【2025年度最新】重度障害者等通勤対策助成金とは?障害者雇用の通勤課題を解決!
障害のある方を雇用する上で、「通勤」は大きな課題の一つです。特に重度の障害がある方にとっては、毎日の通勤が雇用の継続を困難にするケースも少なくありません。この課題を解決するために、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が提供しているのが「重度障害者等通勤対策助成金」です。
この助成金は、事業主が障害者の通勤を容易にするための措置を講じる際に、その費用の一部を助成することで、障害者の雇用の促進と継続を目的としています。この記事では、8種類にも及ぶ豊富な支援メニューの内容から申請方法まで、プロの視点で分かりやすく解説します。
この助成金のポイント
- 多様な支援メニュー: 住宅の賃借から通勤用バス・自動車の購入、介助者の配置まで全8種類の幅広い支援が用意されています。
- 高い助成率: 対象経費の4分の3が助成され、事業主の経済的負担を大幅に軽減します。
- 長期的な支援: 住宅賃借や指導員の配置など、メニューによっては最長10年間の長期的な支援が受けられます。
助成金の対象となる事業主と障害者
対象事業主
重度身体障害者、知的障害者、精神障害者などを雇用し、その障害者の通勤を容易にするための措置を行う事業主、またはこれらの事業主が加入する事業主団体が対象です。ただし、国や地方公共団体、一部の特殊法人などは対象外となります。
対象障害者
助成金の対象となるのは、障害により通勤が著しく困難で、事業主が支援措置を講じなければ雇用の継続が難しいと認められる方です。具体的には、以下のような方が該当します。
- 重度身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 3級の視覚障害者や3級・4級の下肢・体幹機能障害者など、通勤が特に困難と認められる身体障害者
⚠️ 注意点
原則として、対象となる障害者を雇用してから6か月を超えて経過している場合は、すでに対応が図られていると見なされ、支給対象外となります。ただし、中途障害や人事異動など、やむを得ない理由は考慮される場合があります。
8種類の助成金メニューを一覧比較
本助成金には、事業主のニーズに合わせて選べる8種類の支援メニューがあります。自社の状況に最適な支援策を見つけましょう。
| 助成金の種類 | 内容 | 支給限度額(助成率3/4) | 支給期間 |
|---|---|---|---|
| ① 重度障害者等用住宅の賃借 | 事業所近くの住宅を事業主が賃借 | 世帯用: 月10万円 / 単身用: 月6万円 | 最長10年 |
| ② 指導員の配置 | 5人以上が入居する住宅に指導員を配置 | 1人につき月15万円 | 最長10年 |
| ③ 住宅手当の支払 | 障害者本人が借りた住宅の手当を支給 | 1人につき月6万円 | 最長10年 |
| ④ 通勤用バスの購入 | 5人以上の送迎用バスを購入 | 1台700万円 | 1回限り |
| ⑤ 通勤用バス運転従事者の委嘱 | バスの運転を外部に委嘱 | 1回6千円 | 最長10年 |
| ⑥ 通勤援助者の委嘱 | 公共交通機関利用時の援助者を委嘱 | 1回2千円 + 交通費 | 1ヶ月 |
| ⑦ 駐車場の賃借 | マイカー通勤用の駐車場を賃借 | 1人につき月5万円 | 最長10年 |
| ⑧ 通勤用自動車の購入 | マイカー通勤用の自動車を購入 | 1台150万円 (特例250万円) | 1回限り |
申請から受給までの流れ【簡単4ステップ】
助成金を受給するまでの手続きは、大きく分けて「認定申請」と「支給請求」の2段階です。計画的に進めましょう。
-
1
計画・相談
どの助成金メニューを利用するかを検討し、最寄りのJEED都道府県支部へ事前に相談することをおすすめします。
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2
受給資格認定申請
住宅の賃貸借契約や物品の購入など、措置を講じる前に「受給資格認定申請書」と必要書類を提出します。申請は郵送、持参のほか、e-Govによる電子申請も可能です。
-
3
措置の実施と支払い
JEEDから受給資格の認定通知を受けたら、計画に沿って措置(契約、購入、配置など)を実施し、費用の支払いを完了させます。
-
4
支給請求
支給対象期間(原則6か月ごと)が経過した後、期限内に「支給請求書」と支払いを証明する書類などを提出します。審査後、助成金が振り込まれます。
申請前に必ず確認!注意点とよくある質問
申請における重要注意事項
- 併給調整: 同一の障害者について、住宅に係る助成金と通勤手段に係る助成金を併せて受給することはできません。
- 不正受給の禁止: 偽りの申請など不正受給が発覚した場合、助成金の返還はもちろん、延滞金や違約金が課され、事業者名が公表されるなど厳しい措置が取られます。
- 労働関係法令の遵守: 労働保険・社会保険への未加入や、労働基準法違反などがある事業主は支給対象外となります。
- 電子申請の活用: 令和7年4月1日からe-Govによる電子申請が可能になりました。手続きの効率化のために積極的な活用が推奨されています。
まとめ:専門家に相談して通勤の課題を解決しよう
「重度障害者等通勤対策助成金」は、障害者の通勤に関する課題を解決し、多様な人材が活躍できる職場環境を整備するための強力な支援策です。8種類の豊富なメニューから自社の状況に合ったものを選択し、活用することで、障害者の雇用維持と定着に繋がります。
制度が複雑でどのメニューが最適か分からない、申請手続きに不安があるといった場合は、まずは最寄りのJEED都道府県支部や、障害者雇用に詳しい社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。この機会に助成金を活用し、誰もが働きやすい職場づくりを一歩前に進めましょう。
対象者・対象事業
重度身体障害者、知的障害者、精神障害者等を雇用し、その障害者の通勤を容易にするための措置(住宅賃借、バス購入等)を行う事業主または事業主団体。
必要書類(詳細)
受給資格認定申請書、事業計画書、支給対象障害者の障害者手帳の写し、雇用契約書または労働条件通知書の写し、賃貸借契約書案(住宅賃借の場合)、見積書(購入の場合)など、申請する助成金の種類によって異なります。詳細は公式パンフレットや様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
住宅の賃借料、指導員の賃金、住宅手当、通勤用バス・自動車の購入費用、バス運転従事者・通勤援助者への委嘱費用、駐車場の賃借料など、8種類の助成金メニューに応じた費用が対象となります。
対象者・対象事業
重度身体障害者、知的障害者、精神障害者等を雇用し、その障害者の通勤を容易にするための措置(住宅賃借、バス購入等)を行う事業主または事業主団体。
必要書類(詳細)
受給資格認定申請書、事業計画書、支給対象障害者の障害者手帳の写し、雇用契約書または労働条件通知書の写し、賃貸借契約書案(住宅賃借の場合)、見積書(購入の場合)など、申請する助成金の種類によって異なります。詳細は公式パンフレットや様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
住宅の賃借料、指導員の賃金、住宅手当、通勤用バス・自動車の購入費用、バス運転従事者・通勤援助者への委嘱費用、駐車場の賃借料など、8種類の助成金メニューに応じた費用が対象となります。