2025年度、インバウンド観光客の誘致と消費拡大を目指す事業者様へ朗報です。観光庁が実施する「インバウンド受入環境整備高度化事業」の三次公募が開始されました。この補助金は、観光地の魅力向上と受入環境の整備を強力に後押しするもので、補助率は1/2、補助上限額は設けられていません。本記事では、この注目の補助金の概要から対象事業、申請方法までを分かりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 観光庁によるインバウンド対策補助金の三次公募情報(2025年10月31日締切)
  • 補助率は原則1/2、補助上限額はなし!
  • Wi-Fi整備、多言語対応、キャッシュレス化など幅広い事業が対象
  • 自治体、DMO、民間事業者など多様な事業者が申請可能
  • 申請には「高度化計画」の策定が必要

「インバウンド受入環境整備高度化事業」とは?

「インバウンド受入環境整備高度化事業」は、観光庁が主導する補助金制度です。その目的は、訪日外国人旅行者の満足度を高め、日本各地への周遊を促進し、地域での消費を拡大させることにあります。具体的には、個々の観光スポットだけでなく、地域全体が一体となって受入環境を整備・高度化する取り組みを支援します。

コロナ禍を経て回復基調にあるインバウンド需要を確実に取り込み、持続可能な観光地域づくりを実現するための重要な施策と位置づけられています。

補助金の概要(三次公募)

項目 内容
公募期間 2025年9月16日 〜 2025年10月31日
実施機関 観光庁
補助率 1/2以内(※要件により加算措置あり)
補助上限額 上限なし
対象事業者 市区町村、都道府県、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者、組合・団体等

※予算がなくなり次第、公募受付は終了となる可能性があるため、早めの申請が推奨されます。

補助対象となる事業の具体例

本事業の大きな特徴は、対象となる事業範囲が非常に広いことです。地域の課題や旅行者のニーズに合わせて、多岐にわたる環境整備が支援対象となります。以下に主な事業例をカテゴリ別に紹介します。

1. デジタル化・利便性向上

  • 無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境の整備:観光客の必須インフラであるWi-Fiアクセスポイントの設置・更新。
  • 先進的決済環境の整備:クレジットカードやQRコード決済など、多様なキャッシュレス決済端末の導入。
  • 多言語対応の強化:案内板、ウェブサイト、メニュー、パンフレット等の多言語化。
  • ICTを活用したゴミ箱の整備:ゴミの蓄積状況をリアルタイムで把握し、効率的な回収を実現するスマートゴミ箱の導入。
  • ロボット等の導入:飲食店や観光案内所における配膳ロボットや案内ロボットの導入による省人化・多言語対応。

2. 快適性・魅力向上

  • トイレの高機能化及び洋式便器の整備:温水洗浄便座の設置や清潔感のある内装への改修など。
  • ナイトタイムエコノミーの環境整備:夜間の照明整備やイベント開催による夜の魅力創出。
  • 廃屋撤去:景観を損なう廃屋を撤去し、観光地の美観を向上させる取り組み。
  • 手ぶら観光カウンターの機能向上:荷物の一時預かりや配送サービスの拡充。
  • ワーケーション環境の整備:快適な通信環境やワークスペースの整備。

3. 多様なニーズへの対応(ユニバーサルツーリズム・サステナビリティ)

  • 段差の解消:スロープ設置など、施設や歩道のバリアフリー化。
  • 子供連れ環境の整備:授乳室やおむつ交換台の設置、ベビーカーの貸し出しなど。
  • EV急速充電器の整備:環境に配慮した旅行スタイルに対応するためのインフラ整備。
  • 多様な移動手段の整備:レンタサイクルや小型モビリティなど、二次交通の選択肢を増やす取り組み。

申請方法と必要な書類

本事業への申請は、単独の事業者ではなく、地域が一体となった「受入環境整備高度化計画」を策定し、提出する必要があります。この計画に基づいて個別の事業が補助対象となります。

申請の主な流れ

  1. 高度化計画の策定:市区町村、DMO、地域の民間事業者等が連携し、地域の課題解決に向けた計画を作成します。
  2. 申請書類の準備:計画書や事業ごとの要望書など、指定された様式で書類を準備します。
  3. 提出:管轄の地方運輸局等へ申請書類を提出します。(郵送または持参)
  4. 審査・交付決定:提出された計画が審査され、採択されると交付が決定します。

主な必要書類

  • 受入環境整備高度化計画
  • 計画概要(PowerPoint様式)
  • 要望書(実施したい事業の様式を選択)

※様式は観光庁の公式ウェブサイトからダウンロード可能です。事業内容によって必要な様式が異なるため、必ず公募要領をご確認ください。

まとめ:地域一体でインバウンド誘致を加速させよう

「インバウンド受入環境整備高度化事業」は、補助上限がなく、幅広い事業が対象となる非常に魅力的な補助金です。単なる設備投資に留まらず、地域全体の観光戦略を見直し、訪日客にとってより魅力的で快適な滞在環境を構築する絶好の機会と言えるでしょう。

申請には地域連携と計画策定が鍵となります。地域の観光協会やDMO、自治体と連携し、計画的に準備を進めることが重要です。公募締切は2025年10月31日です。この機会を最大限に活用し、インバウンド需要の獲得に向けた取り組みを加速させましょう。

詳細情報・お問い合わせ

最新の情報や詳細な公募要領、申請様式は必ず公式サイトでご確認ください。

公式サイト: 観光庁 インバウンド受入環境整備高度化事業ページ

お問い合わせ: 観光庁 参事官(外客受入) 電話:03-5253-8111