【2025年最新】両立支援等助成金を徹底解説!6コースの概要と拡充ポイント

従業員の育児や介護と仕事の両立を支援したいけれど、何から手をつければ良いか分からない…。そんな中小企業の経営者や人事担当者の皆様へ。厚生労働省の「両立支援等助成金」は、働きやすい職場環境づくりを強力に後押しする制度です。2025年度(令和7年度)には一部コースが拡充され、さらに利用しやすくなりました。この記事では、6つのコースの概要から最新の変更点、申請の流れまで、公式情報を基に分かりやすく解説します。

両立支援等助成金とは?仕事と家庭の両立を応援する制度

両立支援等助成金は、従業員が育児や介護といったライフイベントと仕事を両立できる職場環境の整備に取り組む中小企業事業主を支援するための制度です。男性の育児休業取得促進や介護離職の防止、柔軟な働き方の導入など、企業の取り組み内容に応じて助成金が支給されます。優秀な人材の確保・定着にも繋がるため、積極的に活用したい制度です。

【一覧表】2025年度 両立支援等助成金 全6コースの概要

2025年度の両立支援等助成金には、以下の6つのコースがあります。自社の課題や目指す職場像に合わせて、最適なコースを選びましょう。

コース名 主な目的 主な支給額
① 出生時両立支援コース
(子育てパパ支援助成金)
男性の育児休業取得促進 20万円~60万円
② 介護離職防止支援コース 仕事と介護の両立支援 3万円~60万円
③ 育児休業等支援コース 円滑な育児休業の取得・復帰支援 30万円~60万円
④ 育休中等業務代替支援コース 育休中の業務代替体制の整備 最大140万円
⑤ 柔軟な働き方選択制度等支援コース 育児期の柔軟な働き方の整備 20万円~25万円
⑥ 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース 不妊治療や女性の健康課題と仕事の両立支援 30万円

【2025年度】主な変更点・拡充ポイント

2024年12月以降、特に「出生時両立支援コース」と「育休中等業務代替支援コース」で制度が拡充されました。これにより、より多くの企業が助成金を活用しやすくなっています。

  • 出生時両立支援コースの拡充: 第2種(育休取得率の上昇)の要件が緩和され、第1種(個別の育休取得)を受給していなくても申請可能になりました。
  • 育休中等業務代替支援コースの拡充: 業務体制整備を社会保険労務士に委託した場合の経費助成が最大20万円に増額されました。また、対象事業主が「常時雇用する労働者300人以下」に拡大され、より多くの企業が利用できるようになりました。

各コースの詳細解説

1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性が育児休業を取得しやすい職場環境を整備し、実際に男性従業員が育休を取得した場合に支給されます。

  • 第1種(個別の育休取得):
    • 概要: 男性の従業員が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育休を取得した場合に支給。
    • 支給額: 1人目 20万円、2・3人目 10万円
  • 第2種(育休取得率の上昇):
    • 概要: 企業全体の男性育休取得率が前年度比で30ポイント以上上昇し50%を達成するなどの要件を満たした場合に支給。
    • 支給額: 60万円

2. 介護離職防止支援コース

「介護支援プラン」を作成し、従業員の円滑な介護休業の取得・復帰や、介護と両立できる制度の利用を支援した場合に支給されます。

  • 介護休業:
    • 概要: 従業員が介護休業を取得し、職場復帰した場合。
    • 支給額: 40万円(休業15日以上で60万円)。
  • 介護両立支援制度:
    • 概要: 短時間勤務や時差出勤などの制度を導入し、利用者が生じた場合。
    • 支給額: 20万円~40万円
  • 業務代替支援:
    • 概要: 介護休業者の代替要員を新規雇用、または周囲の従業員に手当を支給した場合。
    • 支給額: 3万円~30万円

3. 育児休業等支援コース

「育休復帰支援プラン」を作成し、従業員の円滑な育休取得と職場復帰を支援した場合に支給されます。

  • 育休取得時:
    • 概要: プランに基づき、従業員が3か月以上の育休を取得した場合。
    • 支給額: 30万円
  • 職場復帰時:
    • 概要: 育休取得者が職場復帰し、6か月以上継続雇用された場合。
    • 支給額: 30万円

4. 育休中等業務代替支援コース

育休取得者や短時間勤務者の業務をカバーする体制を整備した場合に支給されます。支給額が大きく、企業の負担軽減に直結するコースです。

  • 手当支給等(育児休業):
    • 概要: 育休者の業務を代替する周囲の従業員に手当を支給した場合。
    • 支給額: 最大140万円(業務体制整備費+業務代替手当)。
  • 手当支給等(短時間勤務):
    • 概要: 短時間勤務者の業務を代替する周囲の従業員に手当を支給した場合。
    • 支給額: 最大128万円
  • 新規雇用(育児休業):
    • 概要: 育休者の代替要員を新規雇用または派遣で確保した場合。
    • 支給額: 最大67.5万円

5. 柔軟な働き方選択制度等支援コース

育児期の従業員が利用できる柔軟な働き方の制度(フレックスタイム、テレワーク等)を複数導入し、利用者が生じた場合に支給されます。

  • 支給額:
    • 制度を2つ導入し利用者が生じた場合: 20万円
    • 制度を3つ以上導入し利用者が生じた場合: 25万円

6. 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース

不妊治療や月経、更年期といった女性特有の健康課題と仕事の両立を支援するため、休暇制度などを整備し、利用者が生じた場合に支給されます。

  • 支給額:
    • 不妊治療のための制度利用: 30万円
    • 月経に起因する症状への対応制度利用: 30万円
    • 更年期に起因する症状への対応制度利用: 30万円

助成金申請の基本的な流れと注意点

申請の流れはコースによって異なりますが、大まかには以下のステップで進みます。

  1. 取り組みの計画・準備: 就業規則の改定や、必要なプラン(介護支援プラン、育休復帰支援プラン等)の策定準備を行います。
  2. 制度の導入・周知: 改定した就業規則や支援方針を社内に周知します。
  3. 従業員による制度利用: 従業員が実際に育児休業や介護休業、各種制度を利用します。
  4. 支給申請: 各コースで定められた期間内に、必要書類を揃えて管轄の都道府県労働局へ申請します。電子申請も可能です。
  5. 審査・支給決定: 労働局による審査を経て、支給が決定されます。

【注意点】
申請には期限があり、多くは従業員の休業終了日や制度利用実績が確定した日から起算されます。期限を過ぎると申請できなくなるため、計画的に準備を進めることが重要です。詳細は必ず厚生労働省のホームページや支給申請の手引きで確認してください。

まとめ

両立支援等助成金は、従業員が安心して働き続けられる環境を整えたい中小企業にとって、非常に有効な制度です。2025年度は制度も拡充され、活用のチャンスが広がっています。この記事を参考に、自社に合ったコースを見つけ、働きやすい職場づくりと企業成長の両立を目指しましょう。