 (農業機械の電動化促進事業は、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)が事務局) |
| 対象者 | 民間企業、大学、各種団体等 |
| 対象地域 | 全国 |
| 公式サイト | 環境省 公式サイト |
| お問い合わせ先 |
【エネルギーマネジメント・次世代物流分野】 環境省 水・大気環境局 モビリティ環境対策課 脱炭素モビリティ事業室 電話: 03-5521-8301 【農業機械の電動化促進事業】 |
まとめ
「運輸部門の脱炭素化促進事業」は、運輸・農業分野における脱炭素化のキーとなる先進技術の導入を強力に後押しする制度です。補助金や委託費を活用することで、初期投資の負担を軽減し、新たな技術の実証に挑戦しやすくなります。公募期間が限られているため、関心のある事業者様は、早めに公式サイトで公募要領を確認し、準備を進めることをお勧めします。