詳細情報
2025年のインボイス制度完全対応に向けて、ITツールの導入を検討中の事業者様は必見です。「IT導入補助金2025」のインボイス枠(インボイス対応類型)は、会計ソフトだけでなく、PCやタブレット、POSレジといったハードウェアも対象となり、最大350万円という高額な補助が受けられる注目の制度です。本記事では、補助金申請の専門家が、制度の概要から対象経費、申請スケジュール、採択率を上げるための加点項目まで、どこよりも分かりやすく解説します。
IT導入補助金2025 インボイス枠(インボイス対応類型)とは?
IT導入補助金のインボイス枠は、2023年10月から開始されたインボイス制度に対応するため、中小企業・小規模事業者が会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトなどを導入する際の経費の一部を補助する制度です。特にこの枠は、制度対応に不可欠なPCやタブレット、レジなどのハードウェア購入費用も補助対象となる点が大きな特徴です。
- 目的: インボイス制度への対応を促進し、企業の生産性向上とDX化を支援する。
- 最大補助額: 350万円
- 特徴: ソフトウェアだけでなく、PC・タブレット・レジ等のハードウェアも補助対象。
- 対象ツール: 「会計」「受発注」「決済」機能のうち、1機能以上を有するITツール。
補助対象となる事業者
日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者が対象です。資本金や従業員数によって定義が異なりますので、自社が該当するか確認しましょう。
| 業種 | 資本金 | 常勤の従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
※個人事業主や医療法人、社会福祉法人なども対象に含まれます。詳細は公式サイトの公募要領をご確認ください。
補助対象経費と補助率・補助額
インボイス枠では、ソフトウェア費用からハードウェア費用まで幅広く補助されます。補助率や補助上限額が細かく設定されているため、注意が必要です。
対象経費
- ソフトウェア購入費・クラウド利用料: 会計・受発注・決済機能を持つITツールの費用(クラウド利用料は最大2年分が対象)。
- ハードウェア購入費: PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機、POSレジ、モバイルPOSなど。
- 導入関連費: 導入コンサルティング、マニュアル作成、導入研修、保守サポートなどの費用。
補助率と補助額
インボイス枠は、導入するITツールの機能数や事業者規模によって補助額・補助率が変動します。
■ 補助額: 5万円~350万円
- 会計・受発注・決済のうち1機能以上: ~50万円以下
補助率: 小規模事業者 4/5、中小企業 3/4 - 会計・受発注・決済のうち2機能以上: 50万円超~350万円
補助率: 小規模事業者・中小企業ともに 3/4
■ ハードウェアの補助
- 補助率: 1/2以内
- 補助上限額: PC・タブレット等は10万円、POSレジ等は20万円
申請スケジュールと流れ(2025年版想定)
IT導入補助金は年間を通じて複数回の締切が設けられます。2025年の正式なスケジュールは今後発表されますが、例年の傾向から早めの準備が採択の鍵となります。
入力情報に基づく締切日(例): 2025年10月27日(月)
【申請の主なステップ】
- IT導入支援事業者の選定: 補助金対象のITツールを提供する事業者を選び、共同で申請準備を進めます。
- gBizIDプライムの取得: 申請には「gBizIDプライム」アカウントが必須です。取得に2~3週間かかる場合があるため、最優先で手続きしましょう。
- 交付申請: IT導入支援事業者と共同で事業計画を作成し、申請マイページから電子申請を行います。
- 交付決定・事業実施: 事務局からの「交付決定」通知を受けた後に、ITツールの契約・導入・支払いを行います。(交付決定前の発注・契約は補助対象外です)
- 事業実績報告: 導入したITツールの証拠書類(請求書、領収書など)を揃え、事業実績報告を行います。
- 補助金交付: 報告内容が確定した後、補助金が交付されます。
採択率を上げるための加点項目
申請内容が同じでも、加点項目を満たすことで採択の可能性が高まります。積極的に活用しましょう。
- 賃上げ目標の表明: 給与支給総額や事業場内最低賃金の引き上げ計画を策定し、従業員に表明している。
- SECURITY ACTIONの宣言: 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「一つ星」または「二つ星」を宣言している。
- みらデジ経営チェックの実施: 中小企業庁の「みらデジ」ポータルサイトで「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行っている。
- 地域未来牽引企業: 経済産業省から「地域未来牽引企業」として選定されている。
- その他: 健康経営優良法人認定、事業継続力強化計画(BCP)認定など。
まとめ:インボイス対応とDX化を同時に実現しよう
IT導入補助金2025のインボイス枠は、インボイス制度への対応という喫緊の課題を解決しながら、PCやレジの刷新、業務全体のデジタル化を推進できる絶好の機会です。最大350万円の補助は、資金繰りに悩む中小企業・小規模事業者にとって大きな助けとなります。
採択されるためには、信頼できるIT導入支援事業者を見つけ、事業計画をしっかりと練り上げることが重要です。公募開始に備え、今からgBizIDプライムの取得や情報収集を進めておくことをおすすめします。この機会を最大限に活用し、企業の競争力強化につなげましょう。